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【コミカライズ開始!】追放されたダンジョン配信者、《マッピング》スキルで最強パーティーを目指します  作者: 瀬戸夏樹


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第57話 アイテムリスト

 講習会の進行を務める男は、淡々とスライドを操作して1級冒険者ライセンス向け講習を進めていく。


 ライセンス制度の理念、保有資格、認められる特権、守るべき義務、あるべき規範意識。


 そういった運転免許更新の講習のような毎度お馴染みの説明がなされた後、集まった冒険者達が待ち望んでいた話題に移った。


「さて、講習はここまでですが、来期のダンジョン更新において、予兆と思われる、有力な情報提供がありましたので1級冒険者の皆様にも共有しておこうと思います」


 冒険者達は俄然身を乗り出して、担当者の話に集中する。


 寝ぼけ眼で聞いていた者も、話が右から左に抜けていた者も突然、顔つきが変わってスクリーンに真剣な眼差しを向ける。


(おっ、来たぜ。来期の予兆)


(これがあるから1級ライセンスは持ってた方がいいんだよな)


(眠い講習に時間を費やしただけのネタ、頼むぜ)


「まずはこの映像をご覧ください」


 担当者はとある配信者の映像を流す。


 ゴブリンが魔法でアイテムを破壊する、悟が提供したものだった。


 その場にいた冒険者達が騒つく。


「これは……!?」


「モンスターが……アイテムを破壊している?」


「1級ライセンス持ちの皆様であればご存知かと思いますが、ゴブリンが魔法を使うだけでも珍しいのにアイテムを破壊するとなると相当稀な現象です」


(回復系のアイテムを破壊されるとなると……厄介だな)


(来期、ソロで探索する奴は相当厳しくなるぜ)


「皆様もご存知のようにダンジョンが更新される直前の時期、来期のモンスターやアイテムの傾向が予兆として現れることがままあります。この珍しい現象は他にもいくつかの情報源から確認されました。よってダンジョン庁はこのアイテムを破壊するモンスターは来期の予兆である可能性が高い、と判断いたしました」


 会場はざわざわと騒めく。


 担当者は咳払いを一つする。


「そこで皆様には、1級冒険者としてこの現象を調査していただくと共に対処していただきたいと思います。具体的には、ダンジョンのいくつかのアイテムを重点的に集めていただきたいと思っています。ダンジョン庁は重点アイテムとして、皆様に集めていただきたいアイテムをリスト化いたしました。これを……」


「!?」


「これは……」


 スクリーンに映された表に冒険者達は刮目した。



 ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─

 ♦︎重点アイテムリスト

 ・魔力回復系

 〈魔石大〉:A

 〈魔石中〉:B

 〈魔石小〉:C


 ・体力回復系

 〈回復薬大〉:A

 〈回復薬中〉:B

 〈回復薬小〉:C


 ・異常回復系

 〈浄化の水〉:A


 ・強化系

 〈火力の種〉:F

 〈腕力の種〉:F

 ……etc

 ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─



(やはり回復・補給系のアイテムがほとんどか)


(隣のAとかFとかは優先順位か?)


「これらはモンスターによる破壊行為により来期調達が困難になると予測されるアイテムのリストになります。もし、これらのアイテムを取得した場合、配信サイトにおいてPV獲得に有利になるようアルゴリズムを調整する他、通常よりも高価格で買い取りさせていただきます。基本的にAからFまでランク付けされており、ランクが高ければ高いほどサイト内での順位や買取り価格が高くなります」


(なるほど。モンスターに破壊される前に集めておこうって考えか)


 悟は話を聞きながら、ダンジョン庁が自分のタレコミをきちんと受け取ってくれたこと、他にも同様の情報提供が複数あったこと、ダンジョン庁が来期の予兆とみなしてくれたこと、そして具体的な対策を早急に打ち出してくれたことに満足した。


(だが、これだけではおそらく足りない)


 ダンジョン庁はダンジョン外でアイテムの調達が困難になることへの対策はしているものの、ダンジョン内でのアイテム収集が難しくなることについては何も対策ができていない。


(こればっかりは自力でなんとかするしかないか)


「重点アイテムのリストについてはダンジョン庁のホームページからいつでもダウンロードできるようにデータを掲載しておきます。では、これにて講習会を終わりにしたいと思います。1級冒険者の皆様、今年度もよろしくお願いいたします」

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