第10話 女子社員交流会
朝。
インフラ運用課。
俺はコーヒーを飲みながらメールを確認していた。
その時。
社内メールが届く。
件名。
【女性社員交流会のお知らせ】
俺はスクロールした。
女性社員向けランチイベント。
まあ、よくあるやつだ。
俺には関係ない。
そう思っていた。
その時。
「神代先輩!」
美咲が来た。
「メール見ました!?」
「何」
「女子会!」
「見た」
「行きますよね!」
「行かない」
「え?」
美咲が画面を見る。
そして止まる。
数秒。
「……あれ?」
「何」
「先輩」
「何」
「参加者リスト」
嫌な予感。
俺は画面を見る。
参加予定者
高城沙羅
結城美咲
神代凛
……。
「待て」
美咲が言う。
「先輩入ってます」
「見ればわかる」
「なんでですか?」
「知らん」
その時。
イヤホンから声。
「マスター」
NIAだ。
「なんだ」
「女性認識イベントを確認しました」
「やめろ」
「今回のイベントは」
一拍。
「社内公式です」
「余計悪い」
その時だった。
「神代さん」
声。
高城沙羅。
「メール見た?」
「見た」
「女子会」
「見た」
沙羅は普通に言った。
「行こう」
「行かない」
「なんで?」
「俺男」
沙羅は少し笑った。
「またまた」
美咲が爆笑している。
「先輩もう諦めてください!」
「諦めない」
その時。
後ろから声。
「神代さん」
三崎だった。
「メール見ました?」
「見た」
「女性社員交流会」
「見た」
三崎は頷いた。
「いいですね」
「何が」
「女性同士の交流」
……。
俺は言った。
「男」
三崎は真面目な顔で言った。
「冗談はやめてください」
この人は本当に信じない。
NIAが言う。
「マスター」
「なんだ」
「女性認識イベント」
「言うな」
「本日」
一拍。
「4件目です」
「まだ朝だぞ」
美咲が言う。
「先輩」
「何」
「女子会って何するんですかね?」
「知らん」
「メイクとか?」
「やめろ」
その時。
沙羅が言った。
「メイク講座あるらしいよ」
……。
「何」
「あと」
「うん」
「ファッション相談」
「帰る」
美咲が笑いすぎている。
「先輩絶対面白いですよ!」
「面白くない」
NIAが言う。
「マスター」
「なんだ」
「メイク知識」
「何」
「平均女性の1.8倍」
美咲が止まる。
「え?」
「先輩」
「何」
「なんでメイク詳しいんですか?」
俺は言った。
「バンド」
「え?」
「ボーカル」
美咲が固まる。
「先輩」
「何」
「バンドやってるんですか?」
「うん」
「えええ!?」
沙羅が笑う。
「知らなかった?」
「知らないです!」
NIAが言う。
「マスター」
「なんだ」
「女子会参加確率」
「出すな」
「97%」
「行かない」
その時。
社内チャットが鳴った。
総務からだ。
『神代さんもぜひ参加してくださいね』
……。
美咲が言う。
「先輩」
「何」
「公式ですよ」
「やめろ」
NIAが言う。
「マスター」
「なんだ」
「OLモード」
一拍。
「進行中です」
「やめろ」
どうやら俺は、
会社公認で女子会に参加することになりそうだった。
……本当にやめてほしい。




