表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

終点

作者: 寒月

「お客さん、終点ですよ」

気がついたら知らない街に来ていた。駅のホームはひっそりと静まり返り、空は薄暗い。不安を煽るように空は冷たい雫を落とし始めた。

顔に滴るのは雨なのか、涙なのか、わからなかった。


気がつくと雨は止んでいた。通り雨だったのだろうか。空は泣き止んでも、顔に滴る雨は止まない。

ふと一筋の光が曇天から顔を出す。その光は眩しく、母親のように温かかった。


キラキラと雨粒を反射させる。まるで宝石が散らばっているようだった。あの光が心にも差したら、どんなに美しいことか。

必死で手を伸ばした。あと少し…もう少し…。


一筋の光を掴んだ瞬間、電車が大きなクラクションを鳴らして身体を突き破った。

そこに散らばったのは、紅く輝く血しぶきだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ