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【コミカライズ開始!】追放されたダンジョン配信者、《マッピング》スキルで最強パーティーを目指します  作者: 瀬戸夏樹


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82/101

第82話 美波の復活配信

 画面の端に表示されたタイマーが16:55:00を刻んだ。


 配信開始時刻まであと5分。


 チャンネル『美波ジェットストリーム』の熱心なリスナー達は、画面の前で固唾を飲んで見守っていた。


 画面には先ほどから淡いパステルカラーの雲とキラキラ光る星の浮かぶ空、それらを背景にロケットに乗った美波の可愛いミニアイコンがぐるぐる飛び回りながら、時折ウィンクしては「準備中!」のプラカードを掲げている。


 中央には「starting soon」の文字がチカチカと点滅している。


 BGMには軽やかでアップテンポな曲が流れており、共に鳴っているピコピコという耳に残る電子音が心地よく鼓膜を刺激する。


 リスナーが話題にしているのはアイコンがかけている黄色のヘッドホンだった。


 古参の美波リスナーなら誰でも知っている合図、コラボが行われる時のサインだ。


 週刊誌にすっぱ抜かれて以来、しばらく音沙汰がなかった美波の配信、それも復帰初の配信がコラボということもあってコメント欄は盛り上がりまくっていた。



 ・この待機画面! このBGM! 美波が戻ってきたって感じで泣く

 ・ヤバ、泣きそう

 ・あー、美波ちゃんの待機画面癒されるー

 ・美波のアイコンきゃわわ

 ・てか、まだ? 遅くない?

 ・早く本物の美波ちゃん見たいー、声聴きたいー

 ・コラボ相手榛名ってマジ!?

 ・デュームとのゴタゴタは片付いたんか?



 コメントの流れはどんどん速くなり、同接数はすでに1000を超えていた。


 そんな折、チラリと長い黒髪の少女アイコンが画面の端に現れて、美波のアイコンとアイコンタクトする。


 かと思うと、長い黒髪のアイコンはサッと引っ込む。



 ・!?

 ・今のは!?

 ・まさか!!

 ・コラボ相手?

 ・てことは……

 ・長い黒髪だったぞ!



 そしてついにタイマーが17:00:00を刻む。


 画面にパッと美波の顔が映った。


「みんなー、お待たせー」



 ・キター

 ・キタァァァ美波ぃぃぃ

 ・会いたかったよー

 ・うわあああ本物だぁー

 ・この瞬間のために生きてた

 ・あ゛あ゛あ゛相変わらず可愛いんじゃああ

 ・この声クセになるぅー

 ・心配したよー

 ・よかった。もう二度と会えないかと



「しばらく配信休んでてごめんねー、デュームを脱退してから魔石が全然手に入らなくってさー。ていうわけで、みんな! 美波を支援するためにスパチャちょーだい♡」



 ・出たwwww

 ・隙あらばスパチャおねだりw

 ・この流れ何回目だよw

 ・守銭奴芸きたーーーー!!!

 ・はいはい、スパチャ欲しいモンスター

 ・むしろ清々しい

 ・でもちょっとだけ……投げちゃう……ッ!!

 ・(¥500)“復活記念!”

 ・(¥2000)“くっ、手が勝手にスパチャボタンにッ”

 ・(¥10000)“ったく、しょうがねーなぁw”



「わーい。ありがとー。みんな愛してるよー」



 ・またまたww

 ・かわいこぶっても性格バレてっからww

 ・これが美波の"甘やかされる才能"か……

 ・悔しいけど可愛いンゴw



「さて、それじゃ前置きはこれくらいにして。今日は魔石の代わりに〈スペルカード〉を供給してくれるスポンサー様を見つけてきたよー」



 ・〈スペルカード〉!?

 ・ってことは、やっぱり……



「紹介するよー。本日のコラボ相手、C・エクスプローラーの榛名ちゃんでーす」


「どーもー。シーエクの榛名だよー」


 榛名が画面の右側からひょこっと出てきて、口元ピースサインしながらリスナーに向かって視線を送る。



 ・榛名きたああああああ!!!

 ・神回確定!

 ・榛名マジで来たwwww

 ・カッコいいー

 ・頼れる榛名ニキ

 ・榛名、やはりお前かwww

 ・はい、今日の伝説始まりましたー!!

 ・美波×榛名の並び、脳がバグるレベルの神



 実際、正統派美人の榛名と電脳少女っぽいカラフルな美波のツーショットはコントラストのある絵になった。


「アイテム〈スペルカード〉」


 美波が唱えると、手元に〈スペルカード〉が現れる。


「これが念願のアイテム〈スペルカード〉だよー。アイテムとコラボ手配してくれたプロデューサーの(クマ)さんに感謝します。(クマ)さんありがとー」


 美波はカードにキスしてみせる。



 ・サンキュー、クッマ

 ・やはりクマが裏で糸を引いていたか

 ・クマ有能!

 ・クマは裏ですべてを操っている



「さてさて、それじゃあそろそろ発表するぜー。記念すべき美波の復帰配信最初の企画はこちら。デデン!」


 榛名はフリップボードを取り出してカメラに向かって掲げ、そしてそこに書かれた内容を読む。


「題して『C・エクスプローラーは美波をゲットできるのか?』。この配信含むダンジョンシリーズ、1ヶ月以内に再生数100万回超え、その他指定の条件クリアすれば──美波はC・エクスプローラー加入確定です!」


「ずっとC・エクスプローラーに入ってみたいと思ってたんだー」


「とりあえず、お試しとしてこれから1ヶ月間、コラボと〈スペルカード〉の供給には私らシーエク側が責任をもって応えるよ」


「私の方でもシーエクの水に合うかどうか判定できるってわけ」


「もちろんこっちとしても美波がシーエクのメンバーとしてやっていけるか忖度なしに判定するからな」


「みんな美波を救うために再生回数回してねー」



 ・美波がシーエク加入ってマジ!?

 ・もう事実上入ってるようなもんじゃんw

 ・クマP有能すぎる案件

 ・前からシーエクの空気にめっちゃ合うと思ってた!

 ・今から100万回回すわ

 ・毎日見るよー

 ・これは全力で応援するしかねぇ……!

 ・榛名と美波のコラボ毎日見れるってこと!?

 ・このコンビ、公式化してくれ頼む

 ・実質プロポーズだろこれw

 ・“美波をゲットできるのか”ってタイトルがもう告白w



「よーっし。それじゃあ〈スペルカード〉で強化された美波ジェットストリームの配信、いっくよー」

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