7 舞踏会3
「黙って聞いていれば好き勝手言って…!妻と息子を侮辱するな!!エイダに関してもそうだ!!」
胸ぐらを掴みながら叫ぶ。相手の殴られたところは腫れているが、まあ、自業自得だろう。
「私を殴るなど、、、!大人しくアリスと結婚すればいいものを、、!」
周りに同情を求めたが、冷たい視線しか感じない事に気付いたのか、話を転換してきた。
「……お前、息子と妻を侮辱するなといったよな?教えてやろうか、その女の性悪さを。」
鼻で笑うようにアリスの父親が話しだす。
「その女、ミーティアはライを影で虐めておるのだぞ?」
「そうですわ!ジェイ様!!屋敷の者に聞きましたのよ!」
え?誰が誰をいじめていると?
私がいくらしていないと言っても、あの親子は取り合ってはくれず、私が影でいじめていると騒ぎ立てている。あのわがままな問題令嬢で有名だった、ミーティアが大人しくしているわけがないだろうと。
だんだんと私に疑いの目が向いてくる。そうだ、あの問題児が大人しくしているわけがないと。影でいじめているに違いないと。そんな声が周りから聞こえてくるようになった。
そんな時、アリス嬢が口を開く。
「証拠もありますのよ!!!さあ、出てきなさい!!」
出てきたのは1人の中年の女。見たことのある顔、私たちの屋敷の使用人だった。
使用人はおずおずと話し出した。
「私この目で 見ました。奥様の部屋のゴミ箱に…ライ様が大切にしている石が捨ててあったのを。
あの石は、今は亡きライ様の母上の形見でありました。おそらく奥様はそのことを知ってわざと…。
ここにありますのがその捨てられていた石です。」
そう言って取り出したのは、あの日ライ君が、お守りとして私にくれた石だった。