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暮らしのヒント

暮らしのヒント 発泡剤とバリウムの飲み方0~1年前の出来事~

作者: 山本大介

 メモ書きがありました。

 私は一冊のらくがき帳を振り返って読んでいた。

 あの発泡剤とバリウム体験の一年前の出来事。

 これは男の苦悩を描いたドキュメンタルである。


 やっぱり何においても健康が一番だなと感じた日々だった。

 先日行われた健康診断の結果がでて、胃の透視が再検査にひっかかったのだ。


 胃透視・・・私は本当に苦手だ。

 結婚する何年か前に初のバリウム体験をしたのだが、発泡剤が口の中で広がり見事にリバース。その後も看護婦さんに薦められ再チャレンジするも、紙コップ(バリウム)を持つ手が震えて、口に持っていくのを脳が拒否しギブアップしたのだった。

 会社内での検査もあって、かなりの人を待たせてしまったのもある。


 それ以来、周りに迷惑(時間がかかる、出来ない)をかけるのを理由に、私は胃透視を避けてきた。だが、今年はそうもいかないようだ。

 結婚して、初の健康診断、胃透視の事を言うと奥さんから絶対にしなさいと怒られた。

 私は胃に自信があると言っても、やんなさいの一点張り、何かあった時どうするの。

 ただで受けられるんでしょ、やらなきゃもったいない、あなたの為よetc・・・。


 で、しょうがなく胃透視に臨む。

 コップにつがれたバリウムをちびちび飲む作戦を決行した。

 看護婦さんが「一気に飲んでください」と言うのを「すみません、飲めません」と愛想笑いし、なんとか飲み干した。

 かなりの時間が経っていただろう。飲みながら喋っていたし、あまり良くないよな。

 と思いつつ、秘密基地ショッカーにさらわれた本郷武よろしく拘束され、(やめろー)と機械でぐるぐる回る。

 なんとか、耐えてはじめて検査を終えた時、私は充実感があった。

 私にもできた。そんな満足感だ。

 妻には「んー、大丈夫やった。思ったより、うん」と軽口を叩いた。


 で、私はショックを受けながら検査結果の紙を持ち、スマホで検査結果の症状をびくびくしながら検索してみる。

 まぁ、結論的には大丈夫みたいなことがかかれてあったが、どれも再検査は受けた方がいいと書かれてあった。

 胃カメラしなきゃいけないのか、私は未知なる恐怖に震えた。


 ふう・・・家族の事が目に浮かぶ。

 よしっ!

 どうせやるならやらねば、会社の休み時間に、早速、病院へ電話、再検査を次の休みの日に速攻で予約した。


 ・・・こうなると、検査結果が出るまで仕事も手につかず、余計な事ばかり考えてしまう。

 ひょっとしたら、いや大丈夫!結果が出る前から、いろいろ悩んでもしょうがないだろう。

 もし何かあったら奥さんに申し訳ない等々、溢れるマイナス思考。


 家に帰っても、ぼんやりしてしまい奥さんに励まされるが、うわの空。

 親にも何かあったら話さないといけないのかと考えが壮大になってしまう。


 検査前の前日、いろんな事が頭を駆け巡る。

 21時、絶食。

 早々に就寝した。

 明日に備える。


 再検査当日。

 奥さんに付き添ってもらい病院へ行く。

 この緊張感は半端ない。

 朝一の八時に到着、紹介状を渡し、その後はまな板の上の鯉で順番を待つ。

 看護婦さんに呼ばれ、先生の受診、胃カメラの説明を受ける。

 私は麻酔をすると怖くないと聞いていたので、いの一番に「麻酔をしてください」とお願いする。あっさりOKがでてほっとする。


 外で待つ奥さんにこれから検査があることを伝える。

 ほどなく看護婦さんに呼ばれ、検査に対する一通りの説明がある。

「緊張していますね」(当然でしょ)「はい」「初めての方は麻酔の方がいいんですよ。おススメです」(やっぱりそうか)と話しかけてもらい、リラックスさせていただいた。


 脈や熱を測った後に点滴をする。

「さぁ、いきましょうか」看護婦さんの言葉で立ち上がり、私は点滴をした状態でロビーを抜け、検査室へと向かった。


 ベッドで仰向けになると、麻酔の先生が説明される。

 口の中にゼリー状の物を含み「五分間、そのままでお願いします」と言われる。

 マウスピースを装着。これが結構、気持ち悪い。「それでは麻酔入れます」(いよいよか・・・)しばらく先生と助手?の方が喋っているのを覚えているが、あっという間に麻酔が効いたらしく、ここからの記憶が全くない。


 目覚めて気付いたら別室だった。(あれ、もう検査、終わったの?)

 奥さんに「胃カメラ、うえってなるよ」とさんざん脅されていたが、なんということでしょう、知らない内に検査が終わっていた。

 麻酔ってすげー!


 検査結果は「大丈夫ですよ。お疲れ様でした」というあっさりとしたものの嬉しい知らせだった。(良かった~)

 途端にぱっと目の前が明るくなり、健康に感謝した。

 ラインで奥さんに結果をすぐ知らせる。喜んでくれた。


 本当に健康である事が、いかにありがたいかを身に染みて感じた日々だった。

 こうなってしまうと、仕事や他の悩みなど大したことではなくなってしまう。

 いかに健康が大事であるか。

 

 胃カメラは麻酔にかぎる。

 それとバリウムは正しく飲もうと思った。


 いや~健康は大事ですよね。

 良かったら、みなさんの感想聞かせてください。

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