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第1話 プロローグ
···5年前···
階段を駆け上がる。扉の先は一見何もないように見える。
だが、それは違う。この景色はホログラムでできているのだから…
背後から誰かの足音が聞こえる。そう、その足音がする方向を振り返ると…そこには男が立っていた。
「浅岡 洋一だったかな?」
「冴島 敷常 お前を国法第44条 サイバーテロ及び、その他の罪で逮捕する。」
「捕まえれるなら逮捕してみな。 僕を逮捕できるならね。」
と犯罪者をあと一歩というところで逃がしてしまうところでもう一人の刑事が犯人を押さえつけた。
「洋一、早く撃て」
「でも、おやっさん。そのままじゃあんたも…」
「撃つんだ。洋一」
「うわぁぁぁぁ」
···現代···
ふと目が覚め 時計を見る。
時間は午前9時 「やべぇ、急がねぇと」
···公安課特殊事件捜査班···
「遅いですよ刑事」
職場につくと新米らしい女性刑事が怒ったような顔をして言った。
「悪いな。品見川」
そう、この物語は犯罪者を抑圧、または断罪するものたちの物語。そして、俺は5年前取り逃がした。あいつを今度こそ断罪する。