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第11話 邪神復活!? 掟破りの1枚!

「うわ~派手やなぁ、これ自分で書いたん?」

「へへへ、自慢じゃないが絵には自信があるんだ」


 突如として現れた謎のプレイマット。

 紫黒く輝くそれを、細井さんは嬉々として見つめる。

 おや? っと、そこに何かが刻まれているのを細井さんは発見した。



「へへ、気が付いたか。早速こいつの力を見せてやるよ!」


 雷刃は、ズバッ! と右手をフィールドにかざす。


「これがプロカゲラスの祠、第1の効果!」

――――

デッキと儀式カード5枚が入ったEXデッキを混ぜてゲームを行う

デッキの枚数を50枚にする

――――



「この5枚がその儀式カードだ。こいつを合わせてシャッフル」

 メインデッキ38枚とエースデッキ12枚、

 合計50枚のデッキが完成した。


「なんやて! エースデッキを混ぜてしまいおった!?」

「この特性プレイマット『プロカゲラスの祠』には、ルールを書き換え自分だけのルールを生み出す力がある。どうだ? こんな発想お前らにはなかっただろう?」

「くっ! カードゲームあるある、テキスト小さくて読めん問題をプレイマットに書き込んで解決しおるとは……」


 細井さんは、いきなり面食らった。

 どんなとんでも効果を持ったオリジナルカードを繰り出して来るかと身構えていた彼女だったが、まさか効果付きのプレイマットが出てくるとは夢にも思っていなかった。


「先行は俺が貰う、いいな?」

「……おう」


 先行を手にした雷刃は、カードを2枚ドローした。


「おっと運がいいぜ、いきなり1枚目だ」


 雷刃は謎のカードを1枚、プレイマットの真ん中にセットした。

 

「そして俺は、『暗黒神の狂信者』を召喚」


暗黒神の狂信者

攻撃:0

HP:8

相手は必ず、暗黒神の狂信者を攻撃する。

墓地のこれを除外して、攻撃は無効になる。



「このセットされた儀式カードが4枚そろったとき、プロカゲラス様は復活する。

 これで俺はターンエンドだ……聞こえなかったのか? ターンエンド!」

「いやいや、素材は? コストはどないしたん? それにドローは4枚やで」

「よくぞ聞いてくれた、それがプロカゲラスの祠の効果なんだよ」


 雷刃は、再びプレイマットを指さす。


――――

ターン開始時ルールを書き換え手札を2枚ドローする。それらのコストは必要ない

自分は邪神シリーズのカードを使える

――――



「無茶苦茶やなぁ……」

「天才的と言ってくれ、お前らのゲームを生まれ変わらせてやってんだ」

「ところで狂信者は攻撃はせえへんの、オレ今無防備やで」

「こいつは攻撃できねえんだよ」

「うん? ……どこにも書いてへんけど」

「攻撃力0になってんだろ!」

「ふぅ~ん(そないなルールないんやけど、まあええか)」


 細井さんは、それ以上何も言わずゲームを続ける。

 ルールに従いカードを引き、シールドをセットする。


 そして、雷刃のプレイマットをあらかじめ読んでおく。

――――

ライフは13点

シールドは存在しない

EXデッキは存在しない

儀式カード4枚をそろえる事で邪神は復活し、自分と一体となる。

――――



「なあ、邪神が復活するとどうなるん?」

「さあ、どうなるんだろうな?」

「卑怯やで……テキスト隠すなんて」

「卑怯? お楽しみはとっとくもんだぜ。

 そうだ、1つだけサービス、俺はプロカゲラス様復活まで一切攻撃はしない。それをしちまったら、一方的すぎるからな~」

「ふぅ~ん、なんかヤバいって事は分かったわ」



 なので、彼女は速攻で決着をつける事にした。


 コストを払い、切り札エクス・マキナを召喚。

 デウス・エクス・マキナで壁となる狂信者を破壊する。


「さらにオレは『八百万(やおよろず)シリーズNo00001(ファーストナンバー) ミナカ』を2体召喚」


八百万やおよろずシリーズNo00001(ファーストナンバー) ミナカ

コスト0 エースカード

攻撃:6

防御:3

(能力なし)

 ~フレーバー~

 ルール説明・カードの使用方

 カードを使うにはまず、カードの使用を相手に宣言して左上(コスト)の数値分、場に出ている素材を墓地に置かなければならない。

 素材が足りないときは、場のエースカードを素材にすることもできる。

 コスト0のミナカは、素材としても優秀なカードだ。 



「マキナとミナカの3体で攻撃」

「いいぜ。……全部通ったら6点か」 

 雷刃はデッキをめくり、ダメージチェックを行う。

 途中、チャンスカードが計4枚めくれた。

 1枚~3枚目の効果で雷刃は自身のデッキを破棄(合計12枚)

 最後の1枚でデッキをサーチし、2枚目の儀式カードをセットする。



 雷刃はターンを受け取り、カードをドローする。

 そしてその2枚を場に出す。


プロカゲラス・サーヴァント

モンスター

攻撃防御:0

儀式カードの数だけ全てを+1する。


邪神の骸

モンスター

儀式カード1枚をせっとする



 雷刃は、骸の効果で3枚目の儀式をセット。

 さらにサーヴァントの効果で3枚ドロー、デッキを3枚破棄。全てを+1するというテキストが、まさか手札や墓地を増やす効果だとは思わなかった細井さんは思わず突っ込んだ。


「どゆこと、攻撃や防御が増える効果ちゃうん?」

「いや、弱すぎんだろそれ。儀式カードが無かったらステータス0なんだぜ、全部そろっても4が限界。それなら元から強いカード入れるっての、ちょっと考えりゃ分かるだろそんくらい」

「……さよか……さよか」


 雷刃は増えた手札を使って、さらにリソースを増やしていく。

 コストが存在しないため、引いたカードが次のドローに繋がるのだ。

 ドローの合間に破壊効果まで発動し、細井さんの場はエクス・マキナを残して全滅させられてしまった。

 おまけに墓地効果を持ったカードが大量に破棄され、雷刃の盤面は盤石と言っていい状況だった。


 しかし…………


「クッソ―! なんで来ねんだよ、サーチ札10枚も入ってんだぞ!」

「底に固まっとんのやろ、最初しっかりシャッフルせえへんから」

「しまった! 昨日組み直したとき、パーツを全部1纏めにしたまんまだった!」

「それは……気の毒に……」


 盤面は盤石、しかし雷刃が求めていた最後の儀式カードは来なかった。

 雷刃は歯噛みしながら、ターンエンドする。


 ターンを受け取り、盤面を再構築しようとする細井さん。

 しかし、エースを呼び出すための素材が足りない。


「しゃあない、2枚あるしここは1つ……」


 細井さんは、[デウス・エクス・マキナ]を宣言。

 雷刃の壁モンスターを薙ぎ払う。


「へっ馬鹿の1つ覚えだな」

「それで勝てるように生まれたカードやしな、さらに――」



時空跳躍 ディメンジョン・リープ

コスト0 アクションカード

『リミット:100』

①か②どちらかの効果を選び使う。

①カードを2枚引く。

②山札を12枚破棄する。破棄したカードが全て違う名前のカードであれば追加ターンを得る。

(チャンス!)デッキの一番上のカードをシールドにする。



「選ぶのは①や」

「馬鹿って言えばさ、それも馬鹿を勝たせるカードだよな。運よく12枚違うカードなら、一発逆転が出来るカードだろ?」

「かもしれへんな――まだ足りひんか」


領地開拓

コスト0 アクションカード

墓地の素材カードを2枚まで選び、手札に戻す。

2枚戻したなら、手札を1枚選び捨てる。

(チャンス!)カードを1枚引く。

 ~フレーバー~

 ルール説明:手札について

 手札はメインフェイズ終了と共に、墓地に捨てなくてはならない。

(使い切れないカードは、このカードで素材と交換しエースの召喚につなげよう)


「こんなもんか……ほないこか!」



春の運び手 キルモーフ

コスト0 エースカード

攻撃:2

防御:2

[バトンタッチ]

このカードを素材に使用するとき、素材2枚分として扱う。

 ~フレーバー~

 フェフェルフォフォフォ~!。フェフォ、フェフォフォーーーー

訳)こんにちは、ぼくたちはキルモーフ! 芋虫のモンスターだよ。

 ぼくたち戦う力はあんまりないけど、君の役に立ちたいんだ。

 こまったらいつでも呼んでね、誰か強い人を呼んできてあげるから。



 細井さんは素材カードからディアークを、キルモーフを素材にサニー・サンシャインを呼び出す。この2体に守りを任せて、一気に攻勢に出る作戦だ。 


「一気にいくで!」

「こい!」


 雷刃の残りライフは7、全部受けても耐えきれる。

 防御札を温存すべく、雷刃は全ての攻撃を素通しした。




 ――――そして、時は満ちた。

 雷刃の引き当てたチャンスカードの効果によって、

 4枚の儀式カードが場にそろった。


「な!?」


 彼女の視線は盤面にくぎ付けになっていた。


 雷刃の持つプレイマット、鉱山か洞窟の中、黒光りする鉱石のイラストが輝くそれに儀式カードに描かれたイラストが重なり合う事でその正体が判明した。


 それは巨大なモンスターだ。


 モンスターの顔に当たる部分が白く塗りつぶされていたため、暗い洞窟か何かだと思っていた。新たに顔が追加されたことで、黒光りする鉱石たちは魔物の爪や牙、体を覆う鱗である事を理解できるようになったのだ。


 邪神プロカゲラス、プレイマットという巨大な空間に現れたそれは、その大きさに違わぬ強大な力を秘めていた。


「ふはははははは!! これがプロカゲラス様の力だ!!!!!

 どうだ、思い知ったか。封印解除を許した貴様の負けだぁぁ!!!!!」



 ――――カツカツカツ

 っと、テーブルを削るような音が響く。


「ああ、よう思い知ったわ」


 ――――カツカツカツカツカツカツ

 細井さんが集中力を高めているのだ。


「めちゃくちゃ倒しがいありそう(おもしろそう)やってな!!」




 雷刃はついに邪神プロカゲラス、

 その全貌を開示する。


続く

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