第102話 ドロップアイテムの活用
ガラガラとコンテナや木箱が崩れる音がした後、アイテムがドロップする音が聞こえてくる。
爆発とその二次災害でモンスターがキルされたようだ。
「上手くいきましたね」
「トラちゃんの放り込みバッチリだったよー」
「爆弾の効果も覿面でした」
真莉と天音が隠れていた場所からそろそろと向こう側を見ると、壊れた物資の残骸の向こうからキィキィといった鳴き声をあげて弓矢や銃を持ったゴブリン達がやってくる。
「うわっ。まだ生き残りがいるよ。しかもめっちゃ怒ってる」
「向こうから来てくれるなら好都合です。任せてください」
天音はゴブリン達を充分に引きつけたところで、フェンリルを召喚する。
フェンリルは瞬く間に接近してきたゴブリン達を噛み殺していく。
「接近戦に持ち込めばこっちのもんです」
「おおー。さっすが」
「あ、転移の魔法陣ですよ」
「ほんとだー。これで次の階層に行けるね」
「進むのに苦労しますが、敵を排除すれば魔法陣まではすぐですね」
真莉と天音は魔法陣を踏んで次の階層へと向かった。
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「おおーっと。ここでシーエクの真莉・天音チーム大きく前進しました」
「……」
「遠距離武器がなくて苦戦するかのように思えたこのチームですが、錬金術とテイムモンスターの筋力を活かした見事な連携で無事魔法陣を踏むことに成功しました」
「……」
「田辺さん、予想に反してシーエクは善戦していますが、いかがでしょうか?」
「チッ」
「ん? 田辺さん、今、『チッ』って言いました?」
「……いえ? 言ってませんよそんなこと」
「そうですか? 私には確かに舌打ちするのが聞こえたのですが……」
「そんなことよりもフェスの行方を注視しましょう。まだまだ全体的にシーエクの方が攻略は遅いです。ここからサバイバルの篩い落としにかけられていきますよ」
♦︎
榛名と美波は苦戦していた。
「ちっ。また外したか」
(上手くポジ取れねーとイライラすんなぁ)
榛名は相手よりいいポジションを取って、射撃で優位に立つのは得意だが、火力でゴリ押しするのは苦手だった。
(全然敵、出てこねーし。守り重視はこれだからなー)
「榛名、焦っちゃダメだよ」
「分かってんよ」
(分かってるって言いながら、無茶苦茶苛立ってるじゃないか)
このままではデュームと転移魔法陣を競い合う前に雑魚敵にやられそうだった。
(かと言っていきなり間合いを詰めるのも危険だしなー)
美波は一応、銃も持っていたが、亜空間移動するには銃を手放さなければならない。
ナイフで斬り込むのは危険だった。
(何かいい方法は……。あ、悟からのメールだ)
メールによると銃がドロップされているとのこと。しかもちょうど敵を狙える角度だった。
(よっし。これは使える)
美波は榛名に作戦を耳打ちすると、銃を手放して亜空間に入り込む。
そして、壁を伝い銃の下に移動する。
美波が再び姿を現したのは、高所に当たる場所だった。
コンテナの影に潜むゴブリンを見下ろせる位置だ。
美波はゴブリン達を上から射撃した。
ゴブリン達の注意は美波の方に向く。
そうして美波が囮になっている間に榛名は、素早く有利な位置を取った。
ゴブリン達が気付いた時には後の祭り。
「ゲームオーバーだぜ」
榛名とゴブリン達は撃ち合うも、強ポジを取ったら鬼のように強い榛名に撃ち合いで敵うはずもなかった。
ゴブリンは全滅する。
「ナイス榛名」
「イェーイ」
二人はハイタッチする。
「敵の弾幕を突破するのは大変だけど」
「落ちてるアイテムを上手く使えばなんとかなるね」
「よっし。それじゃどんどん進んでいこうぜ」
「あ、悟から新情報だ」
「何々? おっ、やっぱ出たか。カボチャ頭の悪魔。場所はどこだ?」
「えっ? ちょっと待って。これって……」
情報を見て二人は目を丸める。




