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私は魂想 月希姫です。

初めまして、黒炎 ルカです。

これは初めての作品で、下手な部分がありますが、

お手やわらかにお願いします。

    真っ白な真っ白な世界が、

    何も何もない世界が、

    私の知る世界の全て、だから、


 私の世界を壊さないで、あなたにはそれさえ簡単に出来てしまうから・・・





開くはずのない扉が・・・、扉が私の目の前で開かれている。

禁断の世界へ誘う扉の向こうは暗闇。

私はその暗闇の向こうへ進む。でも、


じゃら・・・じゃら・・・


重々しい音と共に足が何かに引っ張られる、

私の足は鎖に繋がれており、扉が開いても

その向こうへ行く事が叶わないのだ。


絶望、私は絶望一色に染まり、その場に座り込む。


「どうしたんだ?」


ふと、聞きなれない声がする。

びっくりして、体が震え上がる。

そして、恐る恐る顔を上げる。そこには、男の人がいた。見覚えがない。


「・・・!? あぁ、あ・・・」


ただ目の前に見知らぬ人がいるだけで、私はパニックを引き起こしていた。

そう、ここに、この人がいる事自体がおかしいのだ。

震えが止まらない、恐怖で固まってしまった、

その人は、不思議そうに少女を見つめると


「君・・・ここに監禁されて育ってきたのか?

かわいそうに、鎖になんて繋がれて・・・」


その人はそっと鎖に手を伸ばす。そして私は思わず―――

その手を叩いた――――


焦った、もしこの人の怒りを買ったら、私は間違いなく殺される、

逃げ場はないから死ぬしかない・・・!


「・・・」


「・・・」


長い沈黙が続いた。

これは1分以上続いた、いや、数秒だけだったかも知れない。

なんたって、私は恐怖で固まり、時間の感覚がおかしくなっていたから、

だが、この沈黙を打ち破るように、突然、声が響き渡った。


「おい! 屋敷内をくまなく調べたが“守城(しゅじょう) 紅夜(こうや)”に

繋がる手がかりはなかった! お前はどうだ救動!」


男性は首の横にぶら下げていた黒い箱?らしきものを掴み


「こちら救動! 扉が開け放たれた真っ白な怪しい部屋を見つけた!

中には12から15くらいの少女が監禁されている、これから身柄の確保と

“守城 紅夜”について聞いてみる。だから応援を頼む!

鎖に繋がれているんだ」


一人で黒い箱に話し始めた。

意図がわからずにいると、話し終えた男性は黒い箱を手放す。そして、


「“守城 紅夜”という青年を知らないか?」


私に目線を合わせる為に男性はしゃがみ込み、

とても優しい口調で私に聞く。

手を叩いた事はちっとも気にしてないようだった。

良かった。


「“守城 紅夜”・・・・お兄さん・・・?

お兄さんがどうしたんですか・・・!?」


私は安心して、尋ねられた名前について記憶を巡らせてみた。

そして、始めて会った時、お兄さんは

“守城 紅夜”と名乗ってた事を思い出した。


「それは、この青年か!?」


男性は胸ポケットから一枚の写真を取り出して、

私に見せる。

写真には黒い髪で赤い瞳の青年が写っていた。

それは紛れもなく私の知るお兄さんだった。


なので私は、首を縦に振った。


「では、君は“守城 紅夜”のなんだったんだ?」


ふと、私は男性を見つめた。

濃い茶色の髪でライトグリーンの綺麗な瞳の男性、

そのしゃがみこんだ姿をお兄さんと無意識に重ねた。

すると、私の視界がモヤモヤと歪み始めた。


「お、おい!? 大丈夫か!?」


歪んだ視界の先、慌てふためいている男性の姿が見えた。

あれ?私・・・。泣いている?


「ほら、これで涙を拭け!」


男性は私の手に何かふかふかした物を握らせた。

私は握らせられたふかふかした物をギュッと握り締め、

目の前でしゃがみ込んでいる男性に抱きついた。


「!?」


驚く男性を無視して私はより強く抱きしめる。

ポロポロと自分の目から落ちる涙を必死に堪えながら

私は答えた。


「お兄さんは・・・毎日、ここに来てぇ・・・

私に色んな事を教えてくれた・・・・!


お兄さんは・・・それを、

“家庭教師”って、言ってたけどぉ・・・うぅ・・・・

昨日も今日も来なくてぇ・・・

すっごく、心配で・・・怖くて・・・・だからぁ・・・・!!」


自分の喋り方がおかしくなっていた事に気づいたが遅かった。

うぅ・・・初対面の男性に泣きつくなんて、情けない・・・・。


「・・・私は“救動(きゅうどう) 優醒(ゆうせい)”と言う

君はなんていうんだ?」


男性は話題を変えた。

私を気遣って話題を変えてくれた・・・・。


「わ、私は・・・“魂想(こんそう) 月希姫(るいひめ)”」


この男性・・・。


救動さんは、他人を気遣う事のできる

“善良な人間”のようだ・・・。

この人ならば信用が出来るのかもしれない・・・。

というのも、多分、無意識に救動さんを

今はいない“お兄さん”と重ねてしまっているかもしれない・・・。

その可能性を私は胸の奥の方にしまっておく事にした。


「へぇ~・・・いかにもって感じの部屋だな・・・

どうやら月希姫(るいひめ)ちゃんは“守城 紅夜”を知っているみたいだし、

手柄もんだぞ救動!」


先程の謎の声がまた響き渡った。

私と救動さんは扉の方を反射的に見た。

そこには、男性が三人ほど立っていて、

その内、一人の男性がハサミのような機械を持っていた。

なんだか嫌な感じがする・・・・。


「い、一体・・・何をする気なんですか・・・!?」


私は機械を見てまさかとは思うが念の為に確認をする。


「決まっているじゃないか! 月希姫(るいひめ)ちゃんの鎖を切るんだよ」


先程の声の主たる男性がそう言うと、

三人とも私の部屋に入り、機械を私の鎖に固定し始める。


「・・・!!? 止めて、止めてください!

お父さんに叱られる・・・・お願いだから、止めて!

救動さん・・・! 止めさせて!!」


鎖を切る・・・?そんな事したら、お父さんが怒る。

私は涙を浮かべながら必死に訴えかけた。


「・・・! る、月希姫(るいひめ)・・・!

お前は“お兄さん”を心の底から信頼しているんだろう!?

その“お兄さん”の為にも頼む! 私達と来てくれ!」


「!?」


救動さんは私の肩を掴み、言った。

・・・ねえ・・・そんな言い方じゃ、本当に

お兄さんに何かあったって事・・・?


「お前はここにずっと閉じ込められて、

嫌になったことはないのか!? 

外にその足で出たいとは思わないのか!?

そうやって、恐怖で支配されて・・・!


絶対、辛いはずなのに、それよりも怖い事を恐れるあまり

鎖が切れることにさえも恐怖を覚えるそれは・・・・!!


“お父さん”に対する恐怖か、

“お兄さん”を尚更苦しめる事を恐れているのか、


だったら、大丈夫だ、私がお前を・・・

守って見せる・・・! 救ってみせる・・・!


だから・・・!! 踏み出してくれ、前へ、

その手を差し出してくれ、私がその手を引いて、

お前を守るから・・・!!」


何回も私の肩を揺さぶって、私に叫んだ救動さん。

あまりろくな会話も交わしてないのに、

会って間もないのに、

必死になって私に叫んだ。


嗚呼、この人は善良すぎる、もはや眩しく思うほど優しすぎる。


お父さんにも

お兄さんにも


さすがにここまでの優しさを私には注がなかったのに・・・。

私はここで選択せねばならない。

ここから出て、お父さんに逆らって、お兄さんを助けに行くか、

ここに留まって、帰ってくるかも解らないお兄さんをずっと、

一人ぼっちで待つか、


            


            「なんだ、決まっているじゃない」





バキンッッ!!!!





腑に落ちない部分がありますが、

次第にわかっていく形にしています。

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