表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『黒鋼ノ戦旗 ― 奪われた未来を取り戻すために』  (裏)  作者: 田舎のおっさん
第4部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/117

第5部 第7話(裏)

――選ばされた者たち


 黒鋼は、撤退する中立勢力の背を、

 遠くから眺めていた。


「……残ったな」


 副官が、短く答える。


「はい。

 全員は逃げ切れていません」


「それでいい」


 黒鋼の声は、静かだった。


     ◇


 黒鋼は、知っている。


 戦で本当に厄介なのは、

 倒れた敵でも、

 逃げた敵でもない。


 残った者だ。


     ◇


 残った者たちは、

 自分で選んだと思っている。


 だが実際は、

 選ばされたに過ぎない。


 踏み越え、

 逃げ遅れ、

 判断を誤った結果だ。


     ◇


 黒鋼は、地図を見下ろす。


「桜花は、

 残った者を抱える」


 それは、

 優しさではない。


 責任を背負うという選択だ。


     ◇


 副官が、慎重に問う。


「……我々は?」


「こちらは、

 抱えない」


 黒鋼は、即答した。


「使う」


 冷たい言葉だが、

 感情はない。


     ◇


 黒鋼は、命じた。


「残った者の名を洗え。

 誰が、

 どこで、

 何を守ろうとして残ったか」


 副官が、目を細める。


「利用する、ということですね」


「違う」


 黒鋼は、淡々と続ける。


「位置を決める」


     ◇


 戦が終われば、

 世界は再編される。


 勝者と敗者だけでなく、

 従う者、離れる者、

 居場所を失う者が生まれる。


     ◇


 黒鋼は、前を見据えた。


「第5部は、

 戦で勝つ章じゃない」


 声は低い。


「世界を並べ替える章だ」


     ◇


 残った者たちは、

 もう戻れない。


 そして、

 桜花も、黒鋼も、

 それぞれ違う形で、

 その重さを背負う。


 戦は、

 次の段階へ入った。


 誰が前に立ち、

 誰が後ろに回るのか。


 それを決める戦が、

 静かに始まっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ