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箱をあけよう  作者: ひろりん
第5章:遺跡編
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どこかでお会いしましたか。

本日の朝食は、簡単卵スープと茹でたソーセージに、

野菜とゆで卵のサラダ、パンとチーズです。

これで、持ってきた新鮮野菜と卵は無くなりました。

あとは、乾物と粉物と芋だけですね。


卵スープの出汁は勿論鰹節です。

勿論、皆さんの口にあうように豆油を隠し味に入れてます。

これ意外に、ごま油よりも癖がなくて、軽くて美味しいんですよ。

味的にはオリープオイルのような感じですね。


あとは、お昼のパンの用意ですね。

持ってきた固焼きパンの在庫がかなり少なくなっているので、

ナンのようなパンをつくります。


小麦粉と塩と水と油を練ってまとめて、果汁天然酵母を混ぜます。

この酵母は、俗にいうワインやお酒の元です。


レナードさんは、リンゴの芯みたいな果実で酵母を作ってましたが、

あれは、意外に時間がかかるものなので、以前に見た蔵出し酵母酒ってのを思い出した。

酵母はビンの中で生き続けるって聞いたことがあって試してみた。

つまり、天然酵母をビンに液体のまま栓をして持ってきたのです。

種を纏めたら、30分ほど置くと、ぷうっとナンの生地が脹れてます。

それを平鍋のそこに貼り付けるようにして焼いていきます。


いいにおいがしてきたら、カースやレイモンさんも起きてきました。

カースの目の下にくっきりと隈が出来てました。

火の番は、思っていたより大変のようです。

それなのに、カースはいつものように私の顔色チェックを始めました。


「カース、私よりカースの方が疲れているようですよ。」


本当に、大丈夫なのでしょうか。


「慣れない行程なので、眠りが浅かったのでしょう。

 これくらいは、私には問題ありません。」


優しげに目を細めて微笑むカースの顔が、随分儚げです。

カースは美人なので、そんな顔も似合いますが、

いつものカースの方が、数倍安心できるのです。


「出発したら、馬車の中でちょっと寝たらいいです。

 馬車からカースが落ちないように、私が見てますから。」


昨日は転げ落ちそうになっていたところをカースに助けられましたから、

ここは私が今度は助ける番でしょう。 うん。


「貴方と違って、寝ぼけて馬車から落ちませんよ。

 もう到着まで時間がありませんからね。

 それまでに、計画をつめておきたいのです。」


働きすぎではないでしょうか。

過労死したら、嫌です。


「カース、寝ないといい考えが浮かばないよ。

 ちょっとだけ、休憩したらいいよ。」


カースは意外に神経質なくせに、大雑把だし仕事中毒だから、

妹としては体が心配です。


「枕が替わって、寝辛いだけですよ。

 寝すぎると、脳が溶けてしまうかもしれませんからね。

 これくらいが、今は丁度いいのですよ。」


話は終わりとばかりに、頭を優しく撫でられました。

これは、私の忠告を聞くつもりが無いですね。


思わずぷうっと頬を膨らませてしまいました。


これは、強制的に寝かしたほうがいいのかもしれません。


とりあえず、皆で朝食を取りたいと思います。




「しかし、なんだな。

 このスープといい、昨日の料理といい、

 メイちゃんは、本当に変わった料理を作るな。

 それがまた美味しいからいいけどな。」


変わった料理?

レナードさんやトムさんの料理がお手本だから、変わった料理って無いはずですが。



「このスープの出汁って、干し魚だよね。

 普通、出汁っていったら、肉や骨からとるものだけど、

 魚も結構いけるね。」


あれ?

鰹節って、出汁使用じゃないの?


「そうですね。メイが使っている魚の乾物は、細かく潰して家畜のえさか、

 燻製用のチップに使われます。 余り需要は多くありません。」


そうか、家畜のエサなのか。

鰹節。

そんなにステータスが低かったのね。かわいそうに。

そういえば、日本でかった鰹節よりも微妙に柔らかいから、

手間隙かけて乾燥させてない感じです。


まあ、削りやすいからいいんですけど。


レイモンさんやトアルさんは、レナードさんのご飯食べたこと無いのかもしれません。

これは、大変です。

信者としては、宣伝に努めて仲間を増やしたいところです。



「でも、レナードさんの屋台ご飯に使ってました。

 あれは、本当に美味しかったのです。」


ああ、思い出すだけで口の中に唾液が溢れてきそうです。


「へえ、船のコックのレナードさんの料理かあ。

 そういえば、中央広場の屋台で、いま評判の一風変わった料理があるって聞いた。」


あ、トアルさん、それは知ってるんですね。


「おいおい、それ旨えのか。」


レイモンさんが早速食いつきます。


「癖になる味だそうだよ。

 新聞社でも、腹を壊すほど食べ過ぎたツワモノがいるくらいだ。」


うん。そうか、あの時食べすぎでセランが治療した人って新聞記者さんだったんだ。


「俺達は、飯は工房で大勢でとるからなあ。

 でも、そこまで言うなら、食べてみてえな。」


私は、しっかりと頷きます。

よしよし、これで二人とも信者確定だ。

 

「ああ、レナードの料理でしたか。

 納得です。 彼の料理は独創的でおいしいですからね。」


そうです。

カースも解っているではないですか。


「そうだな。 だが、メイの料理も美味い。」


レヴィ船長が、私を見つめて微笑んでくれました。

これは、突然に、心臓が討ち抜かれるくらいに、素晴らしい笑顔です。

今日は、本当にどうしたんでしょうか。

レヴィ船長、笑顔の大盤振る舞いです。


レヴィ船長に笑顔で褒められて、天にも昇るようですよ。

幸せすぎて、顔がにやにやしそうです。

両手で頬を押さえて、顔の崩れを防ぐのに手一杯です。



「おうい、神様の守護者よい。

 おいらはこのソーセージってのもう一つくれよし。」


私の至福の時を破るこの甲高い声は、お猿です。

他の人には、キーキーと言ってるだけですが、

私の耳には二重音声のように、人間が話すのと同じ言葉が聞こえてきます。


しかし、お猿、大変お行儀が悪いです。


私の膝の上に乗っていつの間にか、私のお皿から食べてます。


まあ、邪魔にならないのでいいのですが、

小さいくせに本当によく食べますね。

ソーセージと言っても、一本が長さ15cmくらいあります。

3本とも、いつの間にか無くなってます。

その小さい体のどこに入ってしまうのでしょうか。


「ねえ、食べ過ぎるとお腹痛くなるから、そのへんで止たほうがいいと思うの。」


ソーセージの油でべとべとのお猿の手を手ぬぐいで拭いてやりました。


「ケチだなよい。神様の守護者の癖によう。」


拭かれて綺麗になった小さな手を私の眼前に差し出してお替りをねだってきます。

可愛いような、可愛くないような、微妙な感じです。


「もう駄目。あとは、野菜とか食べたらいいよ。

 バランスよく食べないとね。」


野菜のサラダを指差すと、お猿さんは、ぷいっと顔を背けました。


「いらねええやい。 美味くねえものは食べる価値はねえんだよい。」


なんて、お猿の癖に好き嫌いの多いやつなんだ。

贅沢すぎるほど口が肥えているのかもしれません。


「あはは。なんだか、本当に言葉がわかるようだね。」


トアルさんは、ご飯を食べ終えて片付けの用意をしてます。

レヴィ船長とカースも同じくですね。


私は、急いでお皿の上の残りのサラダとチーズとパンと

卵スープで流しこみました。


レイモンさんとゼノさんは、スープのお替りを最後まで食べてます。

綺麗に完食していただいて本当に有難うございます。


「メイ、それはどこで拾ってきたんですか?」


カースの言うそれとは、勿論、お猿のことですね。

どこでと言われても、気がつけばポケットの中にいました。

私が拾ってきたわけではありません。


「今朝、この先に水源を見つけたんです。

 そのそばで倒れてました。」


「おいおい、メイちゃん。

 野生動物を簡単に拾ってくるなよ。

 子供を探して、親が襲ってきたら困るだろ。」


ゼノさんの言う事はもっともなのですが、

本当に、私が拾ってきたわけではないのです。


「おうい。人間。 おいらはとっくに大人だよし。」


うーん。子供のセリフの定番ですね。

大人に真実なると、今度は反対の言葉を言うものですからね。

まだまだ、若いってね。


「そうだねー。とっくに大人ですねー。」


小さな頭を撫で撫でしちゃいます。


「おうい。神様の守護者。おいらを子ども扱いするなよう。

 おいらは、アンタに助けられたから恩返しに来たんだよし。」


恩返し?

助けた覚えないけど。


「まあいい。 急いでここを出発するぞ。

 もうじき、谷から風が流れてきて、一斉に霧が晴れる。

 その時、ちょっとした被害が出やすいからな。 

 出来るだけ迅速に約束の場所まで着きたい。」


ゼノさんは、そういって立ち上がり、荷物を麻袋は木箱に押し込んで、

馬車の荷台に放りこんだ。

トアルさんは、焚き火を消してその後に残る灰を温石を入れる石の箱にいれた。

この灰があれば、アウトドアではいろいろ役に立つそうです。

火種とか、そんなものかしら。


私も料理の道具や食器を木箱に片付けて、馬車に入れました。

レイモンさんやトアルさんは、さっさと馬車に乗り込んだようです。


私は、小猿の彼をポケットから出して、下に降ろそうとしましたが、

私の指をすりぬけ、腕を足をすり抜けて、ちょろちょろと登り、

最初にいた私のポケットの中にちょんと鎮座します。


野生動物は、なんでこんなに要領がいいのでしょう。


「ねえ、恩返しって、私なにもしてないよ。」


どちらかというと、石がぶつかった時点で加害者寄りだと思います。


「神様の守護者よう。助けてもらった時、

 おいらはアンタと一緒にいるって決めたんだよし。」


いや、親が迎えにくるんじゃないの?


「助けてないから。だから、親の元に帰ってください。」


猿の親が襲ってきたら、確実に私なんか太刀打ちできない。

以前テレビでみたオラウータンの母親の攻撃は怖かった。

真っ赤な顔で、シャーって威嚇を飛ばしながら、長い爪で引っかきに飛んでくるんだよ。


「おいらにゃ、親はもういねえよい。」


え。


猿って集団で子供を育てるものだと思っていたのだけど、

母猿がもしかして死亡とかで群れを追い出されたとかかな。

この小猿、猿生、案外苦労してそうです。


一人で一人寂しく群れから追われて。

なんだか、一代ドラマが出来そうです。猿ですが。


「そうなんだ。 まあいいか。 

 一緒にくるなら、大人しくしていてね。」


考えてみれば、私を神様の守護者と言っている以上、

このお猿がやってくるのも、玉が呼び寄せている問題に他ならないと思う。


だったら、ここでお猿を無理に追い返して、もっと酷いことになったら困る。

なにしろ、災難は時場所かまわず勝手に降ってくるものだから。


「いつまでも何をしているんです。 メイ、行きますよ。」


後ろから、ひょいっとカースに持ち上げられました。

両腕の脇を持ってすっと持ち上げる感じですね。

そのまま、すたすたと馬車に連れて行かれ、乗せられました。


その後ろから、カースが何でも無いように、馬車の荷台の柵に手をついて、

ひらっとかっこよく馬車に乗り込みました。


これは、足が長くて運動神経がよくないと出来ない技です。

やっぱりカースはなんでも出来てカッコいいです。


「出発するぞー。」


ゼノさんの大きな声が聞こえて、馬車が動き出しました。


本日の御者台はレヴィ船長とレイモンさんのようです。

カースが昨日までレヴィ船長が読んでいた本というか、

ワグナーの手記と言うのを読んでます。


トアルさんは、手帳を片手になにやら書き物をしてました。

が、やはり火の番で疲れたのか、こっくりこっくりと寝始め、

水の樽に寄り掛かるようにして、寝始めました。


私のポケットの中の猿も、お腹が一杯になって眠くなったようです。

くうすうぴーと寝息がポケットから聞こえました。


私は、昨日の作業の続きを始めました。

今日中にあと3つ布のお花をつくる予定なのです。


お花が一輪出来て、次のお花に取り掛かろうとしたら、

カースが目頭を押さえていました。


やっぱり、寝不足が祟っているですよ、きっと。

そうと解れば、早速用意しなければ。


私は壁際に荷物をもって移動して、床に毛布を引いて、背中に荷物を置き、

もたれかかる様にして足を伸ばしました。

よし、セット完了です。


「カース、お願いがあるのです。」


カースにこっちに来てもらうように手招きをしました。


「なんですか?」


私は、お膝の上の糸くずをさっさと払って、お膝をぽんぽんと叩きました。


「カースには、お昼寝が必要です。

 私の特製枕を用意しましたので、ここでお昼寝してください。」


にっこり笑って、カースの顔を見ました。

その時のカースの顔は正に鳩が豆鉄砲にあたった顔です。


「え、何、は?」


これは、納得してないと言った返答ですね。

ここは強制昼寝にしたいと思います。


カースの後髪と肩をぐいっと掴み、膝の上にカースの頭を乗せました。

枕が替わると寝られないと言っていたカースも、お膝枕なら寝られると思います。

暖かい枕って、何故かよく眠れるんですよ。


「お昼前には起こしますから、寝てください。

 私がずっとここで、こうして一緒にいますから。」


カースの黒い髪をさらさら撫でました。

膝枕もどきがちょっと恥ずかしいのか、カースの顔がちょっと赤くなりました。

耳も赤いので、熱があるのかもしれません。

額に手をあてて、熱をはかったけどよくわかりません。



そうしたら、大きなため息がカースから返されました。


「ふう、ああもう、本当に卵が先か鶏が先かですね。

 ですが、貴方が一緒にこうしていられるなら、安心できそうです。

 目が疲れたのはその通りなので、お言葉に甘えましょうか。」


えーと。

いきなり卵と鶏の関係ですか?兄弟?親子?


その質問にはちょっと考え込むことですが、幸いカースは私の腿に頭を乗せたまま

目を閉じてすうっと寝始めました。


カースの頭を腿に乗せたまま、私は静かにちくちくと針仕事の続きをします。


カースの規則正しい寝息がすうすうと聞こえ、静かに馬車の時が過ぎていきます。







*********







昼が近くなるにつれ、日差しも強くなり、

どんどんと熱くなっていきます。


額に汗がたらたらと落ちていきます。

森の中ですから、そこまで暑くならないのではと思っていましたが、

何故にと問いたいくらいに、昼間の暑さは半端ではありません。


朝方は吹いていた風が一切吹かなくなったのもあります。


さすがにこう暑くなると、カースもトアルさんも寝ていれません。


お昼前には、暑いといって目を覚ましました。


昼食は、馬車を移動しながら交代で食べます。

朝食の時に一緒に作っておいたナンもどきのパンを

油紙から出して並べました。 

その横にはチーズと干し肉、干し無花果と干しルーレと干しレーズン。


ナンのようなパンにチーズを挟んで食べます。

干し肉は噛み切るように食いつきます。


驚くほど口の中が乾きます。

水をごくごくと飲むと、猿もほしそうでしたので、

私のコップからあげました。


「もうじき、合流地点に着く。

 そこで、俺の部下と案内人、馬が3頭待っている。

 馬車と大きな荷物は置いていく。」


レヴィ船長が頷き、次の指示を出す。


「水は水袋に詰める用意を。

 あと、残りの食料は手分けして持っていけるように、まとめてくれ。

 武器はそれぞれの手持ちで、残りは馬に括りつけられる範囲で持っていく。」


私は、食料を大体の重さで分け、油紙に包んで布に包んだ。

大きさは丁度お煎餅の缶と同じくらい。それが4つ。


トアルさんが水を水袋に詰め、カースが薬箱の中身を麻袋に移し変えていた。

レイモンさんは、毛布や鍋などの備品を紐のようなもので括った。


ごとごとと馬車が進んだ先に、いきなり道がなくなった。

馬車の足がピタッと止まる。


そこは、一般的に言う断崖絶壁の天辺のあたり。


天辺から周りを見渡すと、遠めにだけどレグドールの里らしき谷が見える。

下は勿論、ちらっと視線を動かしただけで、見るのを止めました。

王城の祈りの塔の天辺よりも高いかもしれません。



「ここで待ってろ。」


ゼノさんは馬を下りると、絶壁の先に手を伸ばしました。

床の大地に手をついて、壁際に手を沿わして何かを探してます。


「ゼノさん、危ないですよ。」


落ちたらぺちゃんこですよ。

ですが、ゼノさんは、何か紙のようなものを手に戻ってきました。


その紙に書かれていた文字に目を通して、ゼノさんは、

森と谷に向かって、胸元から取り出した鳥笛と吹きました。


ピーピピピ、ピュルルルーピピピ、ピーー



そうすると、私達の後ろから声がしました。


「随分と大人数だ。」


私達は、一斉に振り返りました。


気配が、そう、存在感が全くなかったのです。

いつも誰が来ても解らない私だけでなく、レヴィ船長やカースまで解らなかったようです。

二人とも、びっくりして声の出る方向を警戒してます。

 

夕日がそろそろ始まりそうな感じの、斜めに長い影が伸びる。

全体的に影がどんどん伸びていき、その色を交差させ薄い影を映し落とす。

森の木の陰から隠れていたように、その人はゆっくりと歩を進める。


長い足にすらっとした2m近い高い身長。

先ほどの存在感のなさが嘘であるかのような、

はっきりとした威圧を含む逞しい体躯。


帽子を深く被っているので顔が見えない。

麗しいテノールの美声の男が私達の前に姿を現した。


彼は、真っ直ぐゼノさんの元へ行き、簡単な挨拶をした。

それから、真っ直ぐに私達の前に立った。

いや、正確には私の正面に立ったです。


「これは、運命だ。俺の勘は外れない。やっぱり会えたな。」

 

私は首を傾げます。

きょろきょろと周りを見渡しますが、彼の視線は真っ直ぐに私に向かってます。

やっぱり、私のようです。


レヴィ船長やカース、他の皆も眉を顰めます。


基本、街の人なら皆も知っているはず。

船の中なら、レヴィ船長やカースが。

お城の中なら、ゼノさんが。


あれ?

この人って、どっかで???

いや、知らないよね。



思い出そうとしても、一切思い出せません。

多分、記憶の片隅にあったのかもしれませんが、

私の少ない脳みそが箪笥に片付けてしまったようです。


「あの、えっと、失礼ですけど、

 私、貴方とどこかでお会いしましたか?」



多分、察しのいい方は気がついていると思います。

彼は、誰でしょう。

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