表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
箱をあけよう  作者: ひろりん
第5章:遺跡編
151/240

五人目です。

小さな入り口を潜るように入ると、意外に広々とした空間だった。

部屋自体の広さも20畳はあるだろう。

部屋の高さも2m以上あるに違いない。

フィオンさんがまっすぐ背を伸ばしても、まだまだ上の空間に余裕がある。


部屋の四方に備え付けられた大きな松明が、ジジジっと炭が焼ける音を時折立て、

カラリと組み木の崩れる音がした。

その松明の側に予備の薪が用意されていた。


フィオンは無造作に薪を数本拾い上げ、松明の中へ投げ入れる。

松明に落された薪が、煙を吸い込むようにしてその身に熱を受け入れ、

パキっと木の割れる音を鳴らし、次第にその松明の一本となっていた。

新しい薪は燃え上がる火力の勢いを更に上げ、周囲を煌々と照らし出した。


部屋に入ってすぐに目に付くのは、赤い朱塗りの4門の鳥居。

鳥居というものは、通常外から神を迎え入れる為の門だが、ここでは違うらしい。


中心部から見渡すと解かることだが、

鳥居の向こうの壁に描かれた壁画は、神獣。

朱雀、白虎、青龍、玄武。 

日本でも京の都に遠い昔に4方に守りとして置かれたことで知られている。


壁いっぱいを使って描かれたその作品は、

色あせてなお、活き活きとした躍動感を感じられた。


鳥居にはそれぞれ一本の締縄が張られてその影が鳥居の影と重なって、

地面に交差したような影を残した。


地面部分は全て真っ白い石畳で敷き詰められていて、

松明の光を反射させ、目に眩しい。


鳥居に囲まれた地面には直径3mほどの大きな魔方陣のような円陣。

円陣を形造るのは黒にもグレーにも見える、磨きこまれた大理石のようなつるつるの石。

円の外枠には、メイにとっては見慣れた文字、漢字が彫り込まれていた。

漢字は、多分、12支を意味する漢字だったと思う。


内枠の中は、同じ大理石の直径20cmほどの丸いお皿のようなものが、

それこそ何種類も敷き詰められていた。


お皿にはそれぞれ花の絵が描かれ、華やかなものから素朴なものまでだが、

誰が彫ったのかと問いたくなる程にため息が出るほどに素晴らしい細密画だった。


「コレが最後の扉だ」


フィオンの低い声がぼそりと告げた。

そして、その言葉を受けて、どのような反応をするか、

フィオンはメイをじっと観察していた。


だが、観察されているのを知ってか知らずかだが、メイは頭の上に猿を乗せ、

部屋の様相に些か圧倒されているようで、ぐるりと見渡しては、

ふわーっと声をあげている。


くるくると鳥居の周りを廻ったと思えば、お皿の絵をじっと見つめている。

その様子は、なんとなく観光客が珍しいものを見つけて鑑賞しているようにも見える。


これは、やはり期待はずれだったかっとちょっとした失望もあわせて、

眉を顰めてメイを見ていたフィオンに、メイから驚くべき返答が返って来た。


「うん、大丈夫みたいです。 なんとかなります」






*********






メイは、この部屋に入ってすぐに、余りの細工の細やかさに圧倒された。


壁画なんか、歴史的建造物って分類されるものだよね。

さっきの地震で壊れなくて良かったねと、些か頓珍漢感な感想を抱いていた。


ポケットから顔を覗かせていたお猿が、腕をつたって肩にのり、

そして私の頭の上に位置どった。


「神様の守護者、おいらの助けいるないヨシ」


ふんっと鼻息荒く胸を張っているだろうお猿の言動に、ちょっとだけ微笑ましく感じる。


「そうだね、困った時はよろしくね」


そういって、心の中でさてっと切り替える。


メイは、目の中の光蛇が動く先をじっと見つめる。

光蛇は、鳥居の足にまとわりつき、そして、尻尾を伸ばして...


あれ?尻尾が絵皿のある空間の上辺りでふよふよと漂っている。

首を捻って視線を最初の鳥居まで持って行く。


確かに光蛇さんは、巻きついてます。

そして、視線をその行き先まで伸ばして視界から鳥居が外れた時、

光蛇さんの行方は見えなくなりました。


まさかの視覚外です。


そういえば、今までの蛇さんは、ぱっと一目で見て、

視界に入る幅でしか活動していなかったことに思い当たった。


鳥居が大きすぎて視界からフレームアウトしてます。

鳥居を入れれば絵皿まで視界が届かない故の予想外です。

お城や東京タワーが大きすぎで人間が入らない。

典型的な写真の枠外というものです。


だがしかし、ここで諦めるわけにはいけません。

光蛇さんの端は確かに絵皿に向かってます。

ない頭を捻ってみようではありませんか。


まずは、鳥居の足を見ろということですね。

解かりました。


鳥居を見ると、朱塗りの足には、和歌が書かれていた。


「芦辺には 鶴がね鳴きて 湊風 寒く吹くらむ 津乎の崎はも」


毛書体で達筆文だが、多分間違いない。


口でぶつぶつと呟きながら切れた枠外光蛇さんの行き先。

絵皿の上をじっと一つ一つ見て行きます。


そして見つけました。 多分、お目当ての絵皿の絵は、葦の絵。

鶴も小さく描かれているが、主役級に描かれているのは葦。

そして歌の序文に書かれているのは芦辺。そう、葦だ。


なるほど、花の絵のあわせ歌のようなものなのだろうと推測する。

そして、表面を触ると、陰影に隠れてはいるが、

お皿の絵の中に、軽いへこみがあるのを確認した。

一本の指が入るくらいのへこみだ。


他の絵を比べてみるが、なるほど、

どの絵も、陰影を旨く利用しているが、明らかにへこみがある。


なるほど、コレを押さえるのね。


鳥居の足は全部で8本。

つまり、8種類の絵柄を押さえるということだろう。


あっちこっちと移動してのカルタ取りのようだと、

ちょっとだけ苦笑した。


押さえるとどうなるのかは、さっぱりわからないが、

なんとなく作業はわかったような気がする。

花と名前をあわせるのです。


眉を顰めて、こちらを見ていたフィオンさんに、にっこりと笑う。


「うん、大丈夫みたいです。 なんとかなります」


そう言いながら、自分で自分を奮い立たせる。


レヴィ船長やカースやフィオンさんに頼りきりはやっぱりよくないよね。

幸いにして、花はどこにでも生えている野草の類から始まって、

あまり豪華しい物はなさそうだ。

小さい頃に田舎でお祖母ちゃんに教えてもらったなじみのある花達も多々見かけた。


もしバラの種類とか横文字的なものを聞かれてもさっぱり解からなかっただろう。

ちょっとだけ、この絵皿を描いた作者に親近感を抱いた。


やっぱり、適材適所。

虫や反射神経が必要な罠は、逃げるしか手がないが、

コレならば何とかなりそうだ。


神様の守護者能力の一環の光蛇は、枠外は無戦力でちょっとだけ中途半端ですが、

便利なものはやはりお役立ちなのです。


「フィオンさん、鳥居の外に出ていてください」


絵皿のへこみを押すと、どうなるのかがわからない以上、

フィオン一人でも安全地帯に居たほうが、危機対策としては安心だ。


私は、万が一だが、天井が降ってきても穴に落ちても、まあ死ぬことはない。

多分にもれず、怪我打ち身等は避けられないし、痛みもあるだろう。

でも、神様の守護者のお得なのか損なのか解からない死なない特約がある。


もとの世界ならば、保険会社に死亡保障を掛けなくて済むだけの特約だが、

こちらの世界では、死の恐怖を覚えることもない、ちょっとした特約だった。


カースにあれだけ私は死なないよと大見得を切れるのも、この特約のせいでもある。

いや、この特約は宝珠を引きつける私が、降りしきる災難を乗り切るためのものだ。


今回の件も、もしかしたら宝珠の災難が及ぼしているのかもしれないので、

なるべくであるが、他人を巻き込んだ挙句に、誰も死亡して欲しくないとも思っていた。


コレをいいだすと、卵がさきかニワトリが先かという議論になりそうなので、

ちょっと頭を切り替える。


とりあえず、今、目の前に出来ることがあるならば、それをする。

それを念頭に置いておくことを決して忘れない。


「お願いします、フィオンさん」


再度念押しのように、フィオンに鳥居の外で待っていてくれるようにお願いする。


「わかった」


メイに言われて、ちょっとだけ迷った後、フィオンは足を鳥居の外に向けた。




その様子をみて、私は、肩を左右に揺らして首を回して深呼吸をした。

よし、と力を入れて拳をぎゅっと握る。


まずは、最初の葦の絵を触り、そのへこみをぐっと指で押した。


そうすると、葦の絵皿からカチっと音がして、とたんに絵皿自体がぐるんと一回転する。


おお、回った。


そして、光蛇がふわりと浮き上がり、今度は朱雀の鳥居の足に巻きついた。


私は、体を起こし鳥居まで駆け寄った。


先ほどの鳥居とは別の鳥居の足の歌を見つける。


「道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今更々に 何をか思はむ」


うーん、ここでは多分、思い草だろうね。

確か、頭を垂れたらっぱな唇みたいな形をしていたと思う。


光蛇がふわっと揺れて、視覚外で見えなくなる。

絵皿を目を皿のようにしてじっと捜す。


あった。やはり記憶通りの形だ。


思い草って赤い色が綺麗で、昔、露草とかと一緒にすりつぶして、

学校の授業で絵を描いた記憶がある。

実に懐かしい。


先ほどと同じように、思い草の皿のへこみを押さえた。

そうすると、やはり同じようにくるんと回る。


それからは、杜若、葛、紅、菫、月草、橘と花を慣用した句は続いた。


懐かしい日本の草花に、思わず顔に笑みが漏れる。


よく見ると絵皿には他に椿や撫子、躑躅、蓮などの華やかの花も沢山あったのだが、

それらは今回は関係ないらしい。


実に残念だ。 日本にいたときには見向きもしなかったよくある草花。

それらを美しいと読んだ人の句を、いつか読んでみたいなとふと思った。



8種類の絵皿が全部回ると、ガコンという大きな音が響いて、

円陣の外枠が動いた。

12支の文字が円陣の中でゴトンゴトンと滑車が動く音に似た音を立てる。


そして、光蛇は北の玄武の鳥居まで進むとふわりと動く。



鳥居の側まで駆け寄ると、鳥居の足台の石突きの部分に穴が開いていた。

その中に小さな取っ手が見える。


コレを引っ張るのかしら。


そう思って光蛇を見るが、鳥居に絡みついたままで、何をどうしろというわけではない。

諦めて、とりあえず引っ張ることにした。


うーんと力を入れて引っ張るけれど、びくとも動かない。


取っての奥を見ると、何やら螺旋状の溝が見えた。


もしかして、これはまわすのですね。

押しても駄目ならまわしてみろということですね。


光蛇を見ると、時計回りに鳥居に巻きついていた。

多分、廻すんだよと教えてくれているのだろう。

私が、気づかなかっただけですね。


光蛇の指示に、なかなか気づかないのは私の不徳ではありますが、

でも、なんとかわかったのでよしとしましょう。


時計回りに廻すと、何の力も入れずに、くるくると風車のように軽く回る。

回った取っ手は、長さ30cmくらいまで出たところで、ピタっと止まる。


この後はどうしたらと思っていたら、

光蛇は他の鳥居にも同じように巻きついている。

順番に足元の石突きが開くらしい。


玄武の鳥居、朱雀、白虎、青龍の順に取っ手を廻していく。

そうしたら、部屋の中央の花の絵皿の床が、ぎぎぎっと音を立てて開き始めた。

円が中央で丁度4つに割れるような形で、床が円陣の内側から外側に向かってスライドし始めた。



「はあ、なんとか開いたようです」


ああ、よかった。

光蛇さんの誘導のお陰でなんとかなったようです。

ワグナーさんみたいにとか、漢文古文のテスト問題みたいのだったら、

確実に撃沈していたはずです。


でも、フィオンさんの言っていた通りでした。

この扉を開けるには、どちらかというと知識以外が必要だろう。


唯の学者ならば、これは確実に答えが出ないだろう。

だって、あれらの草花は、私はこの世界では見たことがない。

もし、万が一あったとしても呼び名も形も形態を変えている可能性は高い。


あてずっぽうに適当に押したら、多分扉はまるっきり開かないだろう。

今までの罠も3度までしか挑戦できないんですから、

ここも同じとすると、当て推量で押していくには時間が足りなさ過ぎる。


花の名前の絵合わせなんて、花を知っていなければでなければまず解からない。

本当に、この遺跡を造った人たちって、私の世界にいた人たちだったんだなって変に実感し、望郷の念にこめられた細密画に感動すら覚えた。


でもやりましたよ。

無事に開きました。



胸に手をあて、心の底から安堵しました。

多分、なんとなくですが光蛇さんをくれたのは春海だと思います。

未来をどこまでわかっているのかと疑いたくなるのですが、

今回は、盛大に春海に感謝したい気分満杯です。



私の言葉に重なるようにして、ぎぎぎという耳に痛い音が部屋に響き、

円陣の内にあった花の絵皿が綺麗に姿を消した。


フィオンさんが、近づいてきてお疲れ様とばかりに肩を叩く。

見上げたときのの笑顔は、満面の笑みです。


いつもの貼り付けたような笑顔ではない、自然な笑み。

なんとなくこの笑顔は苦手ではないとちょっとだけ思いました。






開いた扉の向こうには、びっくりするほどの蔦、蔦、蔦。

蔦が縄のような絡み合って、団子状になっている。


その蔦は、どれも茶色をしており、一部が剥がれ落ちてかさかさと音を立てていた。

見た限りでは半分以上枯れている。

でも、執拗に絡み合った蔦の塊に、毛糸玉の絡まった様子を思い浮かべる。

つまり、コレをとくのは根気が要りそうだというため息が出そうな様相なのです。


蔦に覆われた何かが何なのかはわからないが、

どうやら、小さな地下収納のような1畳ほどの部屋だ。

深さは2mから3mの間だろう。

蔦が、部屋中に絡み付いている為に奥行きがよくわからない。


蔦の向こうを覗き込むように床に手をつくと、フィオンさんに肩を抑えられた。


「そんな風に覗き込むと落ちるぞ」


頷いて立ち上がろうとしたら、甲高い声が後ろからした。


「ご苦労様、メイ。 本当に開けられたのねえ。 見事だわ」


振り返ると、美女なアニエスさんが、にこやかな顔で後ろに立っていた。

アニエスさんのほかに、背中の曲がった男の人。

それに、屈強な体つきの男の人が数人一緒に現れた。


いつの間にここに来ていたのでしょうか。

忍者の末裔とかでしょうかと質問したくなるほどに気配がありませんでした。


肩を掴むフィオンさんの手が一瞬、強張るのを感じた。


「ええと、アニエスさん、有難うございます?」


疑問を含め、とりあえず褒められたのだろうからお礼を言う。


「メイは、約定を果たした。 

 アニエス、君も君の名前にかけて約定を守るべきではないかい」


私の後ろで、フィオンさんが、先程までの顔とは違う、

いつもの張り付いたような笑顔でアニエスさんに述べた。


約定?


「あら、もちろんよ。

 でも、もう直に儀式の時間なのよ。儀式が終わってからでもよろしいでしょう。

 メイとのお話も、時間をとってゆっくりと話をしましょう。

 それまで、儀式の邪魔をしないように、そこで見ていてくださいな」


あ、そういえば、扉を開けたらレヴィ船長やカースにあわせてくれるはずだった。

そして、アニエスさんをお話をする予定でした。


「レヴィ船長達は、体調は大丈夫なのでしょうか。

 心配なので顔だけでも見せていただけると嬉しいのですが」


お話は時間がかかるのはわかるので、先にレヴィ船長達に会いたい。

そう思って尋ねると、アニエスはにっこりとした笑いを止めて、眉をやや顰める。



「解からない人ね。もう時間がないと言っているのよ。

 貴方との約束は後回しに決まっているでしょう。

 儀式の時間は、すぐそこなのよ」


アニエスは、苛つきを隠さずに金の髪をばさっと大きくかきあげる。


そうですか、やっぱり後なんですね。

はあ、仕方ないですね。


肩を落としてうなだれている私を、フィオンさんが自分の体の後ろにまわした。


なにごと?


そう思って覘いてみると屈強な男達が縄を持って近づいてくる。


「儀式の観覧希望だといったはずだが、観覧希望者に縄するのかい」


え?なんで?


「あら、邪魔しない為の用心ですわ。

 貴方は、儀式遂行反対派だったのですもの。

 用心に用心を重ねるのは当然でしょう」


ふふふっと笑ったアニエスさんの指示なのか、男達がぴんと縄を張る。

フィオンさんは、ふうっと軽くため息をついた後、

腰の縄を取り出した。


「彼女は俺が縄でくくろう。

 手首だけで良いだろう。痛みを与えない縛り方をしたいんでね」


フィオンさんは、私の手首を正面でぐるぐる巻きに巻いた。

手首の間に縄目が丁度来るように巻かれる。

試しに軽く動かしたが、確かに痛みは少ない。


以前に誘拐された時に簀巻きや縄で縛られた時の痛みに比べれば、

格段の差だと言えよう。


そして、フィオンさん自身は、男達によって後ろ手で、

体全体をぐるぐるに巻きつけるように縄で縛られた。


アレは痛い気がする。


「ふふふ、それではそこで大人しくしてくださいね。

 さあ、儀式を始めましょう。

 神の眠りし扉は今開いた。 彼をこちらに」


アニエスが手に持った錫上をコーンと鳥居の角にぶつけるようにして音を立てる。

鈴がしゃらららっと鳴り響き、にじり口の向こうから、

一人の知らない男の人が縛られたまま連れてこられた。


煤けた金の髪に色違いの瞳の細身の男の人。

頬はこけているが、褐色の肌が結構素敵な人です。


あれ?


褐色の肌に煤けた金の髪。

青と金の瞳のオッドアイ。

そして、どこと無しに顔立ちが見たことがあるようなないような。



うーん、初めて会うのは確かですが、この人の特徴ってどっかで聞いた気がする。


首を傾げて唸りかけていたら、

胸にぶら下げている球がかあっと熱くなって居ることに気がついた。


こ、この久しぶりの反応は。


「ディコン! アニエス、お前、やはりディコンを」


フィオンさんが低く唸るようにしてアニエスさんを睨みつける。

その発した台詞で、ええっと思わずびっくりしてじろじろとその男の人をみた。


この人がディコンさん。


レヴィ船長の友人で、ウィケナさんのお兄さん。

そういえば、両の目の色が違うって聞いた。

青に金ですか。実際に見てみると綺麗ですね。


では無くて、何で?どうして?

頭の中が混乱して訳がわからなくなる。


しかし、彼を前にして、球の熱が一層熱くなる。

まるでやけどしそうだ。


この状態で唯一言えること。

なんと、ディコンさんが5人目ですか。







 



 


やっとここから話が動きます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ