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【コミカライズ開始!】追放されたダンジョン配信者、《マッピング》スキルで最強パーティーを目指します  作者: 瀬戸夏樹


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第88話 〈身代わりの護符〉

「出たな。カボチャ頭、アイテムボックス全解除」


 榛名はカボチャ頭が出現したのを見て、すかさずアイテムボックスにしまっていたアイテムを全て放出した。


 装備の銃と靴もその場に捨てる。


「こいつが例のカボチャ頭? アイテムボックス全解除」


 美波も榛名に(なら)う。


「ああ。持ってる装備とアイテムボックスのアイテム全部破壊してくる厄介な奴だ。だから、こいつを倒すには……」


 榛名は散らばったアイテムの1つ、真莉に錬成してもらった巨大手裏剣〈ハガネ風車〉を手に取る。


 すかさず、カボチャ頭はランタンの炎を増幅させて、アイテムを焼き払おうとする。


 榛名は忍者漫画に出て来そうな大手裏剣〈ハガネ風車〉を盾のように構えて防御する。


「こうして耐久・特の〈魔鉄〉で作った〈ハガネ風車〉で防御と攻撃両方やるしかないってこと。よっ」


 炎攻撃が()んだところで、榛名は〈ハガネ風車〉をカボチャ頭に投げ付ける。


 すると、〈ハガネ風車〉はアイテム破壊魔法もものともせず、カボチャ頭を両断する。


(なるほど。装備やアイテムを手放さなければアイテムボックス破壊。手放せば手放したでランタンの炎で焼き尽くすってわけか。確かにこれは厄介な二段構えだな)


 榛名はブーメランのように戻ってきた〈ハガネ風車〉をキャッチする。


「その〈ハガネ風車〉って同じシーエクの真莉ちゃんが作ったんだっけ?」


「そう。ダンジョン攻略中にたまたま作った〈ハガネ風車〉がカボチャ頭に効果的ってことで私らのためにも作ってくれたんだ」


「へー。真莉ちゃんも凄いんだねー」


「? なんだよ?」


「いや、頼りになる仲間がいるっていいなって」




 更に進むと今度はカボチャ頭とウェアウルフが同時に出てきた。


(ま、当然こういうコンボも来るよね)


 カボチャ頭を意識してアイテムボックス全解除すれば、〈風の護符〉も外さなければいけないから素早さでウェアウルフに圧倒されてしまう。


「美波、悟の言ってたアレ試してみようぜ」


「うーん。上手くいくかな」


 榛名はアイテム・装備を全解除して〈ハガネ風車〉だけ装備する。


 カボチャ頭は美波に向けて魔法を放とうとする。


 ウェアウルフも一斉に向かってくる。


 美波は次元の扉を開いて逃げ込む。


 カボチャ頭の魔法は途中で目標を見失い、空中を彷徨った末に消える。


(やっぱり美波のスキル次元空間に入れば、カボチャ頭のアイテム破壊は回避できる)


「ていやっ」


 榛名はカボチャ頭に向かって〈ハガネ風車〉を放つ。


 カボチャ頭は両断されるも榛名は一瞬、無防備になった。


 すかさずウェアウルフが間合いを詰めて爪を立てる。


 が、次元空間から移動した美波の方が先にウェアウルフの首を刎ねた。


 〈風の護符〉を解除していない美波は、ウェアウルフよりも遥かに素早く動ける。


「ナイス美波!」


「上手くいったよ榛名」


「これならカボチャ頭と複数モンスターが出ても、なんとかなりそうだな」


「うん」


 二人が倒したモンスターからのドロップアイテムを回収していると見慣れぬアイテムが落ちていることに気づいた。


「ん? なんだこれ?」


 それはカボチャ頭からドロップされた護符型のアイテムだった。




 ♢




 悟とこよみも順調にダンジョン攻略を進めていた。


「あ、カボチャ頭だ」


「お、出たね」


「あわわ。こういう時はどうするんでしたっけ悟さん」


「落ち着いて。まだ向こうはこっちに気付いていない」


 カボチャ頭はアテもなく通路の向こう側をフワフワ浮かんでいる。


 悟とこよみは物陰に隠れてヒソヒソ声で話し合っていた。


「カボチャ頭はスピードよりもアイテム破壊をどれだけ防げるかだよ。戦う前にはアイテムボックスと装備を解除して、先に魔力を練り込んでからいくんだ」


「は、はい。アイテムボックス・装備全解除」


 こよみの周りに〈スペルカード〉や集めた〈魔石〉、〈風の護符〉、そして〈魔法使いの帽子〉などが散乱する。


 こよみは魔石を1つだけ手にして手の中で魔力を充分に練り込んでから、カボチャ頭の前に躍り出る。


 カボチャ頭はアイテム破壊を放つも、こよみは特にアイテムも装備も持っておらず、効果がない。


「ていやっ」


 こよみは火魔法を放った。


 事前に練り込んだ魔力のおかげもあって、火魔法は初めから広範囲・高威力でカボチャ頭に迫る。


 火魔法はカボチャ頭を焼き尽くした。


(あれ? 強いって聞いてたけど案外簡単に倒せたな)


「ナイスだよこよみ」


「はい。案外、簡単に倒せました」


「魔法使いにとっては相性のいいモンスターみたいだね。おっと」


 グルルという唸り声が聞こえたかと思うと、壁の上に潜んでいたウェアウルフが飛びかかってくる。


 油断していたこよみはウェアウルフの攻撃を受けそうになるが、悟が目にも止まらぬ速さで体当たりしてそのままウェアウルフの上にのしかかり、銃で仕留める。


 悟は〈風の護符〉を装備したままなので、充分ウェアウルフの速さに対応できるのである。


「悟さん。大丈夫ですか?」


「うん。こういう風にカボチャ頭と何か別のモンスターが現れたら、役割分担して仕留めればいいから。君がカボチャ頭で僕がウェアウルフを……っと、ん?」


 悟はカボチャ頭からドロップされたと思しき護符型アイテムを拾う。


「なんだこれ?」


(この護符は……あのカボチャ頭からドロップしたのか? 見たことのないアイテムだ。マップスキルで見てみよう)



 ――――――――――――――――――――

 〈身代わりの護符〉

 ――――――――――――――――――――

 この護符を貼り付けたアイテムは、他のアイテ

 ムの受けた攻撃を代わりに引き受ける。

 ――――――――――――――――――――

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