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宣戦布告

「な、何を言っているんだ!そ、そんなことをしたら!」


「あ?なんか問題でもあるか?」


「そいつが国王になったら、魔王や魔女、少女さえも蘇ってしまうかもしれないんだぞ⁈」


「そしたら俺の部下にしてやるよ。」


実際、俺にはこう断言できるほどの自信があった。


今の自分の実力、そして前の世界で得た戦いの経験則からなるものだ。


「それに、俺はこいつの側近の専属メイドだ。二人で一人みたいなもんだろ?」


「き、貴様ー!」


「だからこういうのはどうだ?」

「俺とメルンは国王になろうとしている。なら俺ら以外の奴らで、俺たちを止めてみろ。」


「もう話にならん!騎士たちよルミナ・ジェーミンをこの場で処刑せよ!」


「「はっ!」」


騎士約300人、しかもたった一人に全員でかかってきた。


俺を囲い、一気に全方向から襲いかかる作戦なのだろう。


「いけーーー!」


「うぉぉぉぉぉぉ!」


思った通り騎士たちは全方向から、襲いかかってきた。


俺はとっさにメルンから離れた。


「ルミナ!」


メルンが心配そうにこちらを見ている。


だがそんな心配も無駄かのように、俺は一瞬にして騎士全員の剣を折り、風の魔術により全員を吹っ飛ばした。


(これ以外と気持ちいな、スカッとする。)


実際俺も人相手に魔術を使うのは初めてだった為、少し爽快感があった。


厳しい稽古をした甲斐があったというものだ。


「そ、そんなばかな・・・」


「これで国家騎士かよ、か弱いメイド相手に簡単にやられるなんてお前ら弱すぎたろ。」


「いや、あんたが強いのよ。全然か弱くないし・・・」


ベタなツッコミありがとうメルン。まぁ、このツッコミをされたくて言ったんだけどな。


「これでわかったろ。俺がここまで自信げに言う理由が。」


「くっ・・・」


議員の奴らが悔しそうにこちらを見ている。俺は心の中で[ざまぁみろ!]と思っていた。


「メルン、これでお前釜今ここで死ぬ理由はなくなった。そして俺は宣言通り、お前を国王にする。」


「でも私がなったらみんなが・・・」


「そんなことはなってから考えればいい、今は王になってみんなの為に出来ることを考えようぜ。お前が安全だってことも。」


「!!!」


メルンは目から大量の涙を流して喜んでくれた。


「うん、私なる国王になる!」


「あぁ、そのいきだ!」


俺はメルンを抱きしめた。メルンの涙が肩に染み付き、メイド服、下着を通り越して俺の肌に染み付いてきたのがわかった。


そして、俺はメルンを抱きしめた後、他の候補者の方を見た。


「あと、お前らにも言っておく事がある。」


「メルンを国王にするということは、少なからずともお前はと争うことになる。そこでだ。」


「今ここに、私ルミナ・ジェーミンは北、南、西の三つの領土を統括する候補者及び、下部達に王選定に関し、宣戦布告する!」


「なっ!」


候補者全員が驚いた表情をしていた。


「ほんまにいいのかい?宣戦布告するという事は奇襲や暗殺といった類いの事を許すということやで?」


「あぁ、なんでもやってみよろ。」


「一つ言っておきますが、ただ今この場にいる国家騎士は昨日入団したばかりの新人。」

「本来の騎士、魔術師はもっとレベルが高いです。先程程度の力では簡単にねじ伏せられますよ?」


ナルスがドヤ顔を決めながら言っていた。毎度こいつはなぜか見るだけで腹が立つ。


「お前ら何も分かってねぇな。」


「なんですと?」


「お前ら少しも思わないのか?女の見た目をしているのにもかかわらず、性格は男みたいなことに?」


「それがどうしたと言うのです?」


「簡単に言おう、俺は前世の記憶を持っているということだ。」


「それがなんだと言うのだ?」


「俺の前世は総勢3000人を配下に収め、一度に500人を相手にしても負けねえほどの力を持っている。」


「もし、俺が言ってる事がただのハッタリだと思うなら奇襲でも暗殺でもなんでもしてみろ。負けねぇぞ俺は。」


俺は初めて使えるようになった魔術、威嚇するように目を尖らせ風魔術で自分の周りから強風で圧倒すると言うものだ。


「・・・くっ!」


「それで、アドスさんあとやる事があるなら進めてくれ。」


呆然としているアドスは声をかけられ、我に戻ったかのように首を振った。


「それでは次に此度の王選定候補者に参加するもの、確認をさせていただきます。」


「四人の皆様全員参加に異論はありませんでしょうか?」


「異論なし。」


「うちもあらへんよ。」


「わ、私もありません。」


「異論なしです。」


「それでは異論なしという事で、これより四人の候補者の皆様による王選定を開始致します!」


(いよいよ始まったか!)


候補者たちはそれぞれ、我こそが王になるぞと言わんばかりの引き締まった顔をしていた。


「なお、詳しい選定方法に関しましては後日お伝え致します。」


「これで、今回の議会は終了とします。」


(なんだ、これで終わりか・・・)


議員、騎士、他の候補者達が出て行く。


そして俺はメルンの元へ向かい、手を差し伸べた。


「さぁご主人様俺たちも行こう。」


「うん、行こう。」


さぁ始めよう、俺の新たな目標を達成するために!












読んでいただきありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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