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第六十一話 ◯ートロッドは出てきません(多分)

クロエサイドの第三者視点です

題名はアレですが割と真面目な戦闘回。

 

 時は遡り、カンナが野営地に到着した頃に移る。


「疾ッ」


 クロエが走らせた剣の一閃が、ゴブリンの喉を裂き、血を吹き出しながら絶命させる。それが倒れる姿を視界の端に収めながらさらなる一刀を走らせる。彼女が剣を振るう都度にゴブリンの命が失われていった。


 鉱山は上空から見れば、三日月のような地形をしており、ゴブリン達の集落はそのちょうど中央部の平らな空間に形成されていた。事前の偵察によって、動物の皮やどこから拾ったぼろ切れと、伐採しただけでろくに加工もされていない木材を使ったテントのような寝床と、山の側面に空いた洞穴に大量のゴブリンが確認されていた。


 作戦では、装備を固めた幻竜騎士団は三日月状の地形の、丁度隙間があいた地点から。身軽な冒険者達は道が険しい側面から攻め入る形で鉱山に進入していた。この配置によってゴブリン達の注意を騎士団が引き付け、浮き足立ったところを横から冒険者が強襲する、という策ともいえない段取りだ。


 だが、最低限に道具を扱う程度の知能しかないゴブリンが相手である。この程度の作戦でも十分すぎるほどに通用していた。加えて、統制された騎士団は当然として、場数を踏んでいるCランク冒険者であればある程度の臨機応変さは持ち合わせている。特に問題は無かったのだ。


「ぬぅ…………やはりゴブリン相手では『アレ』を試すにはいささか火力過多でござるな」


 些かの油断もなくゴブリンを斬り伏せ、だがクロエは不満げに呟いた。リーダー代わりのBランク冒険者に率いられたクロエらCランク冒険者達は特に苦戦をすることもなくゴブリン達を殲滅していく。


「…………ぬ?」


 背後からの気配にクロエは振り向くが、剣を振るう前に迫っていたゴブリンの眉間に横から槍が突き刺さった。一撃でゴブリンの頭蓋を貫通した槍を振るい、死体をどこかへ飛ばしたのは、ガタいのよい男性だった。


「おっと、余計なお世話だったか?」

「いえ、かたじけないでござる」

「がははは、そうかいッ。んじゃ、互いに死なない程度に頑張ろうぜ」


 豪快な笑いを残し、槍を担いだ彼は新たな獲物を求めて去っていった。クロエも剣を構え直し、再びゴブリンを切り捨てていく。


 しばらくすると、クロエの前に他の個体よりも一回り大きなゴブリンが姿を現した。ゴブリンの亜種だ。上位個体には到底及ばないが、それでも通常のゴブリンよりは強靱な身体を持っている。持っている武器ーー剣も他の者よりも幾分か上等に見えた。おそらくDランクほどの能力はあるだろう。


 ゴブリンが鈍い雄叫びを上げながら襲いかかる。クロエは余裕を持ってゴブリンの一撃を回避すると、すれ違いざまに切りつけた。だが、彼女の斬撃は緑色の皮膚を浅く切っただけに終わる。痛みに顔を歪めたゴブリンは怒り任せに剣を振るうが、クロエは後方に飛び退き一旦距離をとった。


「やはり、『モノ』が違うと勝手も変わってくるでござるな」


 クロエが得意とする武器は特殊な形状と製造方法をしており、ドラクニルの武器屋では取り扱っていなかったのだ。仕方なしに最も形状が近い『片手剣』を選んで使用していたが、クロエの呟いたとおり使い勝手が微妙に異なっていた。故郷で慣れ親しんだ『武器』が手元にあれば、多少防御力が上がったとて切り捨てていただろう。


 もちろん、今現在に手にしている『剣』であっても、正面のゴブリンは余裕で相手ができる。


「…………試してみるでござるか」


 正面からとは別に、横から他のゴブリンが襲いかかるが、クロエはヒラリと身を翻して回避。


「『雷刃』…………起動ッ」


 片手剣を両手持ちに。柄を握る寸前に術式を構築し、即座に発動。両手の中に生まれた「雷」を刀身に注ぎ込む。


 振り向き様に、身近のゴブリンへと刃を落とした。緑色の体躯は刃を受けると豆腐のように切り落とされ、だが一切の血液を流すことなく二つに分かれて地面に崩れ落ちた。


 同胞の死に憤ったのか、あるいはこれを隙と判断したのか、ゴブリンは声を発しながら剣を振り下ろした。クロエは己の剣を持ってその一撃を受け止めた。すると、攻撃した筈のゴブリンの体が痙攣を起こしたかのように震え、動きが止まる。その胴体に、クロエはすかさず『雷光』を纏った刃を走らせた。


 先ほどは傷の一つで済んだはずの、だが今度は胴の大半を断ち切られるほどの一撃を貰い、ゴブリンは二度と動かなくなった。やはり半ば以上まで分かたれた胴体の断面からは血の一滴も流れ落ちなかった。


 地面に倒れたゴブリンの傷口をよく観察すると、まるで高温で熱したかのような焼けた断面図を残していた。


「…………金属の装備をしている相手には有効でござるな」


 クロエはゴブリンの死体と、雷光を宿した己の剣を見比べて感想を漏らした。


 ーーーー武器に雷撃を宿す。


 これがカンナが思いついた省エネ魔術の正体だ。アイディアの元はもちろん、某有名ロボット戦記アニメに出てくる、渋いオッサンが乗った青い人型兵器。アレが持つ『ヒート○ーベ○』である。


 雷撃を放射するには魔力は足りず、かといって直接叩き込むには危険すぎる。ならば、使い慣れた武器に雷撃を乗せてしまえばいいではないか。


 その発想の元に開発された魔術が、クロエが使用した雷系支援術式『雷刃』だ。刀身に『雷』を宿し、雷撃の刃を相手に食らわせる魔術式である。


 これが金属製の武器とぶつかり合うと、クロエが持つ武器から雷撃が伝わり、相手が感電する。さらに『雷撃』が刃を形成することによって切れ味の底上げにも貢献するのだ。刀身に雷撃を通しているだけなので必要なのは最低限の魔術式で済み、魔力のエコにつながっている。日頃の訓練の賜物で、一定の出力を維持する制御に長けていたクロエには非常に相性の良い魔術式となった。


 ただしここはやはりカンナクオリティ。もちろん欠点もあった。


「あちちッ、熱いでござるッッ」


 クロエは悲鳴を上げながら慌てて『雷刃』を解除した。


 この『雷刃』、攻撃力に加えて雷撃の付加効果を与えるのだが、その副産物として剣の全体が『電気抵抗』によって『超高温』を帯びる。これがゴブリンの傷口が焼け焦げている理由なのだが、その超高温が柄を通してクロエにまで伝わってしまうのだ。おかげで一度使用すると刀身が冷えるまで使用不可。無理に使用を続けると、今度はクロエの手が焼け焦げてしまうのである。


 対処法として、剣は既製品だが柄の部分だけは熱を通しにくい素材に変更している。が、根本的な解決には至っていない。刀身が超高温になってもすぐには手が火傷しない、程度である。調子に乗って解除を忘れると、今のような熱い思いをする。


「今後の課題でござるな」


 大きな欠点はあるが、それに見合うだけの攻撃力。何よりもカンナのアイディアによって生まれた魔術なのだ。この程度を改善できなければ彼に申し訳ない。


 さて、新たな獲物を狙って足を踏み出したその時だ。


 ドゴンッ! と。


 凄まじい音が聞こえてきた。


 クロエは耳をピンッと立て、意識の警戒レベルを上げた。他の冒険者たちも同様に警戒心を強めた。魔獣との戦闘に置いては、不慮の事態は日常茶飯事だ。一流と呼ばれる者ほど、周囲の状況には気を配っているのだ。


 またもやドゴンッと、音が聞こえる。


「あっちでござ…………る…………か?」


 音の発生源を特定したクロエはそちらの方に顔を向けた。だが、目撃した光景に、思わず目を疑った。


 ーーーーゴブリンが、宙を舞っていた。


 緑色のゴブリンが数体、体の一部に部位の欠損を生じさせながら吹き飛んでいたのだ。しかも目撃した一度きりではなく、音が発生する度にゴブリンがその都度に宙を舞う。


「おお、ありゃ『竜剣』だな」


 つい先ほどに言葉を交わした槍使いだ。近くのゴブリンは掃討し終わったのか、辺りに動くゴブリンの姿はない。ここでの戦闘は一段落したのだろう。他の冒険者は新たにゴブリンがいる場所へと向かっている。


「竜剣…………。確か、この作戦に参加している騎士団の団長殿…………でござったか?」

「ドラクニルのギルドで最年少Aランク到達の記録保持者だ。おそらく、ディアガル国内でも屈指の実力者だろうよ」

「あれが、竜剣殿の仕業であると?」

「俺も人伝でしか聞いたことが無かったがな。何でも『オーガ』にも匹敵する膂力を秘めた怪力無双だとかな。昨日初めて姿を見たが、鎧姿とはいえあんな細身だから眉唾だと思ってたが、どうやら噂にたがわないらしい」


 会話をしている間にも、ゴブリンが次々と宙を舞っていく。よく観察すると、剣の煌めきがゴブリンの合間から確認できる。間違いなく、彼が背負っていた巨大な剣だ。


「…………というか、指揮官が直々に最前線で戦っているのはおかしくないでござるか?」

「俺はむしろ、後ろでふんぞり返ってるよりも好感が持てるがな」


 言いたいことはクロエも理解できる。自陣の奥に引きこもり、偉そうに喚き散らす無能な指揮官と比べれば遙かにマシだ。おそらく、竜剣のそばで戦っている彼の部下からしてみれば、心労の一因であろうが。


「っと、見とれている内に他の奴らに遅れちまったな。どうする嬢ちゃん? 俺はこの際、間近で竜剣を見ようと帝国軍の方に合流するつもりだが」


 付近にはもはや人気はなく、あるのはゴブリンの死骸だけだ。一番近くにあるゴブリンの群は、今まさに竜剣が無双している地点だ。別方向に離れ得た位置には冒険者たちの背中が見えた。


「折角なので、拙者もご一緒するでござるよ」

「そうかい。自己紹介が遅れたな。俺はバルハルトだ」

「クロエでござる」


 頷き合うと、クロエと槍使いの男ーーバルハルトは、帝国軍に合流するべく再びゴブリンの群へと突っ込んでいった。




 戦場の喧噪の中にあって、レグルスは背後で率いる部下以外の人間が接近してくるのを察した。そちらを見やると、ゴブリンたちを切り捨て、あるいは貫きながら冒険者二人がこちらに近づいてくる。


 その片割れ。ドラクニルでは珍しい黒い髪に狼の耳を持った獣人の女がレグルスの目に留まった。


「…………む」


 それまで斜め四十五度の方向に吹き飛んでいたゴブリンが、この時だけ水平後方に飛んでいった。レグルスは相棒である大剣の柄を握り直し、再度振るいゴブリンを薙払う。今度は四十五度の角度に戻る。


「我ながら未熟だな」


 呟きはゴブリンの悲鳴に打ち消され、背後の副官や部下たちに届くことはなかった。


 魔獣の壁を突破してこちらに向かってくる二人に、副官のダインは背後の部下達に一時停止を告げると、冒険者達に怒鳴る。


「貴様ら冒険者たちは別の方面の担当のはずだ! 何故ここにいる! 邪魔だッ!」


 イキナリである。ダインの剣幕にクロエは少しだけ目を瞬いたが、即座に気を取り直す。


「拙者たちは貴殿らの邪魔をするつもりは毛頭ないでござる。ただ、『竜剣』殿のお側で戦ってみたいと馳せつけただけでござる」

「元とはいえAランク冒険者の戦う姿なんて滅多に拝めないからな。クロエの嬢ちゃんの言うとおり、あんたら帝国軍の邪魔はしないさ」

「うむ、許可する」

「団長ッッ!?」


 即決即断は美徳とは言うが、さすがに決断が早すぎるのではないか。ダインが兜越しに上げた甲高い声を耳に、クロエとダインは思った。


「こちらに向かってくる際の戦いぶりを見れば足手まといにはならないだろう。邪魔をしないとも言っているのだし」

「そう言う問題ではありません!」

「では、どういう問題なのだ?」

「そ、それは…………」


 口籠もる副官を後目に、レグルスは二人を見据えて言った。


「さて、君たちの言うとおり邪魔にならない範囲でなら一緒に来るがいい。ただし、付いて来れなければ容赦なく置き去りにするから、そのつもりでいるといい」

「構わない」と冒険者二人は答えた。勝手に付いていくと言い出したのはこちらなのだ。同行を許可してくれただけでもありがたかった。

「ちッ、団長が仰るのならば私は従うまでです」


 渋々と。本当に渋々と副官は引き下がった。兜の奥に苦みが走った表情が浮かんでいるのはありありと想像できた。正規軍の人間は自由気質の冒険者を嫌う傾向があるが、その典型的な反応にクロエは苦笑した。


 冒険者二人を共にした幻竜騎士団の進撃が再開する。


 最前を走るのは、やはり竜剣ーーレグルスだ。彼の戦う姿を身近に、クロエは戦慄に近い感情を抱いた。


 剣を一閃する度に旋風が巻き起こり、ゴブリンが数体まとめて吹き飛ぶ。恐ろしいことに、剣を構えようが棍棒を構えようが、他の個体よりも一回り大きい亜種だろうが関係無しにすべてを両断していくのだから。驚くのは、一見にして力任せに見える斬撃が、よく見れば全く淀みのない洗礼された動きであること。その細身からは考えられないほどの膂力ではあるのだが、それを十二分に発揮するための理に適った動きだ。


 副官ダインも忘れてはいけない。刺突を主眼に置かれた『レイピア』を操り、的確にゴブリンの急所をえぐり仕留めていく。刺突のスピードは素早く、クロエの動体視力で『どうにか』認識できるほどだ。


 背後に続く幻竜騎士団団員達の実力も侮れない。個人技が目立つ冒険者達とは違い、統率された動きで乱れずにゴブリンを討伐していく。一人一人の実力はおそらく、クロエと同等かそれ以上だ。


「団長だけでなく、団員の方々も手練ればかりでござるな」

「ああ、俺も驚いた。軍ってのは外見ばかりのボンクラばかりだと思っていたが、こいつは認識を改めないと駄目だな」


 ディアガルの軍を率いる指揮官クラスの人間の殆どは竜人族で固められている。これは血筋や貴族云々が理由ではなく、純粋な戦闘力が要因。それらが率いる兵達は日々厳しい訓練に明け暮れており、一人一人の練度は他国のそれを凌駕する。軍全体の規模こそ他より劣るが、総合的な戦力ではむしろ上回ってさえいるのだ。


 バルハルトの言う『ボンクラ部隊』とは、家柄によってのみ指揮官としての地位に収まり、人数だけを揃えた烏合の衆を指している。ディアガル帝国内であっても悲しいことにそれらの類は存在する。それと比べれば、幻竜騎士団は精鋭中の精鋭にも見えた。


「へっ、俺たちも負けてはいられねぇな」

「無論でござるよ!」


 猛者達の戦いを目に、クロエとバルハルトは己を奮い立たせた。両者ともに高みを目指す冒険者だ。ここで奮い立たなければそこを目指す資格などない。



 やがて、動く緑色の姿は消え去り、後に残るのは騎士団と冒険者達のみとなっていた。ゴブリン達の寝床は殆ど全てが薙ぎ倒され、その主達も動かぬ屍と化していた。その間に、騎士団、冒険者達に怪我人らしい怪我人は出ず、強いて言えば転んで肘を擦りむいた程度である。


「残るは、あの洞窟の内部か」

「報告によれば、この大集落の主である上位個体の死体はまだ確認されていません。おそらくあの中でしょう」


 レグルスとダインは、鉱山の側面に開いている大穴を兜の奥から見据えた。上位個体を討伐しなければこの作戦は終わらない。ここで仕留めておかねば、ほかの地域でまたもゴブリンを束ねて大集落を作る可能性があるからだ。


 なお、この時点で無闇に洞窟の内部に突入する者は冒険者の中にもいなかった。事前にゴブリンの上位個体の討伐ランクは『B』であると予想が立てられていたからだ。無論、倒して確固たる実績を挙げたいという欲望はあれど、意気込みだけでBランクの魔獣に突撃するほどに無謀でもない。最低でも、足並みを揃え万全を期して挑む心構えだ。


 …………若干一命、我先に飛び出そうとしている者がいたが。


「団長、まさか自ら洞窟に侵入しようとは、考えてませんよね?」


 妙にうずうずしているレグルスの横から冷たい副官の声が押しとどめる。レグルスは若干気落ちしたように肩を落とすと副官に振り向いた。 


「駄目なのか? 私が行けば多分すぐに終わるぞ?」

「駄目に決まっているでしょう。そもそも、一部隊のトップが最前線で暴れ回っている時点で大問題です。普通は後方で構えて指揮を執るのがあなたの仕事ですよ」

「後ろで黙ってふんぞり返っているのは性に合わん。考えるのは副官であるおまえの仕事だろう」

「お目付役がいないと、あなたはどこまでもどこまでも突っ込んでいってしまいますからね。後に付いていく団員達の身にもなってください」


 そんな会話を側で聞いていた外様の冒険者二人は。


「やっぱり、団長が自ら最前線に立つには問題があったのでござるな」

「今まで想像してた竜剣のイメージとかなり違うな」


 と、いろいろ呟いていた。


 ダインに諭された団長は仕方がないな、と肩を竦めると、クロエに声を掛けた。


「黒狼のお嬢さん。悪いが君たちのリーダーを呼んできてもらえないか? 今からあの洞窟に向かうパーティーを形成したい。ニ、三人、洞窟内の戦闘が得意な人材を見繕って欲しい、と伝えてくれ。こちらの部隊からも何人か出すのでな」

「Bランクの冒険者殿にでござるな。了解でござる」


 騎士団長の命を受けたクロエは頷くと、冒険者達が集まっている場所へと足を向けた。


 軽快な足取りで走るクロエ。だが、騎士団と冒険者、それぞれの集団のちょうど中間点に差し掛かった頃に不意に足を止めた。


「…………なんでござるか?」


 それは、獣の因子を持つが故の本能か。


 冒険者として培った経験か。


 あるいは、『死』を体験したことによって得た『第六感』か。


 惜しむらくはこの時、彼女は足を止めるべきではなかった。


 彼女が敬愛するあの白髪の少年ならば、全力でその場を駆け抜けていただろう。


 しかし、その後悔を覚えたのは。



 どこからか飛来した『矢』が彼女の左胸に突き立ってからだ。


 

 ーーーーバギンッ。


 硬質な破壊音が耳に届いた直後、クロエの意識は途絶えた。


 

集団戦闘の描写が非常に難しい。かなり迷い迷いで書きました。


クロエは今後もどんどん「雷」系の新技を開発していきたいと思っています。


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