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1話:3 盗賊参謀に俺はなる

10

「俺の下につきたいって言ったのはお前だろうが」

「いいや、俺はそんなこと言っていない」

「なんだと!?」


 激昂し怒鳴り散らすライツェルは状況を把握しようと周囲に目を向けた。

 罠なのだろうか?

 ここまで話を続けていたのは注意を逸らすための方便で、何かしらの策により自分を討とうとしているのではないのか?

 そうと考えればつい先ほどの発言を簡単にひるがえした説明もつく。

 手柄さえ手に入れてしまえば王国側もコビトを無視できなくなるのだ。

 しかし、どうやって自分を倒すと言うのか?


「警戒しているところ悪いが、罠じゃないぞ」

「なに?」

「俺が言ったのは、お前の下につきたいわけじゃないってだけだ。あくまでも俺は、協力者だ。上でも下でもない。同格として扱って欲しいって言ってるんだ」

「なに?」

「俺は役に立つぞ? 同格って言うが、頼みたいことがある。その要求を通すのに手下って扱いだとあんたのメンツにも係わるだろうから、形式上同格って扱いにしてほしいだけだ。その要求さえ守ってもらえれば、実質手下と変わりはない」

「……言ってみろ」

「1つ、勇者の仲間は殺さず、手出しはするな」


 勇者の仲間、リキとミハである。

 その2人には手出しさえしてはいけないと言う要求の意図が読めず、ライツェルは首をひねった。


「勇者さえ殺せば、あの2人は俺が説得できる。こっちの仲間に出来るんだよ。そのためにも手出しはするな。もちろん、仲間になった後の性的な意味でも、だ」

「なるほど……思い人を汚されたくないわけだ」

「そう言う意図もある。次に、勇者を殺すまでの活動は俺に指示させろ」

「あん?」

「俺の詐欺師ってジョブは支援系だ。しかも、あんたら盗賊系のジョブと違って頭を働かせるのが得意なジョブでね。勇者を殺すまで俺の指示で動かし俺の能力を認めさせて、勇者を殺した後の立場を確固たるものにしたいんだよ」

「言うねぇ……ずいぶんと自信があるみたいだな」

「お前の手下は馬鹿ばかりだろ? 俺も馬鹿の相手をしてたからな。苦労は分かる。そして、あしらい方もな」

「……いいだろう。試しに使ってやるよ。役に立たなきゃ、わかるな?」

「もちろん。さて、こうしてうまいこと話しもまとまったようだし、手土産があるんだよ」

「土産?」

「あぁ、土産だ」


 コビトはニヤリと笑みを浮かべた。


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