11話 酒池肉林
塾の施設の外に並んで立たされているのは48人の女子生徒と3人の女性塾講師。
皆、絶望に沈んだ表情で怯える様に周りを伺っている。
彼女等の視線の先には、下卑た目で舐める様な視線を送って来る豚鼻の化物達がいた。
豚鼻達は、彼女等が逃げられない様に周囲を囲み、ゲラゲラと笑っている。
男は全員殺され、残された女性は乱暴に捕まえられて、ここに集められた。
中には、服を剥ぎ取られて乱暴をされた女子学生もおり、裸で並ばされている女子生徒もチラホラいる。
「私達どうなるの?」
「怖い。」
「何が起きてるの?」
「私達も殺されるのかな?」
誰もがこの現状を理解できておらず、不安を口にする。
ガシンッ!!
リーダー格らしき豚鼻が、巨大なバトルアックスの柄の部分を地面に叩き付ける。
一斉にその場が静まり返ると、リーダー格の豚鼻が話し出した。
「我が名はブルタスク・ベルツ・オルクス!偉大なるオーク族の王である。今よりこの地は我等の支配下になった!お前達は家畜だ!お前達の使命は我等の子を産む事!我等の子孫繁栄の為にその身を差し出せ!」
「そんなの嫌よ!」
「誰か助けて!」
「家に帰してよ!」
「私達が何をしたって言うの?」
女子生徒達は悲痛な訴えを叫ぶが、豚鼻達は面白そうに笑うだけだ。
「敗れたお前達に拒否権は無い!今よりお前達は我等の所有物!家畜だ! 家畜に服など要らん!剥がせ!」
リーダーの命令で、豚鼻達が女子生徒達に近づくと、片っ端から衣服を引き裂き始めた。
「来ないで!」
「やめてよ!」
「触らないで!」
女子生徒達は必死に抵抗するが、非力な彼女達の抵抗など無視して問答無用で豚鼻達は衣服を力任せに引き千切る。
あっという間にあられもない無い姿にされた女子生徒は仕上げに首に鉄の首輪を嵌められて鎖に繋がれて行く。
泣き喚く女性達の中、ハルカは、自分の順番を静かに待っていた。
ただ、静かに脱出の機会を見逃さない様に豚鼻達に集中する。
今は屋外で、豚鼻達は我先にと女子生徒に群がって服を剥ぎ取る事に夢中だ。
今なら包囲網も薄くなっている。
森に逃げ込めば振り切れるかも知れない。
「ゲハハハハハ!それにしても運が良かったぜ!こんな森に立派な拠点と大量の食料に家畜まで用意されてるとはな!正に天からの贈り物だ!」
リーダーの豚鼻の言葉にハルカは引っ掛かった。
食料?
ここは塾だ。
多少の飲み物やお菓子程度ならあるが、大量の食料と呼べる様なモノは無いはずだ。
その時ハルカは視界の端で、豚鼻達が男子生徒の死体を運んでいるのを見た。
死体は衣服を剥ぎ取られており、裸で建物の裏に運ばれていた。
「まさか・・・。」
ハルカは、悪寒と吐き気が込み上げる。
・・・何としてもここから逃げないと。
ハルカはギュッと拳を握りしめる。
「グヘヘへ、次はお前の番だ!」
一体の豚鼻がハルカに近付いてきた。
遂に自分の番が来てしまった。
ハルカは心臓の音が早まるのを感じながら、必死に周りを見る。
「抵抗すんじゃねえぞ。」
豚鼻の化物はハルカの服を掴むと力任せに引っ張った。
「ひっ!?」
まるで身体ごと持ってかれるのかと思う程の腕力でハルカは殆どの服を剥ぎ取られる。
「グヘヘ、いい身体してんじゃねぇか。」
こんな豚鼻に褒められても何も嬉しく無い。
豚鼻は懐から鉄の首輪を取り出すとハルカの首に嵌めた。
ハルカが無抵抗だった為、豚鼻の化物は油断してハルカから視線を外して、鎖を探す。
その瞬間、ハルカは全力ダッシュで駆け出した。
「あっ!?このアマ!」
豚鼻の怒声が背後から聞こえるが、振り返らず真っ直ぐ森を目指して走る。
テニス部で走りこみには自信があった。
豚鼻の居ない一角を狙って一気に駆け抜ける。
裸足な為、足裏が痛いけど、今はそんな事気にしてる余裕は無い。
捕まれば地獄が待っているのだから。
「1匹逃げたぞ!」
ハルカの脱走に気付いた豚鼻が叫び、2体の豚鼻がハルカの跡を追う。




