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【コミカライズ開始!】追放されたダンジョン配信者、《マッピング》スキルで最強パーティーを目指します  作者: 瀬戸夏樹


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第83話 中野ダンジョン

 美波と榛名は連れ立ってダンジョンの中へと入っていく。


 撮影を側で見ていた悟は、二人の様子に満足した。


(よし。掴みは上々だな)


 コメント欄の勢い、同接数、SNSでの拡散度合い、どれも上々の反応だった。


 何より美波が活き活きしている。


 彼女もピンチをチャンスに変えられるだけの機転の持ち主だ。


 二人のコラボ配信がぎこちないようであれば、悟が割って入るつもりだったが、どうやらその必要もなさそうだ。


 美波と榛名の方を見ると二人とも「任せて」とでも言いたげにウィンクしてダンジョンの中へと入っていく。


 これなら悟がついていく必要もないだろう。


「よっし。それじゃあこよみ、僕達も始めようか」


「は、はいっ」


(美波ちゃんも榛名ちゃんも凄い。こんだけSNSが荒れてる状況であんなに堂々と配信を……)


 悟はTwixで「#美波をシーエクに」というハッシュタグを作成してみたところすぐに美波リスナーによって広められていった。


 この調子なら今日のうちにあっさり100万再生突破するかもしれない。




「はいっ。というわけでここ中野ダンジョンに突入しました」


 美波が改めてカメラに向き直りながら言った。


「このダンジョンの特徴は一言で言えば、"スピード命"。ダンジョンの奥に行けば行くほど、敵モンスターのスピードが速くなっていくよー。のんびり歩いてたら、やられちゃうぞっ」


 美波はウィンクしながら言った。



 ・可愛く言うなw

 ・今季、まだ踏破した奴おらんのよな

 ・どれだけスピード強化アイテム拾えるかが鍵やね

 ・美波と榛名のスピードならいけるっ!



「よーし。それじゃミュージックスタート」


 美波はヘッドホンを装着して、アップテンポのスピード感がある音楽を流し始めた。


「うお。マジで音楽聴きながら配信するんだな」


「うん。これがいつもの私のスタイルなんだ」


(ちゃんとこっちの声も聞こえてる。どういう耳してんだこいつ)


 榛名は感心した。


「ヘッドホンしても聞こえるもんなんだな。私も耳はいい方だけど……」


「むしろこっちの方が集中力高くなるかなー。私の場合」


「中野ダンジョンには足音小さいモンスター結構いるぜ。大丈夫か?」


「大丈夫だよ。たとえばホラ。〈スペルカード〉耐久付与」


 美波が呪文を唱えると、道の先にある〈風の護符〉に青い上昇線が入ってアイテムの耐久値が高くなる。


 すかさず、上から飛び込んできた斧を持ったゴブリンが〈風の護符〉を破壊しようとするが、逆に勢いよく振りかぶった斧の方が壊れてしまう。


 美波はゴブリンが体勢を崩しているうちにナイフで首元を切り付ける。


 ゴブリンは消滅して後には〈魔石〉が残った。


 美波は〈風の護符〉を取得し、カメラに向かって掲げてみせる。


「〈風の護符〉ゲットォー。クマPの事前情報通り。ありがとうクマP♡」



 ・!?!?!?!?

 ・えっ今の見えてたの!? えっ!?

 ・反応はえぇぇぇぇ!!

 ・今のゴブリンどこから来た!?

 ・上の通路からやな。けど美波からは死角になってたはず

 ・死角からの攻撃に反応って……

 ・美波ちゃん第六感あるやろ

 ・いや、足音だ

 ・音なかったぞ!? なんで分かったの???

 ・しかも音楽聴きながら

 ・凄すぎて鳥肌

 ・美波ちゃん、やっぱ格が違うわ……



(なるほど。これが美波の実力か。こりゃ私もボヤボヤしてられないな)

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