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EX stage 4 プロジェクト・ヴァベル 進行

前回のEX stageはこちらになります

https://ncode.syosetu.com/n3877hu/27/


次回のEX stageはこちらです

https://ncode.syosetu.com/n3877hu/44/

「さてと、では第4回プロジェクトヴァベル代表会議を始めよう」


 プロジェクト始動から約半月、各役職の代表を務めるゴモン・ミナカ・マキナ・薫子・総一の5名は会議室に用意した円卓についていた。


「あーじゃあまず俺から」


 最初に発言を求めたのはゴモン。


「今回の企画について、帝からの返事があった。単刀直入に言うと、帝の一族の名前も予算も出せない……あくまで自己責任でやれって話だ」

「でしょうね」

「では、予定通りゴモン……五門六花を総監督とし、企画を続行するものとする。報酬と権限についても以前取り決めた通りとする」


 ゴモンの発言に、総一が返答する。


「次は私ね、商品開発部がまとめた報告書よ」


 次に発言したのは、今回の企画を考案した張本人、薫子である。


「そこのミナカ君に解析をお願いして、各時代、各ワールドから、ゲーム化できそうな人物や物語をピックアップしてあるわ、率直な意見を頂戴」

「ほほう、海に沈んだ惑星を舞台に、主人公の帽子の魔女ガジュマルを中心に三つ巴の財宝争奪戦……こっちは、東京って街を舞台に異世界転生してきた魔法少女カルタさんのお話……なかなか面白そうじゃないか、他には……」


 ヴァベルの書庫に刻まれた、膨大な歴史の記憶。

 まるで漫画やアニメのような嘘のような本当の話に、総一は胸の奥に湧き上がる興奮を隠し切れないでいた。


「これ……売れるのか?」


 ゴモンが、渡された書類をペラペラめくりながら呟いた。


「うん、総監督、何か気になるところでも?」


 総一は、ゴモンに意見を求めた。


「あ、いや、素人の意見だ。判断はそちらに任せるさ」

「素人? 君だって、経営者だろう、伸るか反るかの判断は遜色ないはずだ」

「いやけどゲームの開発なんt「そもそも、私は君からの助力を求めてこの話を持ち掛けたんだ、帝の許可云々というのは実はその口実に過ぎない」」

「何?」


 さて、と一呼吸おいてから総一は語り始めた。


「私はね、人間は美しい物語を欲しそれを得るために生きていると考えている。歴史を紐解けば、改革の時代には常に人々を先導する王や英雄が存在した」

「逆だろ。改革を進めたい民衆の意思が先に合って、それっぽい奴を英雄として祭り上げただけだろ」

「まあ聞けよ。私は君の持つ、王の資質を求めている。なぜ貧民街出身の君の元に仲間が集まり、最終的に星をも束ねる王となったのか、それは君の生み出す物語を皆が求めたからだ。かつて帝の民から追放され貧民街へと落ち延びた末裔が、再び玉座へと返り咲くべく歩みを進める、まるで本につづられる英雄譚のようではないかい?」

「……別に俺は玉座なんかほしくなかった、たまたまだ。ただ貧乏暮らしが嫌で、まともな仕事が欲しかっただけだ、帝云々も後から知った事だし」


 でもまあ、とゴモンは続けた。


「総監督として報酬は貰うんだ、意見をお求めとあれば従いますよ」

「ああ、よろしく頼む」

「じゃあ言うけど、分かりにくい! 世界の歴史を知ってもらう為に歴史上の出来事をゲームにする、ここにあるデータはそのテーマに沿ってない」

「というと?」

「参考文献が古すぎる、例えばこれ」


 ゴモンが取り出したのは、書庫の管理人マキナ一押しの一冊。


「えーと、ウララとリタ2人の天才魔法少女が、友達の動物病をきっかけに世界規模の戦いに巻き込まれる話……西暦2200年ぐらいの話だ。冒険者ギルドとか、石化魔法とか、現実感がまったく無い」

「だからこれから、我々の手でそれを広めていこうと」

「それは現代人に共感されない! されなきゃ売れない、商品にならない!」


 ゴモンは、思わず立ち上がった。

 大きくため息をつき、再び席についた。


「金や人を動かすんだ、試しにやってみましたダメでした負債だけが残りましたじゃ、株主やユーザーに不誠実だろうがよ」

「あ、やっぱりそう思う?」


 総一の横の席から、薫子がそうつげる。


「やっぱりとは?」

「開発資金の回収についてよ、うちの坊や(総一)はストーリーが面白ければ売れるなんて思ってるみたいだけど、ようはこれ新規IPの立ち上げみたいなものでしょ? 失敗した時の資金回収のリスクが高いはずなのよね」

「そこはほら、書庫のデータを掘り下げて、より魅力的なキャラクターを発k「素人は黙ってなさい」はい」

「そこで考えたのがこれよ」


 薫子が会議室のモニターを操作する。

 そこにはデカデカと、赤の世界ラクエンのアイドル的存在、シルバーレクイエムの姿があった。


「まずは既存のキャラで勝負、既に売れてる人物ならゲーム路線からグッズ路線に切り替えれば致命傷は避けられるわ」

「んで、プロジェクトバベルの名前が売れ始めたら、さっきのガジュマルやウララをぶっこもうって算段か」

「ええ、ユーザー離れが起きれば、ドラゴン君の目的も果たせなくなる、まずは様子見の左ジャブからよ」


 経営者として手堅く進めようとする、ゴモンと薫子。

 未知のキャラクター達のかっこいい活躍を期待していた総一は、陰でひっそり泣いた。


「んで、シルバーに連絡は、都合はついてんのか?」


 会議が始まって初めて、マキナが口を開いた。


「あくまで一例よ、有名どころには話を繋いでもらう予定よ、もちろん歴史上の人物と縁のある人物とね」


 分かってるじゃねえか、とマキナは笑う。


「んじゃシルバーにはオレから連絡しとくぜ――――よお、聞いたぜシルバーの旦那、今度経営拡大するんだろ――ああ、金が要ると思ってな、いま目の前にいるから――ん、じゃあな――そっか了解、プロテインをいつもの3倍な、毎度あり……ほい、社長さんシルバーに話があるんだろ?」

「え……え!? ドラゴンさん、あなたシルバー選手と知り合いなの?」

「趣味でね、豆を育てて自家製プロテインを作ってる。それを各スポーツ団体やジムなんかと取引させてもらってる、シルバーはその1人さ」


 その後あっさり契約は成立、シルバーレクイエム選手の参戦が決定した。

 さらに青の世界ヒーローシティよりヒーローランキング総合1位、ファイアー・ボブとその相棒フィリップから快諾を得る事にも成功した。


「よし、ゴモン、ミナカ付き合え」

「兄貴、どちらへ?」

「赤と青の有名どころに話が通った、どうせならもう1世界から有名人を引っ張ってきて、商品の3本柱を作りたい」

「ええやん、カードゲームってなんや5色とか4色に所属がわかれとるのが普通みたいやし、うちらもそやって色分けできるようにしたろや」

「そんで、あては? どちらに訪問を?」


 マキナは、出発の支度をしながら答える。


「オレが案内できそうなのは多分2人、黄色の世界のリズ=ラビリア。黒の世界から、アマツミカボシ。有名どころを集めるならそんぐれいかな」

「「…………」」


 ゴモンとミナカは、それを聞いて時間が止まった。


 黄色の世界ラピスラピア。

 その全宇宙の創造主にして管理人、すなわち神、リズ=ラビリア。

 

 黒の世界世界(監獄)パンドラ。

 この世の悪の中の悪を封印し監視する宇宙の監獄、その番人、アマツミカボシ。


 それら2名に合おうとマキナは言った。


「OKくれるかなー」



 stage 5へ続く

少しでも面白いと思っていただけたら、↓の☆で評価してもらえると嬉しいです。

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