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アータヴァカ/関口 陽(ひなた) (1)

「携帯電話、PCその他の電子機器は入院と退院の時以外は、個室からの持ち出しは禁止です」

「は……はい」

 あたしは、入院先のスタッフから説明を受けていた。

「あと、フリーWi−Fiは有りません」

「へっ?」

「申請に無い電子機器を体に埋め込んでいる事が判明した時点で、強制退院です」

「え……えっと……フリーWi−Fiの件ですけど……」

「他の患者さんとトラブった場合は、先に手を出した方が強制退院です。なお、理由の如何を問わずに一律『先に手を出した方に全責任が有ると見做す』という規則です。貴方が警察官で、入院中の他の患者さんの中に指名手配犯が居たとしても、絶対に手を出さないで下さい」

「あ……あの……」

 スタッフは、あたしの質問に答えず、一方的に説明を続ける。

「魔法・超能力・霊能力などが使えたとしても、担当の医師・スタッフの許可なく使用した事が判明した時点で強制退院です」

「え……えっと……」

「とりあえず、細かい規則は、これに書いてますので、検査の順番が回ってくるまでに読んでいて下さい」

「は……はあ……」

「細かい質問は後で受け付けます」

「は……はい」

「で、こちらからの質問ですが、放射線に対する脆弱性などは有りますか?」

「えっ? えっと……どう云う事っすか?」

「例えば……そうですね、先天的な高速治癒能力なんかは有りますか? あの手の能力は、副作用として癌になった場合に進行を早めてしまうので」

「あ〜、無いです」

「じゃあ、まずはCTで体全体を検査をします。通常のレントゲン撮影の……まぁ、下手したら千倍以上のX線に被曝しますが……大丈夫ですよね?」

「え……えっと……千倍以上?」

「まぁ、大概の場合は特に問題無い筈ですが……念の為の確認です」

「は……はぁ……数字だけ聞いたら、とんでもない感じっすけど、そんなモンっすか」

「ええ、あと、一番、大事な事ですが……」

「何っすか?」

「規則違反で強制退院になった場合は、半永久的に入院お断りになります。極端な話、その場合、貴方の命を助けないと世界が滅ぶとしても……当院および提携している他の病院では、絶対に貴方を入院させる事は有り得ません」

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