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荒神録 ─ Demonic Divinity Saga ─:毒戰寒流  作者: HasumiChouji
第五章:The Good, the Bad, the Weird
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アータヴァカ/関口 陽(ひなた) (3)

「おい、どっか、こいつと同じ『守護尊』の術者に心当りは無(ね)えのか?」

 あれは……何年も前、まだ、あたしが一人前になる更に前だった。

 あたしの両親は職場結婚だった。

 勤め先は……対異能力犯罪広域警察(レコンキスタ)。

 ただし、「レンジャー隊」じゃなくて2人とも特務要員(ゾンダーコマンド)。……異能力犯罪を取締る「異能力者」だ。

 修験道系の術者だった親父は、あの富士の噴火の最中に広島に出張中……何でも、富士の噴火より更に少し前に、在日ア(﹅)メ(﹅)リ(﹅)カ(﹅)連(﹅)合(﹅)国(﹅)軍(﹅)の岩国基地の人員が一夜にして全員、謎の死を遂げた挙句に、基地に有った武器・弾薬がほぼ全部、何者かに持ち去られた事件が有って、その捜査の為らしい。

 そして、壊滅した東京に戻る途中で行方不明。

 まだ小学校低学年だったあたしは、お袋に連れられ関東でも被害が少なかった栃木と群馬の県境あたりに住んでた親父の親類の家に避難してる途中でお袋と逸(はぐ)れ……だが、運良く、その親類の家に辿り着いた。

 その親類の叔父さんと一緒に、富士の噴火の2〜3年後に出来た人工島「NEO TOKYO Site04」……通称「台東区」へと移り住み、そして、その叔父さんと「台東区」の「入谷地区」の自警団「入谷七福神」の7人のリーダーの1人である「大黒天」の爺さんが師匠 兼 育ての親になってくれた。

 しかし、修行がある段階までいった時に問題発覚。

 あたしら密教系の術者は1人1人「守護尊」を持っている。

 とは言っても、流派・宗派によって、「本当に守護尊は存在してて、術者に力を与えてくれている」と考えるのから、「守護尊というのは『気』『霊力』のタイプや得意な術を一言で言い表す為の記号」と考えるのまで、「守護尊とは何か?」については色んな考えが有った。

 少なくとも、密教系の術者は修行の途中で「守護尊」が何かを師匠によって調べられ特定される事になる。

 まぁ、その調べ方ってのは、占いみて〜ないい加減な代物じゃないが「訓練で伝える」事は出来ても「言葉で説明する」のは難しいモノなので、何人かの術者がそれぞれに調べて多数決を取るみたいな感じになる。

 で、あたしの場合は……その何人かの術者が調べた結果が全会一致したんだが……。

「金剛蔵王権現か……珍しいな……」

「『明王』系の中でも強力な守護尊らしい事は判ってるが……」

 明王を守護尊とする術者は……体に宿る「気」が霊視能力者には炎のように見え、「気」による攻撃を他者に行なった場合、攻撃された奴は異常な熱さを感じ、場合によっては火傷みて〜な傷を負う。

 そして、邪気……早い話が普通の人間には有害な「気」「霊力」の内、大概の種類を「浄化」する術を得意とする。

 更に、どの明王が守護尊かで得意な術が有る。

 大威徳明王が守護尊の場合は「死霊」系の魔物・悪霊にデカいダメージを与える事が可能。

 軍荼利明王の場合は「火事場の馬鹿力」を引き出し易く、「呪縛しつつダメージを与える」術が得意。

 孔雀明王・金剛夜叉明王・烏枢沙摩明王の場合は邪気を浄化した上で自分の力として取り込め、邪気が強い場所だと一時的だが「気」「霊力」の底上げが可能。

 大元帥明王の場合は何㎞も離れた場所に居る相手にダメージを与えたり、一度に複数人への攻撃が得意。

 などなどなど……。

 でも……。

 あたしの守護尊である金剛蔵王権現は……術者が異様に少ないらしく、これから、どんな修行をやれば良いのか、誰も知らなかった。

「俺の一族の大昔の記録で読んだだけなんで……どこまで当てになるか判らんが……」

 そう言い出したのは、親代わりだった親類の叔父さんだった。

「何でえ?」

「役行者が金剛蔵王権現を感得した時の伝説は知っているか?」

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