22話 疑惑
森中に響き渡るのは、闘いの音。
オーク達の雄叫びや金属のぶつかり合う音。
ハルカは、不安と孤独の中で、ひたすら待っていた。
その胸には黒い羊皮紙の本が大切に抱えられている。
ドゴンッ!!!
突如、塾の在った場所から凄まじい爆発音が響き渡る。
木々が揺れ、森中が地鳴りの様に震えている。
音が鳴った方向を見ると、天まで届きそうな巨大な火柱が立っていた。
数秒遅れて、焼ける様な熱風が吹き荒れる。
轟々と顔に熱風が吹きかかり、目を開けるのも辛い。
風が吹き終わり、ハルカは目を開いた。
まるで夕焼けの様に空を赤く焼き付ける炎をハルカはただ呆然と眺めるしかなかった。
「何・・・あれ?」
一体、何が起きているのだろうか?
ジンさんは、何をしているの?
ハルカは、不安が込み上げる。
助けてくれたジンをハルカは疑う事なく信用していた。
だが、本当に信じて良いのだろうか?
よく考えて見れば、ハルカはジンの事を何も知らない。
豚鼻の化物に比べれば人間に見えるだけマシだが、違和感を感じた点は沢山ある。
なんでメリットも無いのに自分を助けてくれたのか?
なんで血だらけだったのに、怪我が無くなったのか?
なんで躊躇なくオークを殺せたのか?
なんでオークを殺せる武器を持っていたのか?
段々とジンに対する疑惑が大きくなって行くのをハルカは感じていた。
「本当に、あの人を信用して良かったのかな?」
ハルカは、ふと胸に抱えている黒い本に目を向ける。
「・・・黒の魔道書?」
ハルカは本を開く。




