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1分程度で読める、掌編小説集です。「こちら」から、他の掌編小説を読みにいけます。

白い世界

作者: 行世長旅

何も無い。

ずっと彼方まで白い景色が続いている。

距離感を分からなくさせるその白は、自分がどれだけ歩いてどれだけ前に進んだのかも教えてくれない。前がどちらなのかと言われると、それも分かったものではないのだが。


何の音も聞こえない。

自分は歩いているはずなのに、足音一つ聞こえない。

声を出してみようとしたが、自分の口が開いているのかも分からない。手を口元に当ててみても、手も口も何かが触れたという感覚を伝えてはくれなかった。


何の目的も無い。

何故ここにいるのか、どこに向かって歩いているのか、どうなりたいのか、考えていることなど全く無い。

過去も、今も、未来も、自分自身も、ここには何も無い。


……私は本当にここにいるのだろうか。

本当はいないのに、いないと思い込んでいるのだろうか。

どちらが正解かは分からない。どちらが正解であろうと関係無い。

人間だろうと幽霊だろうと、私はただただ歩き続ける。

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