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瓶に詰めたモノ

作者: 九十九里

純粋に輝く瓶

おかあさんからピカピカのガラスの瓶をもらった男の子

この中にきれいなものを入れたら、もっとすてきになるだろうな



男の子はいろんな人を周った

いろんなきれいなものを瓶に詰めてもらうため


隣に住むおにいさんからは、旅行で買った金のベルの彫られた硬貨を

ちいさな友達からは、公園で見つけた四つ葉のクローバーを

大好きなあの子からは、お気に入りの七色のビーズを



暖かく鮮やかになった瓶

男の子はいつも両手で抱えていた



あいつ変な瓶をもってるぞ

しかしそんな瓶を嫉妬した子供がいた

その子供に促され、大勢の子が瓶にモノを詰め込んだ


泥水、虫、雑草、塵


男の子はそれを止めた

けれど、みんな知らんぷり


瓶にひびが入る

大切な人からの贈り物が塗りつぶされる、汚される


ガシャン

目の前で、はちきれそうになっていた瓶

底のひびから砕けた



粉々になった瓶

それでもぎゅっと抱いて男の子は帰る

贈り物は男の子には見えなくなっていた

冷たい瓶の口に栓を押し込める

既に底がないのに



もうだれにも瓶にモノは入れさせない

瓶は一本しか持てないのだ


腕の中の鋭利なガラス片

男の子を貫いて離さなかった


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