8話
「どうしたら遅刻しなくなるだろ」
「寝坊しなければいいんじゃないか」
まぁそれはそうだ。
「カズヤならどうすれば絶対起きる?」
「義理の妹が俺のベッドにまたがって「お兄ちゃん起きて」って言ってくれれば起きる」
「いつも通りのクズ野郎だね」
こいつと話してもいいアイデアが出る気がしない。
「起きられたらなにかご褒美があるみたいな感じがいいかな」
「目覚ましが鳴っている間だけ二次元嫁が具現化してくれるなら絶対起きる」
「カズヤはちょっと黙ろうか」
なかなかいい案が浮かばないな。
「ユウスケ。考え方を変えた方がいいんじゃないか?」
「考え方を変える?」
「そうだ。ご褒美より罰を与えるべきだ。その方が寝坊したくなくなるはずだ」
「なるほど。それいいかも」
「例えば、目覚ましが鳴り終えたらベッドに天井から刃物が落ちてくるとか」
「それじゃ永遠に起きられなくなっちゃうよ」
そんなことになったら怖すぎる。
「じゃあ、ピタゴラ装置を使うのはどうだ」
「それはちょっとおもしろそうだね」
ピタゴラ装置を使うのはいいけど最後はどんなことが起こるんだろう。
「もしかしてピタゴラ装置の最後に刃物がおちてくるとか?」
そんなの願い下げだ。
「ユウスケ。さすがの俺もそこまではしない」
「じゃあどうなるのさ」
「性転換してもらうだけだ」
「そっちの方が怖いよ」
いい案がなかなか出てこない。
「思いついた。」
「なんだユウスケ。どんなアイデアだ?」
・・・
その日の夜
全校生徒にメールがきた。
『今日から一週間、目覚まし代わりに皆さんにメールを送信します。メールを見たら5分以内に返信してください by 理事長』