やば、なんか鈍い音がした
※あらすじを見てない方は、先にあらすじを読むことをお勧めします。
とりあえずぎっくり腰のダメージを堪え顔にも出さないようにしつつ、口説き続ける主人公。
美少女は近付けられた顔に照れながらも目が離せず、そのおかげで主人公の震える足は見られていない。
しかし足を震わせながらもそれを悟られぬ様に語り続ける主人公の近くに不順異性交友に厳しいことで有名な教師が近くに迫るのがたまたま見えた。
美少女はまだ主人公に気を取られていて気付いていない。
そしてその先生は学校一の美人先生。今後のためにもここで先生の評価を下げたくない!だが動けない!
どうすればいい!?ぎっくり腰は外国では魔女の一撃と呼ばれるようにとても痛い。いやだがぎっくり腰になってすぐは痛いが意外と動けるのだとか?いやだが動けてもこの痛さは顔に出てしまう……それはプライドが許さない。だが動かないと教師がもうすぐ来てしまう。……いややれる、俺様ならいけるはずだ!なに、いつも通りの笑顔で極自然に美少女に話しかけ、教師にはすれ違う時に挨拶をするだけ……そういつもやっている事だ。
そう考えまず自然に体を起こしつつ美少女の手を引き、あまりの激痛に唇の端がひくつくもそれ以上顔に出さずに済んだ。かなり痛い、痛いがやれる!
そう確信をし、次は声にも出さないように意識して「ねえ今週末どこかに行かないか?」なんて聞くんだ。
いや教師がだいぶ近付いて来たから慌てず先に「先生お疲れ様ですね、さようなら」とでも言おう。教師はプリントに意識が向いていてこっちを見てないし、適当に挨拶をして教師が通り過ぎた後に窓際に寄りかかりながら話をすればぎっくり腰も誤魔化せるだろう。
さあ、先ずは教師に挨拶をするんだ!
「先生お疲れ様ですね、今週末どこかに行かないか?」
………………あれ?
もしかして、いま、ものすごい言い間違えをした?
突然の事にポカンとして足を止める先生と同じく間の抜けた顔をする美少女。
その数瞬後先生は顔を赤らめ口を開いた。
「え、えぇ突然どうしたの? 今週末はちょっと接骨院に行かないと行けなくて……」
しとろもどろになりながらそう言う先生。
そういえば先生昔事故って接骨院に通ってるんだっけ。あとその事故で元々低い身長が2cm縮んだのを気にしてるらしい。そんな関係のないことを考えてしまうほどにもう既に諦めが入ってきている。今言い間違えた事を伝えればまだセーフになるかな....?
と考えた所で涙を浮かべながら怒り顔の美少女が声を張り上げた。
「それなら! 私達も接骨院行きます! そこで決着をつけましょう先生!」
まてえええええ! なんでそうなる!?
「……えぇ、いいでしょう」
先生も先生でなんでそんな真剣な顔して乗り気なの!? え?なんで俺も参加なの?接骨院で三人でデートになるの?
混乱する中、更にもう1つの影が降り立った。
人影は落下の勢いのまま俺の脳天に手刀をかます。
やば、なんか鈍い音がした。
今度は脳内で。
そうだ、思い出した。
俺は、手刀を極める旅に出なくてはならない。
〜翌日・朝〜
俺は今駅前にいる。
昨日はあのあとさらに混沌とした様子を見せたが、なんとか収めることができた。
そして昨日思い出したこと。
俺は、手刀を極める旅に出なくてはならない。
その旅には様々な困難があるだろう。
「っしゃ行くぞ!」
だがもう覚悟はできている。
気合も入れた。
駅へと歩き出す。
何気なく首を鳴らし、肩を回す。
二歩目
三歩目
四歩目
そこに、罠があった。
「ーってええぇぇ!?」
トラバサミだ。
だが刃は尖ってなく、鋭くもない。
だが挟む力が強く、足を取られてしまう。
そのタイミングは丁度首を鳴らすタイミングと被る。
ボゴッ
やば、なんか鈍い音した
そしてそのまま転び、膝から着地
ボリッ
やばっ、なんか鈍い音した
そしてさらに転んでバランスを崩したせいで変に勢いがついたのか回していた肩からも
ボギィッ
ヤバイ、明らかにまずい音がした
「おおおぉぉぉぉぉ!?」
そして最後に頭をぶつける。
ヤバイ。耳鳴りで鈍い音しか聞こえない
ここまでで1、2秒くらい。
反応する間もない急激展開である。
いやマジで痛い!?
色々といきなり起こり過ぎて対応できない!?
なんでこう一気に関節をやられるの!?
動けないんですけど!?
いやそもそもなんでこんなところにトラバサミがあるの!?
様々な疑問、特にトラバサミへの疑問が頭を駆け巡る。
そしてその疑問の元凶が現れた。
「......とったどー」
「人を罠にかけておいて最初に言うことがそれ!?てか古くない!?」
昨日俺の脳天に手刀をかましてくれちゃった名前も知らぬ誰かさんである。
「...まじで誰だよ!?」
「私は四天王の一人、ヨン・バン・メノヒト」
続く
続かない!
次回(無いけど!)予告!!
「なるほど、感じる、ですか」
そして、俺は、サトラーへの道を開いた。
「バカな!!ツッコミ力を犠牲にスルー力をガン上げするサトラーに転職するとは!!
貴様、まさか本当に寝返る気かぁぁーーー!!?」
「いっ、いったいどうしてこうなったんだ…」(顔が劇画風)
「話せば長くなる......全てはあの時、【女の霊が毎晩一段ずつ階段を上がって来るので、とりあえず一段上に盛り塩してみた】というタイトルを見た時に始まった」(劇場版風)
「ほう……詳しく聞こうじゃないか」(ラスボス風)
「「「ナ・・・・ナンダッテー」」」Ω Ω Ω
「ぬぅ…あれはまさか伝説の喪痢死雄」(男◯風)
「ハッ、話は長くなるんだ........まずは一杯いこうじゃないか」(西部劇風)
あ…ありのまま 既に 起こっていた事を話すぜ!
「おれは 燦々SUNさんの作品二次創作を書こうと
思ったら いつのまにかこの作品を書いていた」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何があったのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか目の錯覚だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…
(ポルナレ風)