10話
とある日
「カズヤ。今日遊びに行っていい?」
「おお、いいぞ」
「あたしもいってみたい!」
という事で、僕とサヤカはカズヤの家に遊びに行くことになった。
「おじゃましまーす」
「やっぱりカズヤの家は大きいね」
「普通だろ」
カズヤはこんなこと言うけど、豪邸といってもいいくらいすごいところだ。
「あたし初めて来たけどカズヤの家ってすごいね」
サヤカはかなり驚いているみたいだ。
さっきからきょろきょろして恥ずかしい奴め。
「サヤカ。ものすごい力で肩をつかまないでくれないかな。それ以上されると骨が砕けちゃうよ」
「誰が恥ずかしい奴かしら?」
僕の断末魔がカズヤの家に響き渡る。
心の中を読むなんてサヤカはいったい何者なんだろう。
僕とサヤカがカズヤの部屋まで案内されている途中で小さな女の子とすれ違った。
するとその子が突然カズヤに抱きついてきた。
「おかえりお兄ちゃん。帰ってくるのおそいよー」
「ごめんねマイシスター。あとで遊んであげるから許してね」
僕とサヤカの行動は迅速だった。
僕は女の子をカズヤから引きはがし、サヤカが通報をする。
いいコンビネーションだ。
まさかもう犯罪を犯すほどのクズになっていようとは思わなかった。
優しく女の子に声をかける。
「けがはないかい?もう大丈夫だよ」
「汚い手で触んじゃねーよ。この服もう捨てなきゃ」
あれ、おかしいな。
目の前の女の子の発言でないことを祈りたい。
「息くっさ」
僕の心の心が砕ける音がカズヤの家に響いた。