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俺の知らない歴史

「それでは議題に入りたいと思います。」


「此度、この様な王選定をする事になった経緯を知らない方はいないと思いますが、その説明から始めたいと思います。」


すみません、ここに一人知らない方がおります・・・。


「今から一ヶ月前、現国王のトーマス・ザレス殿下が突如姿を消しました。」


(国王が⁈でもどうして。)


「我々はいくつか理由を考え、結果一つの結論に至りました。」


「それは、『魔王』と『魔女』の復活が近いということです。」


魔王に魔女⁈そんな存在のやつが存在したのか⁈


「今から300年前、魔王と魔女による魔人を統括する覇権争いにより、我々魔人以外の者達も多大な被害を受けました。」


「ですが、ある時一人の青年の力により魔王と魔女率いる魔人、魔獣は彼の作ったゲートにより別世界へと葬られました。」


魔王と魔女をあっさりと・・・!そんな強いやつがいたのか・・・。


「その当時の国王は礼をしようとその青年の元に向かおうとした時、後ろからナイフで青年を刺し殺した者がいたのです。」


「その青年を殺した犯人は女の子で、その見た目は愛らしく、人を殺す様な事をするとは思えない程とか。」


青年は油断してたのか。いやでも魔力探知をしてれば、人の気配なんて普通にわかるはずだが・・・。


「その後この国の救世主を殺した罪として、国の騎士や魔術師が、捕まえようとしたところ、ものの数分で約1万の兵と魔術師が死にました。」


数分で⁈そのぐらいの強さなら、魔力探知を回避する、探知回避を使えるな。でもこの魔術はかなりの高レベルで、俺も最近ようやく無詠唱でできるようになったばかりなのに。


「そしてその少女は国王と、側近の下部を一人殺さずある事を言いました。」


『我は魔人でもお前らと同じ人種でもない。そして我はもう死ぬ。だがこの力と我の意思は引き継がれる。引き継がれた人間は我と似た容姿になるだろう。』


『そしてその者が生まれて17年経った時、この我の望む国になっていなければ、国王をさらおう。そして、我の力で後継者に我の望む国を作ってもらおうぞ。』


「そして少女は煙のように姿を消しました。」


(魔人でも人間でも無いということか?でも国王が消えたということは・・・)


「このことから皆さんの思うように、その少女の意思と力を継承した後継者が現れたという事です。」


俺は数々の魔術を無詠唱でできるようになり、強くなってきたが話を聞くとまるで勝てる気がし無かった。


「あのー少し話が変わるんやけど、メイさんはいつもこんな感じなのかい?」


「い、いえ、ち、違います。」


「なるほどな、やっぱりメイちゃんも怯えているのやね。うちも、話を聞けば聞くほどここにきた時よりも怖くて仕方ないわ。」


(どういうことだ?何に怯えているんだ?)


俺は何を言っているのか分からず、メルンに聞くことにした。


「ご主人様、あの方達は何をおっしゃっているのですか?」


「・・・」


メルンは下を向き、返事をしてくれない。


「なんだお前は知らないのか、ルミナよ。」


メルザが少し驚いた顔で俺を見ていた。


「は、はい。」


「ならアドスさん、ほな続きをお願いしますぅ。」


「は、はい承知しました。」


「結果、我々は青年の名を知ることができませんでしたが、その方を『勇者』と称し崇めました。」


「そのことと同時に国王は、少女の事を国民に公表しました。」


「勇者は今はいない事、その少女に殺された事、後継者がいつか現れる事、そしてその少女の容姿を。」


「その後、国王は生存していた魔術師の中で上位四人を東西南北の領土を統括する者とし、王が拐われた時、その四人から新国王を即位させるようにしました。」


「そして長い年月が経ち、今回に至るというわけですが。」


(なるほど、そういう事だったのか。するとメルンの祖先は上位魔人師だったのか。だから魔術だけはすごかったのか。)


メルンの事を少し驚きながらも魔術の腕、今回王選定の候補者になった理由を理解した。


だが何故かアドスは話し終えると暗い表情だった。


周りを見ると、みんなも暗い表情だった。


確かこの話はとても有名な話だと言っていたが、そしたらみんな知っていての表情なのか。


じゃあ何故俺は知らない。この世界の歴史は学んだが、このことについては全て初耳だぞ。


そこで、俺はアドスに質問をすることにした。


「失礼ながらアドス様、私はその少女の容姿を知りません、どうか教えていただけないでしょうか。」


そういうと周りのみんなは一堂に俺を見た。メルンも、俺を驚いた顔で見た後、前を向きた。


「な、なるほどな。あの名高いジェーミン一族がこんな大事な事を話さないとはな。それは娘に、柔軟に主人に仕えるための慈悲ですのかいな?」


「はっ、その通りでございます。小さいルミナにはあまりにも負担が大きいかと思い、伏せておりました。」


(どうしたんだ父さん。どういうことなんだ。)


「じゃあそのこともアドスさん、お願いしますぅ。」


「はっ、300年前のその事件の際、国王の側近の下部は将来、後継者が現れたら全力で国王になる事を阻止させるように言われたそうです。」


「その下部の名は、オルド・ジェーミン。ルミナ、あなたの祖先です。」


(俺の祖先・・・⁈)


「そしてその少女の容姿は、薄いピンク色髪と目をしていたそうです。」


「そして、その容姿の者はその少女と後継者以外には居ないと少女自身がおっしゃっていたそうです。」


俺はとにかく驚くことしか出来なかった。


確かに、俺は今まで青や緑といった髪の人は見たことあるが、ピンクはいなかった。


一人を除いては。


そしてその見た目をした人は、今目の前にいる。


「ま、まさか・・・」


「そう、その後継者と思わしき人物の名は」


「メルン・メディウス」












読んでいただきありがとうございます。

9時から10時にかけてもう1話投稿しますので読んでいただければと思います。

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