アータヴァカ/関口 陽(ひなた) (2)
「やる気が有るのか、奴は?」
山道……と言っても車が通れそうな感じのヤツ……を登りながら、相棒がボヤく。
「何が?」
「私だったら、ここの途中に、いくつかブービー・トラップを仕掛けてる」
そう言や、こいつの師匠の1人は、脱北した(今は韓国の一部になってる)旧・北朝鮮の元工作員だった。(あたしが、九州に来る前に死んだそうだけど)
あたしらの前後には地上型と空中型のドローンが複数台居るが……それっぽいモノは見付からず、今んとこ、御安全にハイキング中だ。
その時……。
「何やってんすか?」
「いや、ご挨拶」
「同じく」
レンジャー隊の副隊長兼パワー型が背中の大型金属腕の中指を立て……副店長は手を振ってる。
その先に有るのは……木立に隠してはいるが……強化装甲服の制御AIに搭載されてるパターン認識機能とやらで、あっさり発見された監視カメラ。
「多分、この道は『魔薬』の出荷にも使われるんだろ。下手にこの辺りで爆弾とか爆発させれば、先方の『商売』にも響く。だから、迂闊にブービートラップなんかを仕掛けられないんだろ」
「そうか……それは見落してた。チタニウム・タイガー、炸裂弾準備」
副店長の指摘で、相棒が例によってロクデモない事を言い出した。
「えっ?」
「お前、何する気だ?」
「私達は歩きだから、道が少しばかり凸凹になっても帰れるぞ。チタニウム・タイガー、炸裂弾を指示した地点に全弾発射」
「おい……」
次の瞬間、山の下の方から爆発音がいくつも轟き……。




