表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

お互いの名前

ゆっくり更新続けていきます。


「えー、それでは、契約のほうに入っていきたいと思います。」


「お前、なんでそんなにいつも口調が軽いんだよ。どうでもいいけど。」


「まずは僕を楽しませてほしいという条件を満たして、君は生きている。つまり契約ができる!僕のお願いを聞いてくれたんだから、僕も君のお願いを聞く責任があるね。

というわけで君のお願いはなんだい?」



俺の願い。

右腕は正直早く治したい。ただ、時間をかければ俺でも復活草や超薬草に手が届く可能性がないわけでもない。最悪生きていけるわけだ。悪魔を使ってでも直したい最優先事項かといわれると少し怪しい。


故郷の復活を望んでいないわけでもない。ただ、失った命まですべてとなると流石にこの悪魔でも無理だろう。その代償を追加で要求されたら、流石に全員分の命に見合う物なんてない俺に待っているのは死のみだろう。


俺の願い。

ステータスがチートじみた元魔王を一発ぶんなぐってやりたいという気はあるが、この悪魔の全力をもってしてでも、きっと元魔王に対抗することは一筋縄ではいかないだろう。


「…となると、相棒か。」


「考えはまとまったかな?」


「俺の事を裏切らない相棒になってくれ。」



そう、相棒だ。俺が今欲しいのは絶対に裏切らない仲間だ。以前ステラに裏切られたことが尾を引いているのかもしれないが、生き抜くためにはうまく立ち回る必要がある。


1人では出来ないことでも、もう一人いればできる事だって増えてくる。そう思い至った俺は、素直に悪魔を仲間にすることを選んだ。



「相棒!相棒かぁ、ざっくりとした契約だね。けどいいよ、人間とペアになって行動するのも面白そう、というか君とだと面白そう!」


テンションがやけにあがっているのを感じる。そんなに相棒というフレーズを気に入ったのだろうか。



古来より悪魔を従えている一族があると噂にあったが、どうやら本当に実在しそうだと思うようになってきた。



「それじゃ契約は成立だね。後は僕に名前を付けておしまい。」


「お前は9番の魔導書だからな。単純だがクゥって名前でどうだ。」


「りょーかい。今日から僕の名前はクゥだよ。後契約には君の名前も必要だよ。」



意外な所で躓いた。

俺の名前はないし、そもそもで自分の名前がいるなんて聞いたことがない。もうめんどくさいし、クゥにつけてもらおう。


丸投げだ。



「クゥ、俺には名前がない。契約のついでに名前を付けてくれよ。」


「僕がつけていいの!やったー!

なににしようかなー、昔の英雄とか魔王から名前をとってくるのもいいなぁ…」



こいつのセンスに丸投げしたことが不安になってきた。昔と言っているが、こいつ何歳なんだよ。


「名前決めた。アルト・クレイル。君の名前はアルト・クレイルだよ。」


「アルトか、クゥのセンスがぶっ飛んでなくて良かった。

これで契約成立か?」



そういい終えた俺の目の前にクゥがすり寄ってきた。妙に俺の事をじろじろと見てくる奴だな。


「契約というと魔方陣とか、盛大な光が出るとかイメージがあったが、口約束のようなものなんだな。こんな普通に契約って進むのかよ。」



そういい放った瞬間に、クゥの顔が目の前に来た。

今まで悪魔として認識していたからそんなに余裕がなかったが、よくみてみるととてつもない美少女だ。澄んだ青目に、青色の長髪。軽く結んであるが、少し動くと揺れる髪はとてもきれいだ。


そして悪魔だからなのか変わった服装をしている。短めの半袖でおへそが出ているし、下のスカートも短いくせにうまく動いているのか下着は見えていない。尻尾がスカートの下から顔をのぞかせているが、先はイカリのような形だ。


短い角が左右に対になっていて、羽根も飛べない位小さい。服は悪魔仕様なのかスカートも上着もしっかりと穴が開いている。



「そんなにじっと見てどうしたの。もしかして僕に惚れた?」



ウインクしながら上目遣いで言い放ってきたその言葉と、明らかに自分が可愛く見える角度を知っているかのようなポーズ。いかん、女にうつつを抜かして死んでいった馬鹿な同郷の奴らを見てきたはずだ。



「あのね、契約はあと一つのことをすれば終わるんだ。」



あと一つあるのか。

そう思った矢先に、俺の唇にクゥの唇が触れた。



「はい、契約完了!これからよろしくね、アルト。」



こうして意外な所で俺のファーストキスは奪われた。しかも悪魔に。



「ちなみに僕もファーストキスだし、何なら処女だからね!」



くだらないことを追加情報として渡してきたこの悪魔を早々どうこき使ってやろうかすぐに考えてやる。そもそも悪魔ってどんな能力を持っているかも分からないな。


まず初めにやることといえば、キスのことは置いておいてお互いの能力やステータスを知ることからだ。



「正座。」


「もぉー、なんで!」


相棒というくくりがざっくりしているのだからか、俺の簡単な言うことは聞いてくれそうだ。


こうして、正座の状態でプルプルと震えるクゥを見ながら、お互いの情報を交換することで夜は更けていった。




3日に1話投稿できたらいいなとか思ってます。時間を上手に作っていきたいものです。

次話投稿日は未定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ