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箱をあけよう  作者: ひろりん
第1章:船上編
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初心者です。

おはようございます。


ルディが夜明け前に迎えにきました。


仕事初めですから、緊張しているようです。

昨夜、何度も目が覚めました。

おかげで、夜明け前に寝過ごすところでした。

緊張は長くもたないってことですね。



まず、朝一番に

船底の船倉のさらに奥にいくと

家畜部屋がありました。


普通に牛が5頭に豚が5頭、鶏が20羽、馬が二頭 いました。

これから、よろしくお願いいたします。



船に動物、積んでるんですね。

船って何でもありなのですね。



糞をかたずけて、

彼らの寝床のわらを綺麗にしてあげて、

水をあげて、えさをあげます。


ルディは牛のお乳をしぼっています。

プロですね。

牛乳が次々としぼられています。


私は、鶏の卵をひろいます。

基本、柵の中ですが、鶏は自由気ままのようです。

ありとあらゆるところに卵がおいてあります。


今日は15個ありました。

それにしても、卵大きいです。

今までスーパーで売っていた卵が

おもちゃみたいな大きさです。

まさにLLサイズです。


牛乳と卵を持って上の階の厨房にいきます。


厨房にいくと、三人のコックさん?が

もう朝ごはんのしたくをしてました。


彼らのうち一番若そうで下っ端そうな男の人に

卵と牛乳を渡しました。

美味しい料理になってくださいね。


それから、食堂の机を拭いて、トレイを

ひとつずつ拭いていきます。


厨房から、声がかかると、

料理のお皿を厨房窓口そばの棚や台にぎっしりと

置いていきます。

朝食のメニューは今日はベーグルサンドですね。

卵やハムやトマトやレタスかな。

美味しそうですね。

楽しみです。


それが終わったころに、

食事の時間になったようで、船員達がどやどやと

入ってきました。


料理の載ったお皿をトレーにのせて、

空いた席でお食事されてます。


食事が終わった人はそのまま席を立ちます。

そうしたら、私とルディは、

すぐに席の上のお皿をかたづけて

いきます。


中ほどにはレヴィ船長やカースも

セランもきて、朝ごはん食べていきました。


大方に人が終わったころ、

私たちもご飯です。

厨房の中から声が掛かります。


「おい、そろそろ、お前達も食べておけよ」


おお、お腹すいて目が回りそうです。

私たちも、お皿を取って、空いている席でご飯です。


「いただきます」


手を合わせて、食事に取り掛かります。



以前から、私が食べているところを

じっと見ていたルディは私が食事前に

かならず、手を合わせることを知ってます。


何だときかれたので、

ご飯、ありがとう という意味だと

言っておいた。

まあ、間違ってないよね。


それにしても、早いですね。

ルディはわたしが半分もすまないうちに、

もう、終わってます。


「メイ、早く食べ終わらないと、次の仕事が遅くなっちゃうよ」


えっそうなの。


急いで、口に入れるんだけど、かまないと飲み込めないのよね。

ごっくんまで、やっぱり時間が掛かる。


「先に、厨房の中で次の仕事してるから、ご飯終わったら、すぐ来て」


うん。ごめんなさい。


明日から、ご飯をつつんでおいて、後で食べれるように、

ハンカチもどきの布を持ってこよう。


水と一緒に流し込みながら、急いで食べる。


お皿を持って、厨房にいくと、ルディはお皿を洗うために、

樽の中に海水を入れていた。


大きな亀の子だわしのような束子を

渡されて、お皿をたらいに入れる。

その上から、海水を杓子でかける。


「お皿の汚れを落としてね。終わったら、こっちに並べてね」


お皿を立てかけて、水切り。

洗剤は使わないんですね。

自然にやさしいです。


立てかけたお皿をルディはつぎつぎと拭いていきます。


急がなければ、追いつかれてしまいます。


一心不乱に束子でお皿をこすります。


やっと、お皿を洗い終わったとき、私の手はしわしわにふやけていました。


お皿洗いって重労働だったんだ。知らなかった。


大家族のお母さんは、ずいぶん大変だったんだね。


お皿を食器棚にいれてしまうと、食堂の床を掃いて、

机の上をふいて、綺麗にします。


「つぎは、こっち持って」


大きな籠を渡されます。


「これから、部屋回りだよ。洗濯物を回収するんだ」


まず、船長さんのところにいって洗濯ものをとってきます。

その後、副船長やそのほかの船員の部屋の前にいったら、

同じ籠が部屋の外にあった。

ただし、中身が満載でしたけど。


持ってきた籠を部屋の中に入れて、洗濯物満載籠をひきずって

小さな部屋に入る。


「先にほつれや破れが無いか、確認するんだ。

 無いものはそのまま 洗濯籠に、

 あるものはここで、直してから洗濯だよ」


ほうほう、洗濯後ではないのですね。


こう見えても裁縫は得意ですよ。


お直し服は半分ほどです。

肩のほつれだったり、脇が破れていたり、

袖が切れていたり、すそに穴が開いていたりです。


でも、この服の布とってもごついですね。

手が痛くなりそうです。

指貫が欲しいです。


木綿針の太いもので、ぐさぐさとルディは縫っていきます。

やっぱり男の子ですね。

それでは、穴がすぐ開いてしまうでしょう。


遅いなりに丁寧にしていたら、ルディがほとんど

しあげてしまいました。


洗濯籠をもって甲板へいきます。


甲板の端っこで洗濯籠を置いて、

二つの盥に、桶でくみ上げた海水を入れていきます。


えっ服洗うのも海水なの?


「汚れ落とすのは海水で十分だよ。

 最後の一回は真水で濯ぐけどね」


お水は貴重なのです。

そうですね。



「服を海水につけたら、甲板磨きだよ」


く、体がすでにだるいです。

ルディは平気な顔でデッキブラシを持ってきた。

若いっていいわね。


靴と靴下を脱いで、木箱にいれて、ズボンのすそを捲り上げる。


回りをみたら、ルディのほかにも

7,8人の船員さんが、同じ格好になって、

デッキブラシや、束子、雑巾を持ってる。


その中で一番年配の人が、声を張り上げる。


「はじめるぞー」



甲板の上に海水が撒かれると、皆いっせいに、

掃除をはじめる。


大仏殿の年末大掃除みたいだ。


セランが医務室から出てきていた。

私のこと心配してくれているのかな。




私もデッキブラシをもって、ルディのまね。

ごしごしこすりながら、甲板の端から端まで。

これは、甲板の上に出来ている、水垢やコケを落としていくんだって。


きちんと落としてないと、誰かがすべって転んで、ケガをする。

それに、嵐が来たときにすべると、、踏ん張りがきかなくて、

船から落ちてしまうことがあるそうです。


滑って、海の中へ落ちちゃうの?

漂流していた記憶が戻ってきて、

背中が寒くなります。


真剣にごしごし。


全部、磨き終わったら、また海水を撒き、デッキブラシで

浮いた汚れを海へ落としていきます。

ルディなんか、慣れたものでスケートしてるみたいに、

すいすい走っていきます。


気持ちよさそうです。

いつかあんなふうに出来る日がくるでしょうか。


もう、腰が痛いし、

今度は足はふやけてしまいました。

座りたい。



「ほら、こっちに座って、洗濯はじめるよ」



休憩なし?

座れるのはありがたいけど、

せめて、ふやけが直ってからがいいのだけど。


「ちょっと、休み、駄目?」


弱音。

でも、本当に手足が真っ赤になって痛い。

裸足で作業なんてしたことないんだもの。


ルディは笑っていいよっていってくれた。


セランがいつの間にか、私のそばに立っていた。


「最初から全部出来るなんて思ってないさ。

 少しずつ出来るようになればいいさ。

 まだ、病み上がりなんだから、無理するなよ」



セランは私の頭をぽんぽんとしてくれた。


お言葉に甘えよう。


誰かがセランを呼んでいた。

彼は、ゆっくりとした足取りで船室に戻っていった。



ルディのそばに座って、彼が洗濯していくのを見ている。

まあ、やっぱり大雑把だ。


洗濯板に2,3回こすりつけたら、絞っていく。

汚れおちてるの?それ。

洗濯機がないって不便だね。

電気製品って偉大だったんだ。


あらかた絞ったら、新しい盥に真水を入れて、

絞った服を濯いで、また絞る。


うーん。

私の握力ではあんな風に絞れまい。


全部、絞りおわったら。水を海にすてて、

服の袖をロープに通していく。


洗濯ピンチなんてないので、結構間隔をあけて干していく。


全部でロープは6本。


ロープの端は船の縁に結びつけ、もう片方の端を

全部もって、ルディが待っていた船員さんに渡す。

彼は、そのままマストに掛かっている網?はしご?

みたいなものをあがっていき、するする、まるでお猿さんのように。

あっという間に、マストの中ほどにいました。


そこフックみたいなものが、あるみたい。

次々にロープを掛けていきます。


ルディが下で様子をみながら、船の縁にくくりつけたロープの

調整をしています。


そして、ロープがピンと張られたとき、

洗濯物が旗のようにはためいていました。


青い空に洗濯物。

きれいですね。


「メイ、食堂にいくよ」


お昼ですか?


「お昼の前に厨房の手伝いがあるんだよ」


さっき、休憩をとったから、大丈夫。

ふやけた手と足も治ったしね。


さあ。いこう。

ルディの後ろをしっかりついていきます。








































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