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【コミカライズ開始!】追放されたダンジョン配信者、《マッピング》スキルで最強パーティーを目指します  作者: 瀬戸夏樹


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第61話 〈スペルカード〉の威力

 悟がネットマーケットを調べていると、〈スペルカード〉が出品されているのを見つけた。


「おっ。〈スペルカード〉だ。買っとこ」


 購入ボタンを押して、「最速便」、「D・ハウス宛」に設定しておく。


「悟ー。そろそろ行こうぜー」


「ああ。今、行く」


 真莉の両親に届いた荷物を受け取るようにだけ言付けて、悟達はアップデートされたダンジョンへと向かった。




 新宿ダンジョンに着くと、すでに腕に覚えのある冒険者達が集結していて、新たに更新されたダンジョンの内部はどのような感じなのか実際に入って確かめようと、ダンジョン庁によって入り口が開放されるのを今か今かと待っていた。


 悟達がダンジョンにやって来ると、ざわめきが起こる。


「あっ、見ろよ」


「榛名だ」


「真莉と天音もいる」


「ついでに悟も」


「C・エクスプローラー全員揃い踏みか」


「あいつらもこのダンジョンを探索するのか」


「くっ、やっぱ雰囲気あるな」


「そして、可愛いな」


 榛名は周囲からの注目も気にせずカメラを起動させる。


「はい。どうも。皆さんこんにちは。今日は新宿ダンジョンに来ています」



 ・ちわー

 ・榛名、今日も可愛いな

 ・更新されたダンジョン楽しみ



「皆さん、ご存知の通り今日はダンジョン更新後初の解禁日です。今日を境にダンジョンは様変わりすることになります。早速、ダンジョンがどのように変化したのか、シーエクのみんなと一緒に潜って確かめようと思いますが、まずはこの動画をご覧下さい」


 榛名はカメラを操作して、例のゴブリンによるアイテム破壊の動画を見せる。



 ・ほあっ?

 ・なんやこれ

 ・モンスターがアイテムを破壊している!?



「はい。皆様、ご覧になられたでしょうか。こちらダンジョン庁が公開している動画で今期ダンジョンにおける予兆として正式に認定されております。今期のダンジョンではこのようにアイテムを破壊して探索を妨害してくるモンスターが多数現れると言われており、アイテム集めや探索途中での補給が困難になると予想されます」



 ・(; ・`д・´) ナ、 ナンダッテー!! (`・д´・ ;)

 ・むむ。これは厄介だな。

 ・あー、あのダンジョン庁の発表ってそういう意味だったんだ

 ・解説助かる

 ・リスナーへの丁寧な説明ナイスだね



「そういうわけで今回はシーエクのみんなと一緒に予兆が正しかったのかを確かめに行こうと思います。あと、クマがモンスターのアイテム破壊への対抗策を思いついたみたいなので、それも通用するかどうか確かめに行こうと思います。もう準備できた? よっし。それじゃあコラボ開始」


 榛名はカメラを別の場所でそれぞれ配信開始し、自分のリスナーに向けて話していた真莉と天音の方に向ける。


 カメラは3人の姿を同時に映す。


「こんにちはー。真莉です」


「天音です。2人のチャンネルにお邪魔しますね」



 ・おほー

 ・いらっしゃーい

 ・今回は真莉と天音も出るのか

 ・3人ともカワユス

 ・あ゛ー、癒されるんじゃー



 悟もC・エクスプローラーの全体配信を開始して、3人のことを映す。


「それじゃ、早速行ってみましょう」


「行ってみまーす」


「(お手々(てて)ヒラヒラー)」




 迷宮型のダンジョンを進んでいくと、4人はすぐに目当ての部屋に辿り着く。


「ここ? ここだよね。はい。皆さん、着いたみたいです。見えますでしょうか。次の部屋、魔力ドレイントラップの向こうに魔石がありますが、クマによるとこの先にアイテムを破壊するモンスターが潜んでいるみたいです。早速、行ってみましょう」


 榛名が部屋を進むと魔力ドレインの魔法陣が発動し、魔力を吸い取られる。


 構わず魔石に向かって進むと、突然、物陰からゴブリンが現れて魔法を放ち、魔石を破壊する。



 ・うおっ。マジで出た

 ・予兆ってホントに当たるんだな

 ・どうすんのこれ?



 榛名が魔装銃を撃つと、ゴブリンは軽くかわして奥の部屋に逃げ込む。


「はい。皆さん、見ましたか? こんな感じでゴブリンはアイテムを破壊した後、すぐに奥の部屋に逃げてしまいます。これをムキになって追いかけると、ドツボにハマってしまうので、深追いは禁物って感じです。ただ、今回私達は準備があるんで、あえて追いかけてみますね」



 ・お、いよいよクマの対策か

 ・いったい何をする気なんだ

 ・ワクワク



 榛名達が次の部屋に進むとやはり魔法陣のトラップとその奥に魔石のアイテムが安置してある。


 4人分の魔力は優に全回復できそうな大粒の魔石だった。


「ここで使うの?」


「ああ。カメラこっちに」


 悟は部屋に入って魔法陣の前に来ると、アイテムを取り出す。


「アイテム〈スペルカード〉。発動!」



 ――――――――――――――――――――

 〈スペルカード〉耐久付与(弱・単)

 ――――――――――――――――――――

 このアイテムを使うと、室内のアイテム1つに

 耐久が一時的に付与される。

 ――――――――――――――――――――



 悟がアイテムを発動させると〈スペルカード〉が光ると共に粉々に砕け散って、奥にある魔石に〈耐久付与〉のエフェクトがかかる。


 上昇線の光が灯ったのは一瞬で、魔石は特に以前と何の変わりもなくその場に安置されたままである。


「よし。それじゃ行くぜ」


 榛名はいかにも砂漠で水を見つけたかのように喜色を浮かべながら魔法陣のトラップを踏み越えて、魔石に近づくと、やはり杖を持ったゴブリンが出てきて、嘲笑を浮かべながら魔石に向かって魔法を放った。


 魔法は直撃したが、魔石は特になんの変化もなく安置されている。


 ゴブリンは焦って首を傾げながら何度も魔法を放つが、魔石が壊れる様子は一向にない。


 榛名は魔装銃であっさりとゴブリンを仕留めた。


「おおー。すごーい榛名」


「なるほど。アイテム攻撃中のモンスターを狙えば簡単に倒すことができますね」



 ・!?

 ・〈スペルカード〉だと!?

 ・へー。〈スペルカード〉ってこんな使い方があるんだ

 ・どっちかと言うと戦闘補助のイメージがあったが……

 ・アイテム耐久付与が役立つところ初めてみたわ

 ・やっぱクマは有能だな

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