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【コミカライズ開始!】追放されたダンジョン配信者、《マッピング》スキルで最強パーティーを目指します  作者: 瀬戸夏樹


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第67話 持ち味

「はい。ええ。そうです。3ヶ月分。はい。よろしくお願いします。契約書の方は後日、送付させていただきますので。ええ。では、失礼します」


 真莉の母、真希が電話を置くと、ちょうど悟達が事務所に帰ってくる頃だった。


「あっ、皆さん。お帰りなさい」


「真希さん」


「あっ、ママー。ただいまー」


「〈スペルカード〉の生産ライン押さえときましたー」


 真希が親指をグッと立てながら言った。


「おお、ありがとうございます」


「さっすがママー。やり手のビジネスマンみたいだよー」


「任せてーん」


 真莉と真希は仲良さそうにハイタッチする。


 真希は悟が今季、〈スペルカード〉の調達に苦労しそうだと相談すると、仕入れを手伝おうかと申し出てくれたのだ。


 悟が渡りに船とばかりに〈スペルカード〉を業者の要件を説明すると、すぐに業者を選定して方々に電話をかけまくり、安く大量に調達する目処を立ててくれた。


 流石に夫婦で事業をやっていただけあって、仕入れのコツはよく分かっていた。


(親子揃って、明るくて要領がいいんだな)


 悟としても一人ですべて回すのは大変なので、こういう歳上の仕事ができる人がいてくれるのは頼もしかった。


 これで今後、〈スペルカード〉の値段が高騰したとしても、調達に困ることはないだろう。


「さて、それじゃ〈スペルカード〉調達の目処もついたし、配信企画の方練っていこっか」


「はーい」


「待ってました!」


「みんな今季のダンジョン攻略は、〈スペルカード〉が軸になるってことはもう分かったよね?」


「もちろん!」


「悟さんの読みバッチリ当たってましたねー」


「悟さんが丁寧に使い方を教えてくださったおかげで〈スペルカード〉の重要性と使いどころがよく分かりました」


「よし。その上で僕がみんなに求めることは2つ。一人でも〈スペルカード〉を使ってダンジョン攻略できるようになること。そして、それぞれ独自の配信企画ができるようになること。この2つだ」


「よっし。分かったぜ」


「悟さんの〈マップスキル〉なしでも探索できるようにそれぞれの特性を活かさなければなりませんね」


「うん。で、みんな今季はどんな配信企画がしたい?」


「私はもっとヒリヒリするようなバトルがしたいなー」


「錬金術で可愛いアイテム作りたーい」


「モンスターさんと触れ合う和やかな配信がしたいです」


「オッケー。じゃ、それぞれ企画案練っていこっか」


 榛名、真莉、天音は〈スペルカード〉と自らのジョブ、やりたいことを組み合わせてどのような配信企画が成り立つか悟と話し合った。


 そうしてそれぞれダンジョンに潜って、自分一人の力でどこまで行けるか試してみる。




 ♢♦︎♢




「どもー。榛名です。では、早速、タイトル通り【重点アイテム1個でも破壊されれば終了する配信】始めていきたいと思いまーす」



 ・草

 ・マジでやるんか

 ・今季、アイテム破壊モンスターやぞ

 ・一人だけのアイテムボックスで足りるんか?



「んじゃ、早速行ってみまーす」


 榛名はシュタタタと小気味よくダンジョンを進んでいく。


(おっ)


 トラップのある部屋にたどり着く。


 祭壇には魔石が置かれている。


 榛名は素早く部屋の物陰に身を隠して、聞き耳を立てながら、ボソボソとカメラに向かって話す。


「皆さん、見えますか? トラップとアイテムの置かれている祭壇。この先に敵モンスターがいる可能性が非常に高いです。これから耳を澄まして敵がいるかどうか当ててみようと思います。みんなも当ててみてね」



 ・まさかのクイズ企画w

 ・敵いないんちゃうか?

 ・いや、いる

 ・ワイもいると思うわ。〈スペルカード〉使った方がいいんとちゃうか

 ・いや、いないやろ

 ・何も聞こえん

 ・どっちかな?

 ・ワクワク



 榛名は耳を澄ませた。


 空気の出入りする風の音に混じって、微かにゴブリンの息遣いと地面を踏み締める音、杖を握る音が聞こえてくる。


「〈スペルカード〉耐久付与、発動」



 ・お、〈スペルカード〉使った

 ・いるのか?

 ・マジ? 全然聞こえなかったわ

 ・けど、榛名の耳なら……



 榛名がトラップの上を進んでいくと、ゴブリン・メイジが飛び出して魔法を放ってくる。


 魔法はアイテムを破壊できず不発に終わる。


 榛名は即座にゴブリンを始末して、無事アイテムを回収する。



 ・いたー。ゴブリン

 ・ワイは聞こえたで

 ・当たったー

 ・いやいや、どんな耳しとんねん

 ・FPSとか絶対強いやつ



 次の部屋は特にモンスターの気配は感じられなかったので、普通にアイテムを回収する。


 次の部屋では、モンスターの気配を感じたが、かなり立体的な構造物のある部屋だった。


 上手くやれば敵に気づかれる前に死角に潜り込んで制圧できそうだった。


 榛名は物陰に隠れながらカメラに向かって話しかける。


「皆さん、ここは〈スペルカード〉なしでも敵を倒せそうなので、ちょっとやってみようと思います」



 ・!?

 ・〈スペルカード〉使わないの?

 ・敵がいるのに?

 ・足音聞こえたぞ。大丈夫か?



(静かに高く飛ぶ!)


 榛名は音もなく飛ぶと、立体物を経由してトラップを回避し、敵の背後に静かに降り立つ。


 ゴブリンはギョッとして魔法を発動させようとするも、榛名は敵の首に腕を回しながら口を塞ぎ頭に銃口を突き立てて静かに撃ち抜いた。



 ・おおー、間一髪

 ・ハラハラした

 ・判断やば

 ・このスレスレの見切りが榛名の持ち味よな

 ・この企画榛名に合いすぎやろ

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