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『黒鋼ノ戦旗 ― 奪われた未来を取り戻すために』  (裏)  作者: 田舎のおっさん
第二部

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46/112

(黒鋼連邦編) 『目覚める観測者の影』

黒鋼連邦の地下深く、

封鎖された研究層を蒼い光が満たしていた。


蓮は薄暗い通路を進みながら息を整える。

ここへ来るのは、一週間で三度目だ。


夕凪は無事だ。

影夕凪が統合され、心の負担は大きく減った。


しかし——

扉崩壊以来、蓮にはずっと気にかかっているものがある。


あの日。

統合の瞬間。

夕凪の光が扉を抑え込んだ瞬間。


——“何かが、扉の奥で目を開けた”。


その脈動を感じたのは、蓮だけだった。


(あれは……声じゃない。

 意志だ。

 誰かが……俺たちを見ていた)


黒鋼連邦の技術局は、

扉が“完全沈黙”したと報告している。


だが蓮は信じていない。

沈黙は死ではない。

眠りでもない。


——“観察”だ。


やがて蓮は研究層奥の部屋に辿り着いた。


蒼い残光が漂う空間で、

一つの巨大な装置が脈動していた。


扉の残骸から採取された

“蒼結晶コア”だ。


黒い鉄骨の檻の中で、

コアは微かに震え続けている。


蓮は手を伸ばした。


その瞬間——


コアが、脈動した。


ひとつ、

ふたつ、

蓮の心臓に合わせるように。


蓮の視界が一瞬揺れ、

耳の奥に“囁き”が響いた。


——キミは“鍵”ではない。

——だが、扉を開ける“条件”だ。


蓮は息を呑む。


「……誰だ」


返事はない。


ただ冷たい意志だけが、

蓮の存在を“測っている”のを感じた。


その時、背後から声がする。


「蓮……?

 やっぱり来てたのね」


真白が立っていた。


蓮は振り返らず、

蒼結晶を見つめたまま言う。


「……真白。

 扉は……終わってない。

 まだ、何かが動いてる」


真白は近づき、

少し震える声で応じる。


「わたしも……感じてる。

 未来が……“蒼色”に染まっていくのが。

 でも……一つだけはっきりしてる」


蓮は真白のほうを向いた。


「何がだ?」


真白は蒼い光の中で、

確かな声で言った。


「“夕凪が目覚める”までが、

 この世界の猶予なの」


蓮の胸が強く締めつけられる。


(……また夕凪が巻き込まれるのか)


だが、もう逃げない。


蓮は静かに決意を固めた。


「……守る。

 たとえ扉の奥に“誰”がいようと。

 夕凪も、朔夜も……

 この世界も。

 俺が守る」


蒼結晶が脈動した。


まるでその決意を測るように。


真白はその様子を見つめ、

胸の内で小さく呟いた。


(蓮……

 あなたの未来も……

 もう戦いから逃れられない)


蒼い光が研究層に揺れた。


——第三部の戦いは、すでに始まっていた。

読んでくださって、ありがとうごさいます。

こちらは黒鋼連邦から見た“裏の戦場”。

蓮の揺れる正義や、黒鋼の影の動きまで追っていただけて嬉しい限りです。


もし「裏側の真実もおもしろいな」と思ってもらえたら、

ブックマークや評価をポチッとしていただけると助かります。

その一押しが、続きを書く原動力になります。


これからも蓮の選ぶ未来と、黒鋼連邦の闇を

一緒に追いかけてもらえたら嬉しいです。

次の更新でまたお会いしましょう。

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