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悪役令嬢に憑依した社畜、婚約破棄より愛犬が大事だった件

作者: クラル
掲載日:2026/07/27

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

「やっと仕事から解放された!~眠たいなぁ……それに明日は兄貴がこの家に来るしなぁ~……早く寝よっと。説教されかねん。掃除は明日あさイチでいいか!」


僕は眠むたくて、帰ってきた服のままベッドにダイブした。


「あ~疲れた!ん?ペコたん!」


ペコは僕が飼っている犬だ。


ペコは4歳のトイプードルで女の子。ペコ真っ白な毛はもふもふ・ふわふわ。

僕は社会人になり一人暮らしを始めたその年からペコを飼っている。


「あはは!ペコたんは可愛いなぁ~!今日は一緒に寝ない?疲れたから癒されたいんだ。」


そのまま僕はペコの温かい体温を感じながらペコに寄り添って寝た。


「サーシス・ド・グランツの名においてルミア・ド・ランスタ―!其方との婚約を破棄する!新たな婚約者にはこのノルア・ド・メビルを据える!」


は?これ夢?現実なわけがないか。

というか何だこのきらびやかな世界は。

中世ヨーロッパか何かだろうか?それにルミアって誰だ。

僕は日本人の坂本凌空(さかもとりく)だ!


「なぜそんなことをなさるの!?サーシス様!私は何もしておりませんわ!」


え?今の声僕が発したのか?というかなんで思ったことはすぐ口が勝手に動くんだ!

それに僕はこんな話し方しないぞ!それにサーシスって誰だよ!


あれ?なんだこれ!僕黒髪なのになんでピンクなんだ!それに何だこの装飾たくさんのドレスは。僕が着ているのか?やたらと重たい!


「えぇい!証拠はここにある!」


いきなり叫ぶからびっくりするじゃないか。


それにその紙10枚くらいのが証拠だって?そんな証拠見せてほしいもんだ。

どれだけ詳細に書いてあるのか知りたいし。


「サーシス様!お願いよ。その証拠を見せて頂戴!確認もしていないのに婚約破棄を受理なんてできないわ!」


また思ったらすぐ口が動く!なんでだよぉ……でも、確認は鉄則だ。


「確認なんてする必要はないだろう!お前自身に自覚はないのか!ノルアにひどいことをした自覚が!王太子の言うことが聞けないのか!」


なるほど~?つまりは見せれるほどの証拠の詳細がないと言いたいわけだ。


「私は無実よ!何もしていないわ。それに見せれないってことはそんな証拠がないのでしょう?素直におっしゃい!『確実な証拠はない』とね!それに権力を使うような真似はやめてちょうだい!」


やっぱり勝手に口が動くのか。もうあきらめよう。


この話しぶりから、目の前にいるあの金髪でうるさいのが王太子のサーシスでその横にいる緑髪がノルアってひとで、今僕がいるこの体の持ち主は

ルミアという女の子で王太子の婚約者なわけだな。段々状況を理解してきたぞ!


「ほぅ?つまりは我が娘の言う通り、大した証拠もなのにノルア嬢を婚約者に据えようとしているということか?まったく一国の王太子とあろうものが信じられん!」


いきなり背後に立たないでくれよ。というか我が娘ってことはこのルミアの父親なのか?


「ランスター公爵!」


げっやっぱりサーシス君声大きいよ。


というか公爵ぅぅぅ!

それにランスターってこのルミアのはじめに呼ばれてたフルネームにもランスターってあったよな?

つまり、このルミアは公爵令嬢ってことか?!そりゃ王太子の婚約者なわけだ。


ちょっとまでよ、ってことは僕もしかしてよく小説とか漫画にある悪役令嬢転生しちゃったってこと!

いや転生よりは憑依のほうが近いような……


ペコは!!!僕家にペコを置いてきた!どうしよう。あぁ、ペコォォォ!!


でも、明日兄貴が来るから見つけてくれるよね?


ペコを……あ、でも兄貴は僕の抜け殻も見つけることになるのか。

鉄面皮で心配性の兄貴のことだから鍵絶対に開けるだろうな。


でも、兄貴が泣いたところ見てみたかったな。

兄貴と僕が大好きなおばあちゃんがなくなった時ですら泣かなかったもんな…そういえば僕見たことないな~兄貴が泣いたところ。


「お父様!お願いよ。私は無実なの!何とかして頂戴。」


今ペコのこと考えてたからか?勝手に涙があふれてくる。


「ルミちゃん。大丈夫よ!このアホは私たちで対処するわ!このお母様に任せなさい。」


母登場か!というかこのピンクの髪母譲りだったのか……


「どう責任を取ってくれるんだ?ルミアには四六時中護衛か侍女がついている。それは学園でもどこでも一緒だ。睡眠中も部屋の前には護衛がいる。そんな状況でどうやってそんな証拠もないこのをしようとするのだ?」


確かにそれはそうだな。


一般人の僕には考えられなかった話だが、ルミアは公爵令嬢であり王太子の婚約者つまり未来の王妃だ。

そんな女性に護衛や侍女が付かないはずがないな。これは盲点だった!ランカスター公爵!さすがです。


「王太子殿下!この証拠はいただきます。拝見しないと気がすみません。」


よくぞ言ってくださった!公爵。僕も見ないと気が済まないよ!罪のない?こんな女の子が言われているなんて男の名が廃るもんだ!


「サーシス!これはどういうつもりだ。その証拠渡してもらうぞ。さもなくば即刻廃嫡だ!」


なんだ?サーシスの背後から?あれ?あの人王冠かぶってる。それに王太子のこと脅してる?絶対に王様だろうな~もう僕は驚かないぞ。


「ち、父上!なぜ今日は公務で執務室にいるはずでは!!後から来るとおしゃっていたではありませんか!」


ふ~ん。つまり厄介な父親がいないときに婚約破棄を終わらせて事後報告しようと思ったわけだね?まじでこの王太子バカなのか?


「サーシスお前ぇ!謀ったな?まぁ、証拠は押収するぞ。近衛兵!この証拠を取り上げろ!」


うっわ~王様お怒りだ。あれ?なんで公爵まで近衛兵と一緒に動くんだ?近衛兵がいるからいいだろう?


「サーシス様!いえもうサーシスでいいですね?我がランスター公爵家を侮らないでいただきたいものだ。」


えぇぇ!公爵~さらっと証拠奪ってるではないですか。というか父つよしだなぁ~僕の家は両親ともにのほほんってしてたしな…


「読み上げるぞ?ここのパーティーにいる皆が証人だ今から要約するから少し待て。」


さすが~やりてですね…この大規模なパーティーごと利用するとは。


僕には到底無理だ。僕なんて毎日細々と働く社畜サラリーマンなのに!こんな規模のパーティー大企業だからあるかもしれないけど出世もしていない新入社員の僕なんてまだまだなんだよね。でも、なんで今度の企画チームリーダー任されて嬉しかったのになぁ~


「信じられん!リーナこれを読んでみろ。」


あ、母親の名前はリーナっていうんだ。というか、公爵どうした?いったいなにが書いてあったの?やばいめちゃ気になるんだけど。


「お父様、お母様なにが書いてあるのですか?」


また勝手に口が!でも、僕もそれ読みたいな。


「読んでもいいが、怒りがこみあげてくるぞ?」


公爵だいぶんお怒りですね。それに振り返りもせずサーシスをまっすぐ見てるとは……すごく怖いかも。でも、それでも僕は読みたいな。


「かまいませんわ!」


リーナさんありがとうございます。どれどれ?どんな内容なんだ?


「ルミアが読んでることだし、要約を読み上げるぞ?」


え?僕まだもらったばっかりですけど!というか、僕にこれ確認させようとしてるのか?


「【ノルアが声をかけたら無視した】【教科書を破かれた】【虫けらのように扱われた】【あついお茶をかけられた】【挨拶をしたらもっと頭を下げろと言われた】【王太子に執着するなと言われた】【気持ち悪いと言われた】などなどだろう?」


ランカスター公爵すごいです!全部ドンピシャであってます。でも僕はついさっき憑依したばっかりだからこれの真意を知らないんだ!どうしよう……


「では、このパーティーの場にはルミアの学園での友人や見かけたものがたくさんいるだろう?ならば、君たちに問おう!ルミアのノルア嬢に対するこのような行為を目撃したものがいれば手を挙げろ。挙げても挙げずともよい。どちらでもせめはせぬ。そうだろう?陛下。」


なるほど。確かにそれで王太子を追い詰められるし、陛下の許可もあればだれも委縮はしないだろうな。やばいルミアの父天才なんじゃ?いや僕との経験値の違いかもしれないな。


「あぁ。真意が知りたい。」


陛下の承認いただきました!これで僕もこの騒動の真意が知れる!というか知りたいな~!


「手を挙げてもいいのですよ?」


やばいめちゃ威圧感感じる。公爵夫妻は絶対に怒らせてはいけない!あれ?陛下も意外と焦ってるし怒ってる?なんであんなに焦るんだ?


「陛下!ほらね?誰も手を挙げません。娘は無実です。これ以上この不浄な場に娘をとどめたくありません。手短に終わらせましょう?」


不浄って!公爵それは言いすぎだと思いますよ?陛下の顔が引きつってるじゃないですか!


「あぁそうだな。完全にこちらが悪い。謝れ、サーシス。」


王が頭を下げた!ってことは非を認めたってことかな?つまりこちらの勝ちということだ!よかったねルミア君は無実だよ。


今の僕多分すごく安堵してるな。だって、憑依したのにこれから最悪な生活とか追放とかごめんだよ。


「なんで謝らないといけないんだよ!」


「そうよ!」


まじでこの二人自覚ないの?信じられない。今君たち会場の視線が集中してますけど?


「陛下。私は……いえ。ランカスター公爵家は決断しました。陛下もご存じの通り、我が家は建国以来の忠臣であり、王家とほぼ同等の領地とそれ以上の資金を有しております。」


え!!!!そんなにルミナの家は名家だったのか。それは確かに、公爵家だし、そうなるかのかな?でも、王家と同等とかそれ以上とかすごい言葉を今日聞いたな……


「お、おい。まさか!」


まさか!なんだよ。気になるじゃないか!


「はい。想像通りだと思いますよ?ここで宣言します!我が家門は『ランカスター()()()()改め『ランカスター()()』として独立いたします!かまいませんよね?賛同するものは盛大な拍手を!」


はぁぁぁぁ!!!独立だと?つまり、一国の国になるってことだよね!うそでしょ。愛娘のためにそこまでする!!!あ、王様とサーシスにノルア崩れ落ちてる!


うっわ!すっご。めっちゃ盛大な拍手じゃないか。

というか、拍手していない人いなくない!?


「盛大な拍手をありがとうございます。皆様の承認とてもうれしく思います。ランカスター公国の国主として。」


最後の一言王様めちゃくちゃダメージ受けてるじゃん。

さすが公爵様あれ?もう公爵じゃないな。何て呼べばいいんだ?この世界の父だからお父さん?いやルミナみたいにお父様って呼ぼう。そっちのほうがしっくりくる。


「帰ろう。我が家いや城に。リーナ、ルミナ。」


「えぇそうね。あなた。」


「はい!お父様!」


結果オーライかな?あのバカ王太子との縁も切れたし。


決めた!今世の目標。

僕は何年かかってもペコを探そう。どんな困難があろうとも......


まぁ、公爵いやお父様に助けてもらった恩があるし、何も返さないわけにはいかないだろうな。なにか恩返しをしよう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

もし本作を読み「ペコちゃんかわいい」「共感できる」「凌空好き」「面白い」と感じていただけましたらぜひ【評価★★★★★】や【感想】で応援してくださると嬉しいです。


『余命宣告された双子の神童は、幸せに生きたい!』【1章完結済み・毎日更新】もなろう様で連載しております。気になった方は覗いてみてください。


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