表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/89

ニルリティ/高木 瀾(らん) (5)

「待ちくたびれたぞ。ようやく来たか……しかも、その人数で何をするつもりだ?」

 いくつものビニールハウスが建てられた場所にまで辿り着くと……奴の声が響く。

 しかし……声がするのは、農園内の各所に有る屋外用小型スピーカーから。

「居場所は判るか?」

「そこら中から、ゾンビの邪気。その邪気が邪魔して……待てよ……」

 そう言うと、相棒は呪符を取り出す。

「奴の居場所は判らねえが……一番、強い邪気の発生源は判るかも知れねえ」

 呪符は宙を舞いながら……。

「一番多くの呪符が向かう先が……ゾンビの大本(おおもと)か……」

「ああ」

 とは言え、当然のように、ビニールハウスからゾンビが出て来る。

 ご丁寧に防弾チョッキ付の奴まで居る。

 相棒が放った呪符の一部は、そいつらに引き付けられる。

「がっ……」

 大口を開けた奴の口を狙い銃弾を撃ち込む。続いて、別のゾンビの目を狙う。

 ゾンビの体内で砕けた霊力入りの弾丸は、ゾンビの動きを一時的とは言え止めてくれる。

「くそ、次から次へと……」

 ビニールハウス内に居たゾンビは、一度に出て来る訳ではないらしく、タイミングをずらしているようだ。

「押えろ……ただし、ブッ壊さねえ程度にな」

「ああ……」

 レンジャー隊の副隊長(ブルー)パワー型(イエロー)の金属腕がゾンビの一体の動きを封じ、副店長がゾンビの口に拳銃の銃口を捩じ込むと、霊力を込めた弾丸を発射。

「魔法系の力が効かない相手に魔法使い系が対抗するなら……物量作戦か……凡庸な手だ。この半年で2回目ぐらいだな」

「でも、その物量が半端無さ過ぎるぞ」

 気付いた時には、ゾンビに囲まれ……。

「ここに爆弾でもブチ込まれたら一巻の終わりだな……」

「ああ、だが……そんな真似をしたら奴も商売のタネが……待てよ……」

「その手が有ったな……」

 私と副店長は、ほぼ同時に、散弾銃を手にすると、これまた、ほぼ同時に銃弾を簡易焼夷弾(ドラゴン・ブレス)に入れ替える。

「おい、そいつらを焼いても……」

「焼くのは、こいつらじゃない。適当なのをビニールハウスに向けて放り投げてくれ。なるべく高くな」

 レンジャー隊の副隊長(ブルー)パワー型(イエロー)の指摘に、私は、そう回答する。

「へっ? まぁ、やってみるが……」

 大型の金属腕が、ゾンビの内の1体を掴み、宙に放り投げた瞬間、私は空中のゾンビに向けて、簡易焼夷弾(ドラゴン・ブレス)を発射。

 火に包まれたゾンビはビニールハウスに激突し……。

「思ったより、良く燃えるな……」

 ビニールハウスの中では、スプリンクラーが作動したらしいが……どうやら、消火用ではなく、農作業用らしいので火の勢いは、ほんの少し減少しただけだ。

「おい、ちょっと待て、下手したら、あたしらも火に包まれるんじゃないのか、これ?」

 レンジャー隊の副隊長(ブルー)パワー型(イエロー)が、そう言った。

 周囲では、炎が次々といくつものビニールハウスに燃え移っている。

「大丈夫だ。私達の強化装甲服(パワードスーツ)は……ちょっと待て、まさか……」

「こっちのは、火災現場対応じゃないんだよッ‼」

「とりあえず、ゾンビどもが向かってる方法に行ってみるか……多分、親玉が居るのは、そっちだ」

 副店長が、そう言いながら、逃げていくゾンビ達を指差した。

「その不良品、リコール出来ないのか? どう考えても設計ミスだろ?」

 私は、レンジャー隊の副隊長(ブルー)パワー型(イエロー)強化装甲服(パワードスーツ)を指差して、そう指摘。

「あのな、こっちは、一応、お役所なの。今の装備に問題が有っても、代りのが支給されるまで何年もかかんの」

「あ……そ……」

「あと、『何年も』ってのは『早くても何年も』だな」

()めちまえ、そんな警察機構(カイシャ)

「はいはい、民間は気楽でいいな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ