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アータヴァカ/関口 陽(ひなた) (1)

「連れて来るなら、魔法使い系をもう1人か2人の方がマシだったな……」

 相棒が、そうボヤく。

「おい、あたしらじゃ役に立たねえって……」

「魔法絡みの事件なのに、何で、魔法使い系が1人しか居ない? こいつに何か有ったら詰みだぞ」

 レンジャー隊の副隊長(ブルー)パワー型(イエロー)に対して、相棒は、あたしを指差しながら、そう反論。

「ところでさ、何か変だぞ」

 相棒のいつものズケズケのせいで、雰囲気が悪くなってるが……あたしも、そんな事は気にせずに、相棒を見習って、まずは、言いたい事を言う事にした。

「何が?」

「ここで作られてる麻薬(クスリ)ってさ、魔法系の才能が有るけど、それに気付かずに修行とかやってなかった奴とか、修行の途中でドロップアウトした魔法使い崩れとかがさ、キメちまうと霊視能力が暴走してエラい事になるだけで、材料そのものはフツ〜なんだよ。まぁ、軽い麻薬として使えるモノも有るけど、魔法系の植物とかじゃねえ」

「それは知って……おい……まさか」

「山の方から、すげ〜剣呑(ヤバ)い邪気を感じんだけど……」

「私の予想通りなら安易な手だが……これを使われたら気分が悪くなる奴が居るのも判る」

「おい、こっちが強化装甲服(パワードスーツ)着装してたり、物理攻撃しか効かないのが居るからって……ゾンビ軍団の数の暴力で対抗って事か?」

 副店長が、そう訊いた。

「ああ……」

「まぁ、安易っちゃあ安易だけど、面倒だな。念の為、弾薬はありったけ、強化装甲服(パワードスーツ)蓄電池(バッテリー)はフル充電で……」

「違う」

「何が?」

「それだけ大量のゾンビの材料が問題だ」

「材料?」

「ここの農場では……誘拐された関東難民が奴隷労働をさせられてたよな……」

 あたしは……天を仰いだ。

「おめぇの予想が当たってねえ事を祈りたくなってきた」

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