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箱をあけよう  作者: ひろりん
第2章:無人島編
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契約しました。

さてさて、照と友達に成れたっぽい。

嬉しくて顔が、にやにやしてしまいます。


いつか、あの金の髪で編み込みとかいろいろ

可愛い髪形してみたい。どんなのがいいかな。


「メイ。これから、どうするの?」


照の言葉で、我にかえりました。


まず、眠ってしまった船員達を起こすこと。


それから、船長達に照のことを話して、

一緒に船に乗っけてもらえるように、説得するつもり。


誰も死んでないし、いいんじゃないかな。


とりあえず、照に船員達にかけた術を

解いてもらうようにお願いしよう。


「わかった。メイ、ベットの下に鏡があるの。

 それを取ってくれる?」


なんで、ベットの下なんかに鏡を置いているの?

顔が見たくないとか?

それは、ないない。

照は美少女だもん。


「その鏡はただの鏡じゃないの。

 集めた生気を寝ていた彼に注ぐための魔具。

 それを壊せは、力は反転するわ。

 皆、目を覚ますでしょうね。」


おお、そんな細工物だったの。


鏡を部屋から持ち出し、外の岩場に思いっきり投げつけた。


ガッシャーン!!!!


大きな音がして、鏡は派手に割れました。

割れた鏡から、紫色の煙が出てきました。

なにこれ、鏡の精とか?


「ああ、その煙には触らないでね。

 生気を吸い取るための術語が、組んであった名残だから。

 触ると、干からびちゃうわよ。」


慌てて、手を引っ込めました。


そういう危ないことは事前に教えてください。


紫の煙が薄くなって、風で消えてしまうまで

じっと見てました。


「これで、皆、起きるの?」


「ええ、解術は出来ているはずよ。」


ふう、一つ解決ですね。

では、二つ目です。


「ねえ、照。この島を囲っている海流は貴方の力なの?」


「正確には違うわ。 もともと、ここには島は無かったの。

 彼が無人島に住みたいっていったから、ここに島を置いたの。

 そうしたら、このへんの海流がおかしなことになっちゃって、

 こんな風になったの。」


「島を置く? どうやって? 照が持ち上げたの?」

もし、そうなら、随分な力持ちだ。


「違うわよ。海の下にあった岩礁群と土地を隆起させたの。

 200年ほど前のことよ。

 まあ、流れ込む海水量とかは、

 ちょっと、私の力で補足させているけどね。」



へえ。海底って持ち上がるんだ。


うん? 200年?


「照、何歳なの? 」


もしかして、すっごいおばあさん?


「おばあさんって失礼ね。

 私達セイレーンは年を取らないの。

 体が大人体に成育したら、大人に成るだけ。

 私は、出来損ないだから、子供のままだけどね。」


へえ、永遠の子供ってわけ。いやーいいよね。

いつまでも子供料金って、一種の憧れだよね。


「いやよ。私だって大人になりたいわ。」


「いつか、なるよ。大丈夫。多分。」


「多分大丈夫って、説得力ないわよ。 

 まあ、それがメイなんでしょうね。」


そうそう。気軽に行きましょう。


「じゃあ、この島から、出られないの?」


「この島から出たいの?」


「だって、無人島じゃあ、美味しいご飯の供給が尽きてしまうでしょう。

 何も無いところからは、美味しいご飯は決して作れないのよ。」


これは、絶対に確信して言うよ。

美味しいご飯信望者として、この島は出るべきなの。


この島にはお肉の元は無い。

スパイスも無い。

それに、お魚だけなんて嫌です。


「私の力で、海流を押さえることが出来るわ。

 その時に、船を出せばいいわ。」


「なら安心だね。」


照だって、レナードさんの肉料理食べたら、

島を出る意見に賛成するよ。


「でも、私の力が及ばなくなれば、

 この島は、いずれ海底に沈むわ。」


照は、彼のお墓に視線を落とした。


この島には彼のお墓がある。

未練があるんだろうな。


「でも、照が一人残るのも、私が残るのも嫌だよ。

 彼は、照が幸せなら、それでいいと言うと思うよ。」


彼のお墓に掛けた、レーンの花のネックレスが、風にかすかに揺れた。

まるで、彼が返事をしているようだ。


お墓に視線をとどめたまま、照は微笑んだ。


「そうね。」


「そうだよ。」


私は、照の笑顔を後押しするように、にっこり笑った。






「そうそう、メイ。私と契約してちょうだい。」


え? あの輪とかの蔦模様?

刺青はちょっと嫌だな。


「あれじゃないわ。 彼との契約は命と魂をつなぐ契約。

 メイが死んだ後の事とか考えると出来ないでしょ。」


そうだね。 


「物意体簡易契約って以前にしたことがあるの。

 物体に私の意識と力を移して、それをメイとその子孫が

 持っていれば、ずっと側にいることが出来るわ。」


おお、難しい言葉、わからないねえ。


「要するに、力のある物に私が入っちゃうってこと。」


うーん。アラジンの魔法のランプ?

そういえば、子供の頃のアニメに、ハクションなんちゃらって

壷の中から出てくるへんなオジサンいたなあ。

あんな感じ?


「なにその想像。気持ち悪い。もっとかっこよく考えてよ。」


気持ち悪いって、あのアニメ、面白かったんだよ。

ずっと見ていると、へんなオジサンが可愛く見えてしまう

気がしてたんだよね。


「可愛くないわ。絶対。」


絶対って…

あ、時に、照さんや。

私、言葉に出してないんですが、さっきから

意思疎通できてますよね。 何で?


「今頃、気がついたの? 

 メイの考えてることは、伝わってるわよ。

 私はセイレーンだもの。 」


へえ、便利だね。

内緒話し放題だね。


「通常、人の心は、こんなにくっきりとは伝わらないの。

 メイが私と話をしたいって思っているからでしょうね。

 はっきり伝わってくるもの。」


遠距離通話って可能ですか?

糸電話より長い距離でお願いします。


「今のままだと無理。だから、媒体をつくるわ。」


首をかしげていると、照は私の耳たぶに手を伸ばした。

ちくっと針で挿したかのような軽い痛み。


照の人差し指には、1cmくらいの球状になった、

私の血が乗っていた。


「メイの血と私の力を混ぜて、宝玉を作るわ。

 それをいつもメイが身に着けていれば、

 どこにいても、メイの居場所がわかるわ。」


宝玉も作れるの?

それに、迷子になっても探してくれる

お探し機能付。 


照って、何でも出来るんだね。


照の顔が赤くなっていく。

うふっ照れ屋さん。


「馬鹿なことばかり考えてないで。

 腕輪、ネックレス、指輪、ピアス

 どれがいいか教えてちょうだい。」


装飾品だね。壷じゃないんだ。


「へんなオジサンと一緒なんて嫌よ。

 どうせなら、綺麗で素敵なものがいいわ。」



豪華になるの?

それだったら、目立たない、二の腕につけられる、腕輪がいいかな。


服の下だから、綺麗で派手でも大丈夫。

泥棒にだって持っていかれないよ。



「腕輪ね。 わかったわ。 

 ちなみに、本人の意思では外れないから。」


失くさないってことだよね。

良かった。


「そうじゃなくて、私の意志でのみはずせるの。」


いいんじゃない。


「いいの? 本当に…」


「一緒に行こう。友達でしょ。遠慮は無しだよ。」


照が、私を見捨てて絶交しないように、

私も成長できるように、頑張るよ。

背は、もう伸びないだろうけどね。


そうだ、照が子供のうちに髪で遊ばせてもらおう。

大人になっちゃったら、見下ろされるくらい背が伸びるだろう。

それは、ちょっとだけ、悲しいし。


「欲求、だだもれよ。ちょっとは遠慮しなさい。」




照は眼を瞑って、私の血の玉の上に力を注いでいく。

金の光が血玉に混ざって大きくなり、

赤い色に砂金が混ざっているような色になった。


朱金色の3cm大くらいの玉。


続いて、金髪を2,3本取って、息をそっと吹きかけると

髪が動いて、玉の周りを包み込んだ。

そうして、綺麗で、繊細な細工の金細工の腕輪が出来上がった。


「メイ、腕だして。」


「右? 左?」


「左のほうがいいわ。」


重くないならどっちでもいいや。


左腕の袖をぐいっと持ち上げた。


「重さは、感じないようにしとくわ。」


左腕に、太さ5cmほどの金の高そうな腕輪が

はめられた。


でも、これちょっと大きいのでは?

ゆるゆるです。


「今から調整するの。眼を瞑ってて。ちょっと光るから。」


はい。瞑りますよ。

眼が痛くなると大変ですしね。


「******。****::::‘‘‘**」


瞼の奥にも光ったのがわかりました。

ぴかっていう感じ。


そうしたら、ゆるゆるだった腕輪が

ぴたっと腕に引っ付きました。


これで、完了?


「ええ、私はこの中に入るわ。

 人間の世界では、あまり目立たないほうがいいし。」

 

「え? 一緒に船に乗れるように

 船長に頼もうと思ってたのに。」


「私はメイは信用してるけど、他の人間は信用できない。

 だから、いいっていうまで他の人には

 私のこと話さないでね。」


秘密ってこと?


こまったなあ。

苦手なんだよね。隠し事するの。

カースとかには、速攻でばれそうな気がする。


「そこは、頑張ってちょうだい。友達でしょ。」


「そうだね。照の嫌がることはしないよ。

 出来るだけ、頑張りましょう。」


嘘やごまかしはすぐばれるので、

詳しいことは、言わない方向でいこう。


「でも、照と友達になったって言っていい?

 だから、術を解いてもらったし、島も出られる。」


本当のことだし。


「いいけど、私は姿、見せないわよ。

 島の海流を止めるためには、沢山の力を消費するの。

 多分、この姿を保っていられない。

 酷く、存在が弱ってしまうの。」

 

大変じゃない。

幽霊になっちゃうの?


「ならないわよ。 

 でも、回復には時間が掛かるわ。

 だから、メイの腕輪の中で眠ることにするわ。

 そうしたら、一緒に船に乗れるでしょ。」


「わかった。でも、いつ起きるの?」


「わからない。でも、そんなにすぐではないわ。

 これは、しかたないのよね。

 従属契約ではないので、拘束力もないし。」


「そっか、しかたないね。

 友達に拘束力とか従属って変でしょ。」


うん。

おとなしく、照が起きるのを待ってるよ。



キラキラと太陽の光が腕輪に反射して、

とっても綺麗。

このまま日焼けしたら、腕輪模様ができるのかな。





どこかで、石が打ちあたる音がした。

岩壁に反響して、ここまで響く。


和やかな雰囲気が一瞬で消えた。

照の表情に緊張が奔った。



「誰かここにくるわ。

 多分、メイの仲間ね。

 よく、ここまで、登って来れたものね。」


「え? 船長達、ここに来るの?」


「私は腕輪の中にもぐるわ。

 あとは、よろしくね。」


照はひゅんと小さな風になったみたいに、

腕輪のなかの石に吸い込まれた。


それと、同時にメイの体の周りにの風景が

一瞬、白く濁った気がした。


後に残るのは、心の準備が出来ていないメイ一人だ。


船長達は、どこから来るんだろう。


ここ、切り立った岩の途中にあるような場所だけど、

下に降りる道ってあるの?


かなり高いとこにあるのは、わかっていたので

あえて、いままで端には寄らなかった。


下みると、くらってきて落ちちゃったら困るし。


周りをきょろきょろと見渡した。


レーンの花畑の先の岩場、鉤の様な金具がカツンと掛かった。





 





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