遺跡に着きました。
「神様の守護者。貴方は私達の希望です。」
ええ、はい。
さっきから、何度も聞きましたよ。
でも、具体的に何をしてくださいって言わないと、
私にはさっぱり解からないんですよ。
「神様の守護者、神様の守護者。」
これは、本格的に私の意見はまるっと無視ということですね。
はあ、なんだか、とっても疲れてきましたよ。
自分の夢なのに、癒しはどこにあるのだろうか。
睡眠は最大の癒しと言ったのは、どこの誰だったか。
突然、首元と背中に風がひゅうっと通り抜けた。
夢とはいえ、世間には無情の風が吹き荒れていると言う事でしょうか。
世知辛い世の中は寒いを体感せよですね。
でも、なんだか本当に急に寒くなった気がするんですが、
私の夢なのに、サービス悪いですね。
多分、夢にも燃料切れがあるのでしょう。
何しろ私の夢ですからね。
燃費が悪いのかもしれません。
「へんへへん。 神様の守護者やい。」
おう、いきなり言葉がいささか乱暴になりましたね。
まあ、私自身が全然偉くないので、それでもいいんですけどね。
「よよい。 神様の守護者、起きとよい。」
いきなり、頭皮が引っ張られるような感覚がしました。
痛いじゃないですか。
髪を引っ張らないでください。
そんなに引っ張って抜けて、結果ハゲになったら、
将来レナードさんのお弟子になるしか私に道はなくなるんですよ。
乙女の明るい未来は少しくらい残してください。
「神様の守護者、まだ寝る足るよいよい。」
今度は、ぺしぺしと額が何かに叩かれています。
頼みごとをしようっていう態度ですか、それは。
どこのどいつですか、顔を見せてみなさい。
私は、額を叩いている何かをはしっと掴んで、瞼をぱちっとあけました。
そこには、私の頬にお尻を乗せて、
片手を私の手に掴まれたままのお猿の顔のドアップがありました。
「寝ぼすけ守護者よいやさい。」
あら、お猿。
「お早う、お猿。 もう、夜明け?」
お猿を見上げた視線を動かして空を見上げると、夜空の色が薄くなって来てます。
もうそろそろ夜明けの空ですね。
霧が辺り一面に舞って、地面がしっとりと冷えてます。
夜露と言うのでしょうか、毛布がしっとりと濡れて、
なんだかじとっと重たいです。
冷たい空気が蔓延しているようなのに、
何故か私、汗をかいているようです。
冷や汗というものかもしれません。
なんだか、夢を見ていたような気がしますが、
それがナンだったのか、さっぱり覚えていないですよ。
記憶に無いということは、私の脳の箪笥にいち早く収納されたと言う事でしょう。
素早いですね、私、収納時だけですが。
何気無しにお猿の頭と背中をそっと指で撫でると、お猿の固めの毛が、
濡れた後のようにぺたりとしてます。
「ふふふん。 神様の守護者、晴れる後よし。」
意味の解からないお猿の言葉は取り合えず放っておいて、
まず、私の顔から降ろしました。
些か強めな風が霧を動かして、私の白い息を一緒に混ぜ込んで、
空気が目に見える波のように動いていました。
パチパチと音を立てている焚き火の周りだけが、
霧がぽかっと無い状態です。
むくっと体を起こすと、ひゅるるっと風が吹いて、
冷たい霧を含んだ空気が、背中の熱を一気に奪い取ってしまいました。
「ひぃやぁぁ、寒ーい。」
お猿もそう思ったのか、急いで私の肩の上に乗り、私の髪の中に隠れます。
あら、お猿は私の髪の毛をマフラー代わりにしてますね。
まあ、これも天然素材ですから、暖かいといえば暖かいのでしょう。
焚き火の側にはトアルさんとレイモンさんが居ました。
レイモンさんは、まだ眠そうにこっくりこっくりと船をこいでます。
トアルさんは苦笑しながらも、レイモンさんを起こしません。
優しいですね。
カミーユさんとエリオットさんは、切り株の側で毛布を被って寝てました。
ゼノさんは木の側に居ましたが、レヴィ船長とカースはどこにもいません。
これは二人して、自然に呼ばれたのでしょうか。
ああ、フィオンさんも居ませんよ。
皆で仲良くお花摘みですか。
男の人たちも一緒に行くことがあるんですね。
女性だけの習性かと思っていました。
それでは、私は勿論一人で行きたいと思います。
まあ、お猿連れではありますが。
トアルさんに、声を掛けてからちょっとだけその場を離れます。
「もう他の動物を拾ってこないようにね。」
後ろ手に声を掛けられて、もちろん頷きました。
というか、あるわけないでしょう。
そもそも、森って野生の宝庫っていうか、野生動物王国だと思ってました。
しかし、この森で他の動物って、見ないし居ないようです。
この国やこの森の常識が違うのかもしれない。
今のところ、鳥以外の野生動物はお猿しか見ていない。
大体、お猿の事だって、私が拾ったわけではないと思うんですよ。
自分的に、押しかけ女房的なんちゃらになりましたが、
本来ならば、そう安々と動物は拾ったり飼ったりしないんですよ、私だって。
元々捨て猫とか捨て犬を拾ってくるのは、私ではなくいつもアイツで。
一緒に飼い主を探したり、貰ってくれる人を見つけるために、
よく駅前にビラを貼ったりしたものだ。
遠い昔のことを思い出して、ずきりと胸が痛む。
痛みを押さえつけるように胸に手をあてて、
思い出を振り切るようにして頭を強く振り、頭を切り替える。
今は、違うことを考えよう。
過去は考えても変わらないからね。
うん。 私のことは後回しだ。
えーっと、そう、今日は遺跡に入るんだよね。
遺跡かあ、遺跡っていったら、ローマとか、エジプトとかが有名だよね。
歴史の教科書で写真を見た。
コロッセオとか、ピラミッド。
子供の時、大きな遺跡の建造物が全て人間の手で作られたって聞いて、
なかなかやるな古代人って、かなり古代の人を見直した。
文明の違いっていうのもあるけど、
例えばその場所に自分がいたとしても、彼らのような仕事は出来ないに違いない。
そう思ったから、教科書の偉人の顔に落書きをするのを止めた。
正に職人技。素晴らしい芸術作品だ。
惚れ惚れとしながら、遺跡の絵を眺めていたものだ。
ここの遺跡も同じようなのだろうか。
ピラミッドとまではいかなくても、国議会がパルテノン神殿に似ているのだから、
それなりに期待してもいいのではないでしょうか。
うん、楽しみになってきました。
お花摘みを無事済ませて手を拭くために、ポケットに手を入れました。
ポケットの中には、金魚柄の手ぬぐいとオレンジ色の石。
この石って綺麗だよねえ。
この旅が終わって、お猿が良いって言ったらポルクお爺ちゃんへの
お土産にしようかなあ。
キラキラだし、お面ではないけどお宝っぽい気がする。
取り出してじっと石をみていたら、頭にすっと何かがよぎったような気がしますが、
ナンだったのか解かりません。
首を軽く捻って考えてみましたがさっぱりなので考えるのを止めました。
これは、頭の引き出しが開くのを待とうということですよ。
鳴くまで待とうって有名な武将が言ってました。
けっして、諦めたとか面倒とか思っていませんよ。
「ムムム、おいら腹がなるよい。」
私の頭の上から、髪の毛をしっかり掴んだお猿が
空腹を訴えました。
そうですね、朝食のしたくをしましょうか。
私は、オレンジ色の石を再度ポケットにしまって、皆の居る場所に戻りました。
*********
私がお花摘みから帰ってきたら、レヴィ船長もカースもフィオンさんも、
とっくに帰ってきてました。
「お早うございます、レヴィ船長、カース。」
レヴィ船長とカースから、いつものお早うの笑顔と返事が返ってきます。
カースの顔色チェックも終わり、レヴィ船長に頬を撫でられ、
私の朝の元気チャージは満タンです。
さあ、今日もいい天気になると良いですね。
「お早う、メイ。 俺にもその笑顔を向けて欲しいな。」
手を伸ばして、気持ちよく朝のストレッチをしていたら、
またもや気配も無いのに後ろにフィオンさんが湧いてきました。
「ひゃっ、フィ、フィオンさん。
えーと、はい、お早うございます。
ところで、背後に忍び寄るのは止めてください。
私のか弱い心臓が止まったらどうするんですか。」
蚊は音も鳴く忍び寄るものだとしても、
フィオンさんは吸血行為が好きな変態さんだとしても、
人間には違いないのですから、
忍び寄らないという選択肢を取ることも出来るはずです。
「うん? そうだね、もし君の心臓が止まったら、
俺の好きにし放題だね。 あんなことやこんなことまで。」
なんですかそれは。
普通に医者とかを呼んでください。
はあっと息を吐いて、反論するのを止めました。
蚊属性変態には何を言っても駄目なのですね。
ふっと視線を感じて振り返ると、レヴィ船長がじっと私を見つめていました。
緑の目が細められてやや厳しい視線です。
こ、これは、怒っていらっしゃる?
いや、怒る前兆です。
そういえば、昨日はフィオンさんにからかわれて、
結果、レヴィ船長に怒られました。
そうだよ、私。 昨日、決めたじゃないですか。
今日は相手にしないということにしたいと思います。
大人になろうと思います。
キーワードは大人ですよ。
なにも無かったような顔を作り、フィオンさんからそっぽを向きました。
「へええ。 その反応は、それは俺の好きにして良いって了承かな。」
「なっ、フィオンさんの変態、蚊人間。」
フィオンさんは、にんまり笑いました。
レヴィ船長はますます顔を嶮しくしてます。
くう、キンチョールが心から欲しいです。
負けてます、頑張れ私。
フィオンさんの側から離れるべく、焚き火の側に戻りました。
「体が温まる紅茶を入れますね。」
お鍋にお湯を沸かして、生姜の根の砂糖漬と紅茶と入れて沸騰させます。
これは、お城で寝ていたときに、時折トムさんが作ってくれた生姜紅茶です。
生姜湯みたいですが、砂糖漬を使うのであまりぴりぴり感が無く、
体がぽっと温かくなるお茶として一般的なものだそうです。
紅茶を全員に配って、朝食に昨日作った焼きジャガイモを皆に渡しました。
ちなみに皆さんに渡したジャガイモの大きさは、大人の片手で納まるくらいの大きさ。
私の手では大きすぎるくらいの大振りなものです。
ヤツデのような大きな葉で包み焼きにしたジャガイモは、香ばしい匂いでいい感じです。
ジャガイモと葉の間には燻製のジャーキーを一緒に刻んで入れてましたので、
ジャガイモには、お肉の匂いと葉っぱの匂いが染み付いてます。
ジャーキーはジャガイモの水分を吸って元に戻り、
その後蒸し焼きによって油分が抜けてカリカリベーコンのようになってます。
反対にジャガイモは油分を含んだしっとりお芋に変身してます。
あとは、薄くスライスしたライ麦のパンです。
噛めば噛むほどに味が出てくる硬さ絶妙な不思議パンです。
全員が思い思いに紅茶とお芋に噛り付いていると、頭の上から
お猿のがっかりした声が聞こえました。
「むう。神様の守護者、ソーセージうまなるやい。」
そう言いながら、私の頭の上でお芋食べていますよね。
「お猿、頭の上にお芋落とすともったいないから、
膝の上に降りようよ。 ほら、お肉あげるから。」
膝の上で私のベーコンを振り振りしたら、ぴょんとお猿が膝の上に降りてきました。
身軽で何よりです。
ちなみにお猿と私とでお肉もジャガイモも半分こです。
昨日はあんなに食べたお猿もジャガイモは好きではないのか、
大人しく半分だけを食べています。
「ふぐふぐ、おいらこれいる。神様の守護者はよいやい。」
ベーコンもどきは全てお猿のお腹に収まったようです。
私は、お芋も好きですから、いいんです。
お腹が良い感じに落ち着きますし。
「食べ終わったら、出発だ。」
ゼノさんの号令で、全員の顔が引き締まりました。
私は毛布をたたんで片付け、鍋やそのほかの道具を袋にしまいました。
トアルさんは焚き火を片付け、レイモンさんは竈を壊して埋めました。
レヴィ船長とカース、エリオットさん、カミーユさんは荷物を馬に括りつけ、
フィオンさんとゼノさんは地図を片手に、うんうんと話をしてます。
本当にあっという間に片付きました。
後には何も残っていません。
朝日が無事に昇ってきて、霧が少しずつ晴れていきます。
「全員馬に乗れ。 行くぞ、出発だ。」
昨日と同じように、馬に乗ります。
レヴィ船長は、私を先に馬の背に乗せ、その後ろに自分がすっと乗りました。
お猿は、私の頭から降りて、今は馬の頭の上にちょこんと座ってます。
「へへい。おいらに任せろよい。」
随分気持ちよさそうに、馬の頭の毛づくろいをしてますよ。
馬も、なんとなく機嫌よさそうです。
私は今日は横向きです。
これで股関節脱臼の恐怖とはおさらばです。ちょっとほっとしました。
それにしても皆も、本当に簡単に馬に乗ります。
なんだか運動神経というものが皆さん発達していらっしゃるのだなあって
つくづく感じますね。
馬の背中って高いうえに不安定なんですよ。
動きますしね。
鞍や鐙があっても、自分ひとりだと絶対に乗れません。
ですので、本日もレヴィ船長の胸にしっかりと背中を預けて、
ぱかぱかと馬の背で揺られております。
昨日と同じですからね、動揺などしませんよ。
横向きは昨日よりも距離が近いのですが、
動揺しませんよ、ええ、大人ですからね。
レヴィ船長の胸に安心して寄り掛かっている私のつむじと額に、
軽く唇がふれました。
びっくりして見上げるとくいっと顎を持ち上げられ、
ちゅっと軽く唇に音がなりました。
あう。
こ、これはキスです。
一列数珠繋ぎで馬走行とはいえ、皆さん見ているのですよ。
嬉しいけど、過剰スキンシップですよ。
口を押さえて真っ赤な顔で見上げる私の目を見つめて、
レヴィ船長がぼそっと呟きました。
「メイが足らない。」
私の顔が耳まで赤くなっていきます。
そんな言葉は、初めて聞きましたよ。
もしかしたら、朝のフィオンさんへの対応が失敗したせいでしょうか。
あれで、レヴィ船長のご機嫌が悪くなったのかもしれません。
ちょっとだけ躊躇しましたが、レヴィ船長を抱きしめるように手を伸ばし、
その胸に頭を傾けて頬を摺り寄せました。
「……私も、足らないです。」
レヴィ船長の緑の目が、綺麗に輝きを増します。
吸い込まれるような瞳の引力に私も下から見上げました。
ああ、とっても幸せです。
大きな手も、暖かな微笑みも、きつく抱きしめてくれる腕も、
レヴィ船長の気持ちがじんと伝わってきて本当に幸せな気分です。
時折レヴィ船長の手が、ぎゅっと私を抱きしめてくれるので、
そんな時は顔が赤くなるのですが、ほっぺたを叩いて誤魔化します。
お腹の肉は気になるのですが、そこは根性で引き締めてます。
それにお猿とご飯をシェアするようになってから、なんとなく
少しですが、心持ちやせた様な気がするんですよ。
やっぱり、摂取カロリーが全体的に減ったせいでしょう。
私がそんなことをとりとめも無く考えていたら、
レヴィ船長は楽しげに私の髪をちょっとだけ引っ張って、ちょっかいをかけてきます。
もうっと頬を膨らして困った振りをしたら、
子供のいたずらが成功したみたいに、得意そうに笑ってます。
その顔をみていると本当に幸せな気分になって、私もつい笑ってました。
元の世界に帰る問題は、後で考えよう。
今は、少しでもこの幸せをかみ締めたいのです。
先延ばしだとは思いますが、すんなりと簡単に決められないし、
決めてはいけないと思うのです。
人生の岐路。
それが重大な決断だと思うから。
迷って迷って最後まで真剣に考えたいと思うのです。
そうしないと、どちらを選ぶにせよ後悔する。
でも、今は、レヴィ船長の与えてくれる暖かな感情に身を任せていたい。
私を抱えるレヴィ船長の腕に、そっと鼻先を擦り付けてちゅっと軽いキスをしました。
私のいたずらのようなキスに、レヴィ船長は嬉しそうに微笑んで、
私の額にキスのお返しをしてくれました。
幸せな時間は過ぎるのが早いというのは本当ですね。
あっという間に、太陽が中天に昇りました。
霧は全くなくなり、今はくっきり全員の顔も見えますし、
周りの景色も流れるように素早く目の前から遠ざかります。
馬での移動は本当に早いです。
馬車よりも早いと思います。
気がつけば、山2つ越えてました。
今は、谷のすぐ近くの小高い丘の上です。
周りに大きな岩が転がっていて、下からは見えない絶景ポイントだそうです。
「ここで、小休止だ。
馬に水をやって、軽く昼食を取る。
各自の判断で体を休めろ。」
ゼノさんの指示で、全員が馬に水をやったり、体を伸ばしたりしてます。
レヴィ船長とカース、フィオンさん、エリオットさんとゼノさんは、
地図を見ながらなにやら相談をしてます。
私は、麻袋から昼食の材料を取り出して作りはじめます。
手の空いたトアルさんが、お手伝いしてくれたので、
大変素早くできましたよ。
ナンもどきのパンに、多分鳥の燻製肉の厚切りとチーズを薄くスライスして挟みます。
皆が飲む水には、消毒の意味もかねてミントもどきの葉の粉を浮かべました。
簡単サンドイッチの出来上がりです。
皆に素早くいきわたり、全員がサンドイッチにかぶりつきました。
お腹がすいていたのですね。
何しろ朝ごはんはお芋とベーコンもどき、ライ麦パンだけでしたからね。
「あと、どのくらいで遺跡につくのですか?」
お猿にお肉をとられたため、チーズのみのサンドイッチを食べていた私は、
気になっていたことをゼノさんに尋ねました。
「食事が終わったら、その丘の先に行って見るといい。
遺跡の全体像が見える。 ここは、遺跡のほぼ真上だ。」
その言葉で、慌てて口の中のサンドイッチを咀嚼スピードを速めました。
もちろん、水でしっかりと流し込みです。
もう遺跡の上ですか。
いつの間に。
でも、なんとなくわくわくしますね。
遺跡ってどんなものでしょうか。
ギリシャ風?エジプト風?
トルコとかローマ見たいな感じかな。
未知の造形物に夢が膨らみます。
食べ終わってお猿を頭に乗っけたまま、丘の上に出ました。
そこは山の中腹の小高い丘のようになっていて、周りに巨石が鎮座している為、
私が丘の上で背伸びをしていても、下からは決して見えない場所でした。
巨石の大きさはまちまちですが、最低でも大の大人3人分くらいある。
私だと6人分くらいでしょうか。
黒やグレーの混じった岩の乱立にペルーの島の遺跡を思い出しますね。
その巨石群にもびっくりしますが、丘の上に立ち、
遺跡の全体像を見ようと下を眺めると、更にびっくりしました。
正に、驚愕です。
それを見たとたんに、開いた口が開いたままになったのは勿論ですよ。
驚きポイントその1。
大きいですね。
勿論、大きさは東京ドーム5つ分くらいあると思う。
高さは3階建てくらいだろうか。
この中を歩き回るとかなり足が疲れそうだ。
驚きポイントその2。
目に眩しいです。雪山の景色のように反射してます。
全体的にキラキラと白く輝いているのは、よく見ると石です。
壁面に、磨かれてつるんとした石を敷き詰めているせいでしょう。
サングラスがないのが不便ですね。
そして、最大の驚きポイントその3。
その全体像の形です。
今私がいる場所から見て先頭部分は円形で丸に近い円錐型。
天辺は尖っておらず、どちらかというと平坦で平面のようにならしてある。
横からみたら、台形にも見える。
そして、それに引っ付くようにして、
先がやや細めの長方形の遺跡が、ずおおんっと続いてます。
巨大な岩の遺跡。
そうですね、言われてみればその通り。
ロマンといえば、ロマンですよね。
でもでも、これは私の期待していたロマンとはかけ離れていたようです。
そう、例えて言うならば、
てるてるぼうず。
そう、あの形なのです。
私が驚いたのも仕方ないと思いませんか。
遺跡が何に似ているか解かりましたでしょうか。




