EX stage 1 ヴァベルの書庫
いきなりファンタジーな世界観になりましたが、
ご覧の作品は、どよトモで間違いありません。
次回のEX stageはこちらです
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「ゴモン、怖い怖い怖い怖い怖いぃ!!」
「ミナカ、別の出口を探せ!」
「い、いまやってますぅ~~」
逃げ回る2人に、ドラゴンの追撃が迫る。
ゴモンは、背の高い少年。
ミナカは、背の小さな少年(少女?)。
2人は、偶然たどり着いた巨大な書庫を逃げ回っていた。
ゴモンは膝立ちの状態でミナカの肩に担がれると、無限に続く本棚の奥へ奥へと駆け抜けていく。
本棚の隙間から、怒りに満ちたドラゴンの目が見えた。
「上だ!」
本棚の隙間を埋め尽くすように、光の矢が落ちてくる。
ミナカの機動力を確保するため、ゴモンはその場に飛び降りた。
ミナカが、本棚を足場に上へ上へと駆けていく。
隠し持っていた懐刀を取り出すと、光の矢を1つ1つ切り伏せる。
「どっ! せいっ!!」
本棚上部へと乗りあがったミナカは、正面に捉えたドラゴンに向けて刀を振り下ろす。敵との距離は数十メートル、普通刃が届くはずもないがこの場合は違った。
――大切断刀――
武器は大きく重いほど強い、その反面取り扱いが難しくなる。
ミナカの持つ大切断刀は、太さ・長さ・重さ、その全てを自在に操る事が出来る。破壊力と取り扱いやすさを兼ね備えたシンプルかつ強力な兵器である。
ミナカはそれを、ドラゴンの鼻先に向けて伸ばした。
音速を越えた一太刀が、ドラゴンへと迫る。
(確実に殺った!)
ガツン! と鋭い衝撃がミナカの手元まで響く。
「――――大切断刀……そうかお前、天之御中主神のコピーだな。年代から考えて6代……いや、5代目ってとこか?」
「な!?」
ミナカは驚愕した。
ドラゴンが日本語を話したこと。自分の出生をピタリ当てられたこと。
そして、指2本で音速の突きを止められたことに対して。
「ま、オリジナルならともかく、コピーなら消してもいいか……」
ドラゴンはミナカに向けて、手のひらをかざす。
ミナカの視界が、青白い光で染め上げられる。
自分が攻撃を受けた。
ミナカがそう理解したのは、彼(彼女?)が光に飲まれた後であった。
stage 2へ続く
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