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荒神録 ─ Demonic Divinity Saga ─:毒戰寒流  作者: HasumiChouji
第三章:ピースブレイカー
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アータヴァカ/関口 陽(ひなた) (5)

「何やったんだ、お前……?」

 朝飯を食いに行った喫茶店で瀾の妹と一緒に居た女の携帯電話(ブンコPhone)から送られてきた映像。

 それは、人間の残骸だらけになった警察署の中だった。

『何で、私のせいにする?』

「転がってる死体は、どう見ても爆死だ。あと、声から、あんたが動揺している可能性は無視出来ない程度には有る」

『異議あり、裁判長。状況証拠に過ぎません』

「最近『ペリー・メイスン』にでもハマってんのか? たしかに状況証拠だが……爆死は爆死でも、内部から爆発してるように見えるぞ。あんたの能力以外では、結構、難しい殺し方だ」

『悪い。流石に、ちょっとパニクった。明らかに動き回れる状態じゃない奴が、襲って来たんでな』

「これが、いわゆる『神様系』の能力者の欠点だ。力は強力だが……努力して得た力じゃないんで、動揺し易い場合が有る」

 瀾が、そう解説。

 なるほど……。

 九州(こっち)に来てから、その存在を知った「神様系」と呼ばれる能力者達。

 あたしら魔法系とか心霊系に似ているが、あたしらが苦手な物理現象を発生させる事が出来る。

 しかも、かなり強力だ。世界でもトップ3の魔法使いが二〜三〇人集っても困難な真似を1人で平気で引き起せる上に、あたしらの「霊力」切れに相当するモノも無いらしいし、更に魔法・心霊系・精神操作系に対するほぼ完全な耐性まで有る。

 けど……何で、活躍の場が中々無いかは……何となく判った。

 たしかに、こりゃ……瀾が良く使う理系用語だと「運用の幅が狭い」だ。

 力だけはクソ強いのに、ちゃんとした訓練で何かの「能力」を得た者より、メンタル系がイマイチってのは……たしかに「想定外の事が起きるのは想定内」な仕事には恐くて使えねえ。

「待てよ……『内部から爆発』? あいつの能力以外で有り得るかも……」

 瀾は、何かを思い付いたようで、大き目の付箋にメモして、PCのモニターの端の方に貼り付ける。

「『明らかに動き回れる状態じゃない』ってのは、あんたの能力で検知した『生命力』みたいなモノから判断したのか?」

『その通りだ(Confirm)』

「理解した(Confirm)。警察署内の状態は?」

『私が見た限りでは、完全に無法地帯だ』

「生きてる奴は、どの程度居る?」

『ほぼ皆無』

「理解した(Confirm)。警察署内から撤退してくれ。『ミラージュ』、地上用ドローンを起動。『ガルーダ』が警察署から出て来たのを確認後、ドローンを放出し、警察署の周囲に例の3重結界を展開。その後、『ガルーダ』と一緒に警察病院に向かってくれ」

『了解(Affirm)』

「なあ、あの韓流アイドルもどきの能力って……やっぱ、この件じゃ役に立たないの?」

「役に立つケースも有るぞ……警察署と警察病院をまとめて爆破するのもやむを得ないまで状況が悪化した場合とかな」

 サラっとサイコな事を言いやがる……。

「持って来ましたよ。これまでより強力な『護法』を施した『水城(みずき)』の装甲と……本日分の武器」

 その時、「小坊主」さんがファミレスの配膳ロボットを更にゴツくしたような運送用の大型ドローン達にトランクをいくつも運ばせながらやって来た。

「済まない。『お上人』さんに……」

「『七〇過ぎの年寄を、どんだけ働かせるつもりだ?』ってボヤいてました。あと『あの嬢ちゃんに言っとけ、お前の伯父貴より人使いが荒いぞ』って」

 トランクの中には……あたしの「水城(みずき)」の装甲と……山ほどの散弾銃の弾に、使い捨ての投げナイフ、そして、クロスボウ用の矢。

「足りるかな……これだけで?」

「さあ?」

 あたしは、そう答えるしか無かった。

「近隣の『魔法使い系』『心霊能力者系』が居るチームにも銃弾やクロスボウ用の矢に『浄化』系の霊力を込めて送ってもらうように依頼してます。2時間後から、現場にドローンでの補充が始まります」

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