表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
箱をあけよう  作者: ひろりん
第1章:船上編
27/240

連れて行かれてます。

洗濯物を持って甲板に上がります。


今回の洗濯籠は全部で4つ。

前回の時の2倍です。


一つでも引きずらないと私には動かせないのに、

ルディは2つの籠を一度にひょいって、

軽々持ち上げました。


さすが、男の子。力持ちだね。


残りの籠も後でルディが取りに来てくれるって言ってくれた。

うん。いい子だ。


ちなみに私が引きずっていこうとすると、断られました。

籠が壊れると、直すの大変だからって。


ちなみに、これらの籠って、木の皮で出来ているみたいで、

壊れたら編みなおししなくちゃいけない。


ほうほう。


洗濯をしに、ルディと一緒に甲板に行きました。

甲板に出たら、いい天気でした。

白い雲がのんきに浮いている、いつもの青い空です。



樽の中から、洗濯板と桶を取り出して、洗濯をはじめます。

私が洗濯している間に、ルディは残りの籠を取りに行きました。


漬け置きした服から順番に、襟首、手首、背中、前身ごろと

服の繊維の折方向に沿って洗濯板でもみ洗いします。


汚れの酷いところを重点的にこすったら、足で踏んで脱水。

次は、盥の海水を捨てて、すすぎの水の中にくぐらせて

再度、足ふみ脱水。


ルディが帰ってきたので、もっと強くしぼってもらおう。

やっぱり力仕事は男の子だよ。

まだまだ水しぼれます。


それらを山積みにしていく。

前回は洗濯にかかる時間は30分くらいだった

のに、今日は大分かかったよ。

やっぱり、服、多いからだね。


手と足が真っ赤になりました。

洗濯板って、こする時に服と一緒に手まで擦れそうなの。

でも、力入れないと汚れ落ちないし。


干すのはルディに任せて、洗濯ロープがピンと張られ

空にはたはたと洗濯物がはためくのは

今日は量が多いので壮観でした。



甲板に積んであった木箱の上に座って、

空を見上げました。

今日は鳥さんは飛んでないのね。

近くに島が無いのかしら。


先日の嵐の空が嘘のように平和です。



のんびりしていると甲板の右端に船員達が

何人か集まってます。

ナンでしょうか?


「何かあったんですか?」


とりあえず、聞いてみます。


「ああ、見ろよ。珍しい魚だ。それも、でかい。」


おお、水族館でしか見たことの無い可愛さ抜群の

イルカです。


でも、このイルカ、何か私の世界とは違うようです。


だって、背びれが2つあります。

その上、シャチのような模様があるようで、

飛び跳ねている時にくっきり模様がみえました。


って、シャチじゃないの? 


確か、シャチって肉食だったよね。

前に映画でシャチはイルカより凶暴だって言ってた。

警戒心が強く、めったに群れから離れないって。


でも、この船の航路にシャチさん、近づいているようなのですが。


シャチは船の併走するように泳ぎはじめた。

飛び上がるたびに、水しぶきが上がり、太陽の光が反射して

きらきら背中が輝いて見えた。


ワイルドライフ。


綺麗ですね。


ですが、最初は一匹。

しばらくして、2匹、3匹と併走シャチが増えていき、

あっという間に、群れのシャチ達に囲まれました。


何事でしょうか?







「ようよう、神様の守護者。」

 

シャチが喋りました。

いや、実際は多分、キューとかピーとか言ってるだけだと

思いますけどね。


「おうよう、神様の守護者。」

「おうおう、神様の守護者。」


ナンですか?

何人シャチも言わなくても、聞こえてますよ。


「助けてよ。神様の守護者。」

「苦しんでるの。助けてよ。」


誰が苦しいの。助けるって私医者じゃないけど。


「あそこにいるの。」

「あそこから出られないの。」


あそこってどこ?


「海のたまり。」

「流れの無い海。」


たまり?何それ。


「この船の先。」

「真っ白いの。」


えーと、この船の今から向かう先にそれがいるって

言うことだよね。

誰だかわからないけど、助けてって

シャチの仲間か何かかな。


「神様の守護者、見つけてよ。」

「探してあげて、神様の守護者。」


案内するのではなく、さらに探せと。

うん。無理でしょう。

だって、貴方達みたいに泳げないから、

船を下りるつもりないし。


「喜んだら出てこられるよ。」

「治ったら見つかるよ。」


もう、何がなんだか、わかりません。

私は名探偵には絶対なれません。


「もうすぐそこだよ。」

「よろしくね、神様の守護者。」

「頼んだよ、神様の守護者。」



なにを頼むんだ。

承知してないんですけど。

強制ではないでしょうか。


シャチ達は一斉に海に潜って方向転換しました。

右側にそれていきます。



勝手に頼んで、勝手にいなくなった!

神様の守護者って、いろいろ特典あるかもって

これって災害特典かも。



とりあえず、カースにこの船の航路について聞いてこよう。

何か不吉なことシャチ達、言ってたし。

もし、本当に誰かが苦しんでいるなら、早く手当てしてあげないと

大変だよね。

















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ