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46 光属性

『久し振りだな、チカ』

「本当にお久し振りですね。ずーっと会いたいなぁ…と思ってました」


これからの話をしていた時、私の足元に魔法陣が現れ、そのままオールデンさんの所へとやって来た。タイミングとしては丁度良かったのかもしれない。


「と言うか…何故金髪碧眼の美男子姿なんですか?違和感が半端無いので、黒い姿に戻ってもらえませんか?」

『あぁ、戻すのを忘れていた』


パチンと指を鳴らせば、一瞬にして黒色のオールデンさんの姿に戻った。


「自分の想像画の事、知ってたんですね」

『知らない筈ないだろう。滅多にはないが()に姿を現す時は、あの想像画の姿で行くからな。本当の姿を知る者は、私が選んだ聖女だけだ。田辺莉々には金髪碧眼だったがな。』

「そうなんですか?でも、違和感があるから気付いたのでは?」

『アレが気付く訳がないだろう。聖女としては欠陥品だったからな』

「欠陥品……なら、どうして彼女を器として選んだんですか?はいはい、分かってますよ?私に過去の決着をさせる為でもあったって事は。でも、そのせいでジョセリンさんが被害を受けたんです。“面白かった”では済ませませんよ?」


おかしい。私は怒っている。そして、たかが人間でしかない私が、創世神と言う名の神様に噛み付いているのに、オールデンさんは嬉しそうに笑っている。


「Mですか!?」

『本当にチカは面白い奴だな…くくっ…』


ー私は全く面白くないんですけど!?ー


そうか。私が怒れば怒る程オールデンさんが喜ぶだけなのか……。


『それで?私に頼み事があるのだろう?』

「あります。その被害者のジョセリンさんですけど、彼女自身が平民として生きて行く事を選びましたけど、これから先の事を考えると、私だけでは守り切れないので、何か……彼女にお守りを付与してもらえませんか?」


物理的な攻撃なら、アイル達が護ってくれるだろうけど、身分が絡んで来たりした場合、どうしても不利になる。私だけのダメージで済めば良いけど、アルスティア領の人達を巻き込むような事になったら、私だけではジョセリンさんを守れない。私が聖女ミズキだと公にすれば手を出して来る人は居ないかもしれないけど……


ー私だって、スローライフを満喫したい!ー


『ならば、その者に“光属性”の魔力を付与しよう』

「光属性って……滅多に居ないって……」

『光は過去2人にしか付与した事がない。聖女と同じで、創世神である私しか付与ができない属性で、その属性が子に引き継がれる事はない。聖女の能力よりは劣るが治癒の力が使える。』

「それ、珍しいから、逆に狙われるのでは?」

『光属性は簡単に言えば“オールデン神の加護”だ。加護持ちの者に何かしようものなら、直ぐ様私の怒りを買う事になる』


ニヤリ─と笑うオールデンさん。


なるほど。貴重な光属性持ちだから狙われやすいと思いきや、狙ったら最期になると─。あれ?でも、私も一応聖女で加護持ち扱いなのに、色々やられてなかった?でも、最期になってなかったよね?


『それは、チカが仕返しを望んでいなかったからだ。その分、妖精達が奮闘していたがな…』

「妖精達が…奮闘?」


アイル達、何かしてた?してなかったよね?


「確かに、仕返しは望んでませんでしたね。でも、ジョセリンさんの事は、しっかりと護ってやられたらやっちゃって下さい」

『他に望みはないのか?』

「特には……強いて言うなら、後はスローライフを楽しみたいぐらいですね」

『本当にチカは欲が無いな…では、私から一つ。水属性を付与しておこう』

「魔法!?」

『今のミスリアル国王なら、聖女チカが魔力持ちであっても囚えようとはしないだろう?なら、持っていても問題ないだろう』

「ありがとうございます!!」


ー魔法!魔法が使える!!!ー


お礼を言ったところでまた、足元に魔法陣が現れた。


『これ以降は会えるかどうかは分からないが、何かあれば黒羽(くう)を呼ぶと良い』

「遠慮無く呼ばせてもらいますけど、都合が悪いからと無視しないで下さいね?」

『分かった………』


オールデンさんのその言葉と楽しそうに笑っている顔を目にしたのを最後に、私はまたミスリアルの王城へと転移した。










「──と言う事で、誰もジョセリンさんに手が出せないように、“光属性”が付与される事になりました」

「「「…………」」」

「オールデン神に呼ばれて会って直接会話を交わし、更に願いを叶えてもらうとは…流石はチカ様ですね!また更に聖女としての威厳が増してませんか?」

「それで、私も水属性を付与してもらったから、ネッドさん、魔力の扱い方とか水魔法について、色々と教えてもらう事はできます?」

「──っ!!?」


ピタッと全身固まるネッドさん。そのネッドさんの代わりに答えてくれたのはルドヴィクさん。


「光属性とはまた……それについても、ネッドから色々教えてもらうと良い。ネッドは魔力に関しての知識は一番だろうから。チカさえ良ければ、チカの家と王城(ここ)を繋ぐ魔法陣を貼り付ければ、他の者に気付かれずに転移できるが…」

「………分かりました……………」

「嫌々感が隠し切れていないが……」

「トンデモナイ。アリガタイデス」


魔力の扱いの指導をお願いしたのは私だから、文句は言わない。言わないけど、これからもイケメンと繋がりが続くのかと思うと……複雑なところだ。






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