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序:プロローグ
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「え、衛兵、彼を牢へ連れて行きなさい」
大理石の床、真紅の絨毯、黄金の玉座が置かれた豪奢な造りの部屋で、煌びやかなドレス姿のお姫様がそう言った。
なぜ? どうして? そんな言葉ばかりが頭に浮かぶ。
俺が一体何をしたって言うのか? たしかに多少態度は悪かったかもしれないが、悪いのはあちら側で、俺の態度も向こうは納得してたはずだ。
そうだと言うのに少女の言葉に従って鎧を纏った男たちが、俺の両脇から俺を後ろへと引っ張っていく。
驚いた表情を浮かべる友人たちに助けを求める暇もなく扉が閉ざされ、俺は牢屋へと運ばれていくのだった。