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荒神録 ─ Demonic Divinity Saga ─:毒戰寒流  作者: HasumiChouji
第五章:The Good, the Bad, the Weird
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ニルリティ/高木 瀾(らん) (3)

「『1、2の3』で持ち上げるぞ」

了解(Affirm)

「1、2の3」

「うわっ……何で、ウチの強化装甲服(パワード・スーツ)より防御力が下なのに、こんなにクソ重いんだよ?」

「知るか。設計したマヌケに聞いてくれ」

 強化装甲服(パワード・スーツ)を着装したまま、気を失なってる上に……どうやら邪気とやらに汚染されてるのが4人。

 早い話が、対異能力犯罪広域警察(レコンキスタ)の「レンジャー隊」の隊長(レッド)副隊長(ブルー)、あと汎用型(グリーン)が2人。

 ようやく到着した救急車に運び入れようにも……クソ重い強化装甲服(パワード・スーツ)の外し方が判らない。

 それで、急遽、ウチのチームの獣化能力者「早太郎」に現場まで来てもらって、力仕事の手伝いをやってもらう事になった。

「こりゃ……羅刹天(ラーヴァナ)が『表』の仕事から帰って来たら、レスキュー専門チームの計画を前倒ししてもらった方がいいな……」

「いつだっけ? あの人が帰って来るの」

「2月末か3月初め」

「それまでに、また、今回みたいな事態……うわっ?」

 その時、爆音。と、言っても、私の方は一瞬聞こえただけで、すぐに「鎧」の聴覚センサがシャットアウトしてくれたが……。

「耳が良すぎるのも考えモノだな」

 狼男形態に変身中の早太郎にそう言ってみたが……。

 反応なし。

 ハンドサインで「耳は大丈夫か?」と伝えると……返って来たのは「駄目」のハンドサイン。

『市内の一般の「魔法使い」系の人達は、みんな、昨日の現場の「浄化」で手一杯みたい。今、近隣にも声かけてるけど……』

 その時、後方支援要員から連絡が入る。

「ある程度の人数が到着するまで、どれ位、かかる?」

『下手したら、博多近辺や他県からも応援を呼ばないといけないかも』

鳥栖(とす)も『他県』に入るのか?」

『知るか。そもそも、鳥栖や小郡(おごおり)の人達なら、とっくに久留米(こっち)の手伝いをやってる』

 今の爆発は、金翅鳥(ガルーダ)の能力の副作用だ。

 応援に来た金翅鳥(ガルーダ)水神(ヴァルナ)は、「魔法使い系」と似て非なるいわゆる「神様系」だ。

 人数は「魔法使い系」より3桁か……下手したら4桁ぐらい少ない。

 1人1人は強力だが、通常の魔法・心霊・超能力とは「互換性」みたいなモノが無く……例えば、自分の能力と関わりが無いタイプの「気」「霊力」は感知出来ないのが普通だ。逆に「魔法使い」系からすると、魔法的な手段で相手が「神様系」かを判別するのは、ほぼ不可能らしい。

 例えば、金翅鳥(ガルーダ)は「邪気」を浄化する力を、ほぼ無制限に放出出来るが、邪気そのものを感知出来ず、魔法使い系による邪気の浄化と違って、浄化に伴なって熱と衝撃波が発生する。

 一応、警察署内から持ち出した機動隊用の盾を防護壁代りに使って、浄化も一気にやるのではなく、少しづつやってはいるが……。

「後で、どう説明すんの、これ。あたし達、完全にテロリストだよ……」

 水神(ヴァルナ)が指差す先には……()()()()()()

 一〇分ほど前まで存在していた警察署は……完全に跡形もなく吹き飛んでいた。

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