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テーマ詩集:天体望遠鏡

宇宙ソング

作者: 歌川 詩季

 宇宙好き。

 肩車で世界一周 インド洋もひとまたぎだぜ

 ナイル川じゃみじかすぎて ニジェールとつなげる

 アルプスには蹴躓(けつまず)いて ナイアガラで顔洗うのさ

 南極にはジンをそそぎ ロックでのみほす


 こんなちっぽけな地球には

 でっかい夢はおさまらねえ

 いざ宇宙!

 ゆけ宇宙!!

 おれのステージは全宇宙!!!


 アステロイド踏んで 飛び石していく

 鍵尻尾の流れ星は星空の飛行機雲

 ペガサスとユニコーン 二頭立ての馬車に乗りこむなら

 馭者(ぎょしゃ)のふりした蛇(つか)いに手綱(たづな)まで任せるな



 肩車も三周めじゃ モアイのつらにもあきてくる

 見あげりゃ星 おいでませと ウィンクしておまねき

 ギャラクシーをまたにかけて 光年こえ恋したいなら

 射手(いて)座の矢にハートつけて ()とめてみせるよ


 ベガなしじゃ アルタイルだって

 デネブにぐらり よろめくぜ

 いざ宇宙!

 ゆけ宇宙!!

 これでさよならさ 我が地球!!!


 アステロイド突いて ポケットに落とす

 八つ首の暴れ龍は星空の大妖怪

 不死鳥と白鳥の 二羽を飾る(かご)を牛が()くぜ

 水瓶(みずがめ) ()るした天秤(てんびん)の傾きなど気にするな

 


 アステロイド積んで 天文台 建て

 獅子をはべらせた双子は星空の戦乙女(いくさおとめ)

 山羊(やぎ)と羊のつのを 二本はやす頭をひねり

 魚と鯨を火にかけて()きっ(ぱら) 満たしたら


 (はさみ)と毒針 縫いあげた 刺繍(ししゅう)の星空へ

 恐竜と迷う。

 ほんと、迷う。

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― 新着の感想 ―
[一言] あとがき、そんなアナタは宇宙恐竜Zん!!
[一言] 宇宙、神秘の世界ですよね。 やっぱり男子といえば宇宙と恐竜なんですね。 ナイアガラで顔を洗い、南極にジンを注いで飲むなんて、すごいダイナミック! 星座達の描写を織り交ぜながら宇宙に旅立ってい…
[良い点] 『いざ宇宙!  ゆけ宇宙!』 から始まる3行の音の運びが リズムに乗ってて好きです。 [一言] 地味に青銅の衣をまとった子たちが 黄金の衣をまとった人たちの中に混じってる気がします。
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