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隙間

作者: Madder

隙間は隙間で生まれ隙間で死ぬ。

隙間が消える時、隙間はそこで死ぬ。


隙間…なんて生き物のように考えて見たりしていた。よほど暇なんだろうなと自分で考えていたらなんだか笑えて来た。


私は隙間が気になって仕方ない性格である。周りは几帳面なんて言うがそうは思わない。

ただ隙間が空いてると隙間をなくしたくなるだけであるのだ。


「本棚に隙間が…ん?」


隙間にクリクリとした目があるようにみえた。

もしかして隙間が生き物になってしまったのか?と考えたがそんなことはない。

丁度、落ちていた本を隙間に詰め込んだ。ところが…


ーポロ…ー


本がうまく入らず、隙間は開いたままであった。


もう一度入れてみる


ーポロリー


どうしても本が転がり落ちる。


「どうして本が入らないんだ…?」

そう考えるとおかしいところを思い出した、私は本をしっかり本棚に片付けるのにこの本だけ出ていたのだ。

もしかすると本棚の中から押し出されてるのかもしれないと隙間に手を突っ込んだ。


ーもさっー


何かに触れた。それを掴んで引きずり出した。


「なんだこれ…」


黒くモサモサとして目玉が二つぎょろりとしたものがチーチーと鳴いている。


「ははーん、お前すきまだな。」


チーチーとすきまは返事した。


「私はお前が好きじゃないんだ、さっさと元の場所に帰れ!」


そう言うとすきまは本棚の中に入って行った。しまった、こいつはここで生まれたから元の場所はここなのか…

そう考えるとこの場所を取るのが可哀想に感じて来た。

だけども、そうは行ってられないすきまを退かそうと引きずり出そうとするが今度は出てこない。


「仕方ない、お前だけだぞ、隙間を許すのは!」


その日から私の部屋には1つだけ隙間ができた。少しばかり気になるが仕方ないと諦めている。

ここまで読んでいただきありがとうございました。すきまは黒くてモサモサとしてて目玉が二つぎょろりとしてる、あまり可愛くないと思います。

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