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アータヴァカ/関口 陽(ひなた) (2)

「次……霊力を込めた9㎜パラベラム・ホローポイント弾の効果を確認する」

 そう言って相棒は2個目の拳銃を抜いたが……。

「前から変に思ってたんだけど……お前、両手利きだっけ?」

「元は右利きだが、自分で両手利きに矯正した」

 そして、銃声。

「と言っても、銃を撃つだけなら……護国軍鬼には射撃補正機能が有るから、利き手じゃない方の片手撃ちでも、そこそこは命中(あた)るけどな」

 続いて、また、銃声。

 だが……。

「効いてねえぞ……貫通してるみて〜だ」

「やれやれ……」

 相棒は両手の拳銃をホルスターに戻し、散弾銃を手にする。

「死体になって、そんなに時間が経ってないのに、もう体が脆くなってるのか?」

 どうやら、さっき相棒が使ったのは、命中(あた)った相手の体内で変形して、わざと体を貫通しにくくなる銃弾らしい。

 だが、普通の人間の体なら貫通しない銃弾でも……あのゾンビの体は、あっさり貫通した。

 そして、今度は、散弾銃の銃声。

「このゾンビどもに取り憑いてる悪霊だか魔物だかは……過去にもこっちの世界……人間が居るこの世界に出現した事が有るのか?」

「へっ?」

「魔法的・霊的じゃない純粋に物理的な攻撃で傷付くと、向こうにとって有り難い事が起きる。霊力を込めた銃弾や弓矢でも、貫通してしまうと同様。そんな特性が有るのに、体は脆くなってる。まるで、こっち側の人間にとって戦いにくくなるような『進化圧』『淘汰圧』の元で生まれた存在に思えるんだが……?」

「さて……悪霊や魔物が居る『異界』は、いくつぐらい有って、『異界』ごとに、何が、どう違うのか? とか……別の『異界』だと思われてるモノは、実は、同じ『異界』の他の場所だったなんてオチが有るのか? とか……その手の人間が考えがちな事が、どこまで『異界』でも通用する話なのか? みて〜な事は、あたしら『魔法使い』系にとっても、まだまだ、謎ばかりだ」

「なるほど……ん?」

 しゃがみ込んで、倒れてるゾンビどもの「何か」を確認しようとしてたらしい相棒が変な声をあげた。

「どうした?」

「警察とトラブるのが確実なんで……傷口を確認してた。こっちが攻撃した事で出来た傷が、検死した時に『死んだ後についたもの』と判断される可能性が高いなら、言い訳の手段は色々と有ると思ってな……。けど、御覧の有様だ」

 相棒は、そう言いながら、散弾による傷口を指差すが……その傷口から立ち上ってるのは……煙。

 傷口の周囲は腐汁と化していた。

「霊力を込めた武器で、魔物や悪霊と同化しちまった奴を攻撃したら……こうなる場合は結構有るな」

「そうか……。警察の検死担当者も頭を抱えるな」

「それ以前に、剣呑(ヤバ)い『邪気』に汚染されてる死体を解剖した奴が無事で済むか判んね〜けどな」

 相棒は続いて、調べていた死体……と言うか活動停止中のゾンビの体を引っくり返す。

「嘘だろ……命中(あた)った散弾の半数ぐらいが、体を貫通してる。散弾に込めてる霊力の約半分は無駄になったか……待てよ」

「どうした?」

「背中側の傷口で、気になる点が有る」

 相棒は、短剣を抜くと、別の活動停止中のゾンビの制服の胸の辺りを切り裂き、更に体に短剣を突き刺し……。

「おい、霊力を込めてる武器でも、迂闊に傷付けると……」

「判ってるが、どうしても確認したい事が有ってな……やっぱりか……」

「何がだ?」

「見ろ。散弾で肋骨が砕けてる。冗談じゃないな。迂闊に傷付けたらマズい相手が……筋肉だけじゃなくて、骨まで脆くなってる」

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