ニルリティ/高木 瀾(らん) (6)
ゾンビどもを追い掛けていくと……行き着いたのは、プレハブ造りの建物。
とは言え、外にはエアコンの室外機なども有り、2階建で一〇部屋以上は有りそうだ。
「ふざけた真似をしてくれたな……折角……」
建物の前に居たのは、今回の元凶の「魔法使い」と……例の鬼。
明らかにマズい。
腐敗が進んでいるようだ。
もし、腐敗ガスで爆発なんて事になれば……「体が破壊されると、異界への門が開く」という、このゾンビどもの特性からして……。
「この商売が駄目になったんなら、転職すりゃどうだ? 普通の会社員なら、あんたぐらいの齢で別の会社に移るなんて……」
「フザけるな……」
副店長の提案は、当然のように却下される。
「貴様らのせいで、当分は、私に悪い評判が付いて回る。折角のデカい商売を潰したマヌケだとな。『親会社』の報復を生き延びたとしても、誰が、そんな評判の奴を雇うと思う? だが、お前らを皆殺しにすれば……多少はダメージを減らせるだろう」
そう言って、奴は……呪符を取り出す。
「そこの魔法が効かない奴は物量で潰す。魔法使い系の奴は……正面から魔法で潰す。残りの2人は……これで……」
……。
…………。
……………………。
向こうは決め台詞のつもりだったらしいが……何も起きないまま、時間だけが過ぎていく。
どうなっている?
「ふ……ふざけるな……こんな時に不良品かッ⁉」
奴は呪符を地面に叩き付け……次の呪符を取り出し……。
……。
…………。
……………………。
またしても、何も起きない。
「え……えっと……あいつ……撃っていいのか?」
「た……多分……」
副店長とレンジャー隊の副隊長兼パワー型も困惑気味だった。
「ど……どうなって……まさか……」
「そうだ……」
そう答えたのは……相棒だった。
「あたしが、その呪符の力を消した」
「何をすれば?……まぁ、いい。こんなモノに頼った私が馬鹿だった。自分の力で……」
「その前に訊きてえ事が有る」
「何だ?」
「何で、こいつらをゾンビにした?」
「はあッ?」




